科学者たちが語る食欲

スリリングな読書だった。粘菌の実験から始まって、ショウジョウバエ、ネズミ、人と、食物と生命の実験が語られる。

マントヒヒの食べているものが、無造作に食べているように見えて、見事にタンパク質、炭水化物、脂質がとれていたことの発見。サバクトビバッタが、タンパク質を求めて共食いをするエピソード。粘菌が、自然にタンパク質を求めること。そこで語られていくのは、生命の維持のために動物たちが、タンパク質を求めてものを食べると言うことだ。動物は、単に目の前のものを食べているだけではないと言うことがわかって驚いた。ちゃんと、生命維持のために、食べなきゃいけないものがわかっているようだ

そして、私達人類の味覚である塩味、甘味、辛味、苦味、酸味、うま味が、単純に味の好みではなく生命を維持をするために、その栄養素を食べるために与えられた能力だと言うことを知って驚く。

科学者たちは、タンパク質、炭水化物、脂質の配合を変えた食料を動物に与えて実験を繰り返す。特に粘菌やショウジョウバエと違って、ネズミの実験は大変な作業だったことが語られる。5年の歳月と6トンの餌を使って実験し、科学者たちは、寝る間もなく、実験を管理する。それを分析して、生命の秘密を見つけたようだ。ここまであまりの面白さに読むのが止められなかった。まるでミステリー小説を読むように引き込まれた。

その結果、すべての動物の実験結果は同じだった。タンパク質を多く、炭水化物を少なく与えられたネズミは繁殖能力が高いが、早死にする。タンパク質が少なく、炭水化物多く与えられたネズミは、太っているが長寿。ネズミだけではなく他の動物の実験でも同じ結果を得ているが、繁殖能力と寿命はトレードオフの関係にあるようだ。

高タンパク質で低炭水化物の食事をしたネズミが、痩せたまま早死にするところで、「セクシーな痩せた中年マウス」の表現に思わず笑ってしまう。しかし実は笑い事ではない。多くの人が今行っているのは、そのような食事法なのだ。

現代社会において人は長寿になりつつ少子化が進むメカニズムが解明されたようだ。

ここ何年かダイエットのために、低糖食を心がけてタンパク質を積極的に食べている。しかし、これはどうも間違いのようだ。タンパク質の量はむしろ少ない方が寿命のためには良い。タンパク質は食事の15から20%で十分で、糖質と脂質を適度にとりつつ、食物繊維をたくさん食べるのが良いようだ。

加工食品が体に良くないと言う事は、この本を読むまでもなく、明らかだ。だから、今まで通り食べない。

やはり印象に残った事は、粘菌から人まで多くの動物は、タンパク質を食べたくて食べていること。しかし南極でのウサギ肉ばかり食べて高タンパク質で人が死ぬ、ウサギ中毒の話など、タンパク質はの食べすぎは有害だと言うこと。我々の味覚は、必要なものを体に取り入れるために好んでそれを食べるように与えられていること。タンパク質を控えめにして、植物性の食物繊維の多い炭水化物をたくさん取らなければいけないことなど学んだ事は多く、読み物としてもあまりにも面白く一気に最後まで読んでしまった。

運動と脳の健康の関係

The Journal of Neuroscienceに発表された研究によれば、運動が認知症のリスクを下げることが証明された。しかし、そのメカニズムについては解明されていないということだ。

この研究は、実験に参加した老人が動き回ったり、じっとしているかをモニターした。そして、その老人が亡くなった後、脳の解剖によって、活動的な人とそうでない人の違いを調べた。活動的な人の場合、脳の重要な免疫細胞が健康なことが発見された。肉体的な活動が、脳を健康にし、思考能力を維持し、認知症に影響することがわかったということだ。

これまでも同様の研究がたくさんあり、別の研究でも、活発な老人が1日に1時間歩き始めたところ、脳の海馬が大きくなったと言う研究結果も報告されている。このように、運動と脳の機能に関係がある事はわかっているが、それがどのようにして起こるのかについてはまだ分かっていない。

ネズミを使った動物実験の結果からは、運動によって脳細胞をつなげたり、育むだけでなく、新しい神経細胞や脳神経を活性化するホルモンや神経物質の分泌が促進されることがわかっている。この研究は、運動を活発にしたねずみの脳と活発に運動をさせなかったねずみの脳を解剖により比べている。

このねずみの研究によれば、歳をとるにつれて脳の中枢神経型グリア細胞の1つのミクログリアが機能しなくなり、炎症を引き起こし、その結果として、脳の健康な細胞を破壊し始める。このため記憶や学習能力に影響が出ることがわかっている。しかし、活発な運動したネズミの脳はミクログリアが維持されているために、炎症が少なく、加齢による影響が少ないと言う。

今回のThe Journal of Neuroscienceで公表された研究は、ネズミではなく、実際の人間の脳の解剖から同様の結果が得られた。実験に参加して亡くなった人の167人の脳細胞を、解剖して研究した結果だ。亡くなるまで活動的だった人のミクログリアは維持されていたことが確認された。この結果は、動物実験の結果と同様のものだ。特に記憶を司る部分のミクログリアが運動と強い関係のあることが証明されている。

興味深いのは、活発な運動といっても、対象となった人々がマラソンを走っていたわけではない。通常の生活の中で、単に座っているだけではなく、動き回るだけで脳の炎症を抑えて、ミクログリアを維持していたと言う事のようだ。

人間の体と言うのは本当に不思議なものだ。何億年と言う進化の末に、本当に複雑なものが作り上げられたのか。あるいは神が存在して、そのような設計図を描いていたのだろうか。

その答えは誰も、たどり着けない。だから、とりあえず毎日体を動かすことが、考え続けることを維持するために必要なことのようだ。

世界的な対策が必要

新型コロナウィルスの変異種オミクロン型が世界各地で見つかっている。感染者数が急激に低下して、ようやく落ち着いた生活が戻ると思われたが、また第6波の恐怖に怯える日々だ。

日経に不安になる記事が出ていた。実用化が始まった治療薬の効果が、オミクロン型に対しては下がる可能性があると言う。最もよく聞く治療薬の「抗体カクテル療法」は、開発元のリジェネロンが、デルタ型に比べるとオミクロン型に対しては効果が低い可能性があると話していると言う。

また、あまり聞いたことがないが、グラクソ・スミスクラインの「ゼビュディ」と言う点滴液は、日本では9月に承認されている。こちらは、開発元の見解では、実験結果からオミクロン型にも効果があるらしい。

飲み薬では、メルク、ファイザー、シオノギの3種がある。メルク、ファイザーは、確認はされていないが有効性に自信があるとの回答だ。シオノギはウィルスを入手次第、有効性を検証するとしている。ここではシオノギだけが慎重な回答で、まっとうだ。メルクとファイザーは空元気に見える。

しかし、治療薬も重要だが、問題はワクチンだ。ファイザーは、自社のワクチンがオミクロン型に対しては予防効果が下がる可能性を指摘している。これは、大きな問題だ。それでは、三回目を接種しても効果が低いことになり、オミクロン型への対策手段がなくなってしまう。

12月に入り、初期にワクチンを接種した人は半年が過ぎて抗体量が減り、ワクチンの予防効果は低下している可能性がある。この時期にオミクロン株が広がると、第6波と言うことになってしまう。

政府は入国制限などを行っているが、オミクロン型が南アフリカで初めて見つかったときに、既にヨーロッパでも感染が広がっていたという見解もある。その間に人の往来が続いているので、日本にもかなりの程度感染が広がっていると考えるのが自然だ。

パンデミックが始まって、もうそろそろ2年になるが、日本だけで感染が減っても、世界のどこかに感染地域があるとするとそこで新しい変異種が生まれて、それが世界に広がると言うことが繰り返される。早急な世界的な対策が求められるのは、そのような理由だ。

Twitterは、許可のない個人の写真を削除

Twitterがポリシーを変更して、許可なく撮影された一般の個人の写真やビデオをリクエストがあれば削除するとした。個人情報に関しては、以前からTwitterに住所、電話番号、医療記録等の個人情報を投稿する事は禁止されている。今回の変更は、個人の肖像権や撮られたくない権利を尊重したものだ。

今回のTwitterの個人を写した写真の投稿についての厳しいポリシーについては様々な意見が出ている。疑問の1つは、現在のアメリカの法律よりも厳しいからだ。一般的に言って日本でもアメリカでも、公的な場所での人物の撮影は、アップで個人を撮る場合は別にして、風景の一部となっている場合には禁止されていない。しかしTwitterの今回のポリシー変更では、そのような写真であってもリクエストがあれば削除すると言うことになっている。確かに、写真に撮られることについては、大小に関わらず、嫌悪感を持つケースもあり、削除してほしいということもあるだろう。

別の疑問は、公的な場所の群衆の写真が撮られた場合、それまで対象になるのかと言うことだ。これについては、Twitterは何のコメントも出していないが、群衆が写っていて、その個人の大小にかかわらず、削除を求めることができると考えられる。しかしここまでいくと、やりすぎのような気もしないまでもない

個人的に街で写真を撮るをのが好きだが、最近はなるべく人を避けて取るようにしている。あるいは撮ったとしても、その人物は顔が映らないように気をつけている。法律的には、公道上の写真撮影は許されていることは理解されているが、特定の人物を大きく撮ることは、その人の「撮られたくない権利」を侵害することになるからだ。

Twitterは、法律よりも厳しい、今回のポリシーの変更に対しては、ヨーロッパ各国のプライバシー法に沿ったもので、すでにそのような国では一般の個人の写真を削除していると反論している。

この個人の写真についてのポリシーは、メディアの報道や、広く流布している写真については適用されないと言う。

このような状況考えると、写真の街スナップと言うのは、すでに法律に触れもないまでも、人物が写り込む場合には、すでに人々の感情からは許されないようなものになっているのだろう。以前の富士フィルムのカメラのプロモーションビデオで問題になったように、街で個人を撮影することには、多くの人が良い感情を持っていない。写真好きにとってはなかなか難しい世の中になってきた。

道路が車を充電

電気自動車を、これからの車として誰もが考えている。だから、テスラの時価総額がトヨタの何倍にもなっているのだ。しかし実際は、2021年にアメリカで売られた乗用車に占める電気自動車の割合は4%に過ぎない。

問題は、その走行距離だ。長い距離を走れないと言う現時点では、特にアメリカでは致命的な欠点がある。さらに、充電時間が長いことを問題だ。しかもまだ充電できるステーションは整っていない。

バイデン政権は、電気自動車の普及をすべく、現在は43,000カ所しかない充電ステーションを2030年までには50万カ所に増やす計画を決めた。

しかし、これではまだ問題の解決にはならない。充電ステーションがあっても、充電のためにそこに長く留まらなければいけないと言うのは、あまり実用的とは言えない。

この問題に対応するために、アメリカでは研究が進んでいる。道路に非接触式の充電機能を持たせると言うことだ。これができれば長距離走行や充電時間の問題が解決する。

この技術は、ドイツの会社のMagmentが開発したもので、磁気化するコンクリート技術を使用すると言うことだ。コンクリートに酸化鉄、ニッケル、亜鉛などを混ぜて作るようだ。この物質を使った板を道路に埋め込む。計画ではトラックなどの追加の通貨の耐久性や、充電機能などのテストを始めると言う

既にスマホではワイヤレス充電が実用化されている。iPhoneではiPhone 8以降がワイヤレス充電のQi充電器に対応している。すでに様々な充電器が販売されていて安いものだと1000円台からある。

しかし、個人的にこれを使っていない。充電が遅いこと、充電の際の位置がずれていると充電できないこと、ケースに入っていると充電できない可能性があると言うことで、まだ使っていない。

スマホのような小さなものでもこのような問題があるので、道路で車に対して充電を行うと言うことになるとかなりの実用化までの困難が予想される。しかし電気自動車の普及のためには、問題になっていることの解決ができる唯一の方法なので、今後この研究が進んで実用化されることを願っている。

家庭用5G導入

ソニーグループが、5Gを使った家庭向けのインターネット接続サービスを始めるという記事を読んだ。この「NUROワイヤレス5G」についての記事に読み落としがあって、そのために、サービスが始まったら導入しようと思った。だが、よく読んでみると集合住宅の家庭向けと書かれていた。

私の家は、一戸建てで自分でこのサービスを受けることができないようだ。多分、個人で1戸のみで使用する場合には、初期コストがかなりかかると言うことなのだろう。

5Gであれば、最大20Gbpsのスピードとなり、今使っている「NUROひかり」の最大2Gbpsよりも圧倒的に速くなる。しかも家ではこれをWi-Fiも使っている。最近新しい規格のWi-Fiルーターを買い換えたが、それでも50から70Mbpsしか出ていないはずだ。

この状況考えると、圧倒的に家庭向けの5Gは早いはずだ。

ソニーの「NUROワイヤレス5G」は家庭向きでないとなると、やはり選択肢は以前から考えているドコモの「HOME 5G」しかない。ドコモの「HOME 5G」に飛びつかなかった理由は2つ。使っている「NUROひかり」で、固定IP電話の契約をしていることと、「HOME 5G」の端末の購入39,600円だ。

今すぐでなくても、多分これから家庭でも5Gが主流になっていくと思われる。我が家も電話の問題を少し考えて、ドコモの「HOME 5G」を導入したい。

今の家を建てたのは1996年で、家を建てた当初はISDNだった。でもその時に、家庭内の電話の配線工事の際に、ひかりファイバー導入も考えて、LANケーブルを通すためのパイプも設置した。当時は、家庭内無線LANという発想がなかったからだ。そして1年か2年後に光ファイバーに変更した。

それから接続サービス事業者は何度か変わったが、この10年以上は「NUROひかり」を使ってきた。それは、世界最高速という当時のコピーに惹かれたからだ。

しかし、もはや5Gの時代が来ると、ISDNから光ファイバーに変更したように、5Gに変えるのが合理的だ。

ただし心配なのは、家はコンクリート造りなので、今のWi-Fiでも電波の届かない部屋がある。それを考えると5Gで家の中に電波が本当に届くのかどうか少し心配となる。多分リレーするような端末は用意されていると思われる。それも確認しなければいけない。

コンピューターのCPUは、ムーアの法則でどんどんスピードを上げている一方、家庭のネットワークがもう25年近く同じままと言うのもおかしい。スピードが上がったのは、Wi-Fiルーターの規格の変更だけだ。有線で光ファイバーにつないでいるパソコンのほうは全くスピードが変わっていない。

こうなると、真剣に、固定電話をどうするかと言う問題を考えなければいけない。もう一度NTTの通常の電話に戻して固定電話を維持するか、あるいはもうほとんど使わない固定電話を止めてしまうか。ここが少し悩みどころだ。

AmazonがNFLのメディア部門に資本参加か?

Amazonがコンテンツの分野でも存在感を増している。先日の村田諒太の試合も海外ではAmazonの独占放送になった。金銭的な問題で、海外はDAZNが譲ったということだった。資金力の違いが明らかなようだ。

新しい話では、Amazon はNFLのメディア部門に出資する交渉を進めている。NFLメディアは、NFL Network、RedZoneと公式サイトのNFL.comの運営する。この部門の49%まで資本参加する可能性がある。

Amazon Prime Videoはすでに、NFLの放送パートナーになっており、2022年からは、木曜日に放送されるThursday Night  Footballを独占的に放送する。ストリーミング配信サービスとしては初めてNFLを独占的に放送する権利を獲得した。この権利ために、Amazon Prime Videoは、1年に1000億円以上を払うと言う。

AmazonとNFLの関係は深い。NFLは、統計データや選手情報などを伝えるNext Gen Statsを2015年に始める際にAmazon Web Servicesを利用している。とは言え、これは別に珍しいことではない、スタートアップから政府機関まで多くの組織がAmazon Web Servicesを利用しているからだ。

もう一つは、2022年から独占になる木曜日の試合については、Amazon Prime Videoが非独占ですでに5年間の放送を行っている。

Amazonは、さらに、NFLのSunday Ticketの獲得も狙っていると言う。Sunday Ticketは居住地域で、地上波の放送で見られないチームの試合を見るために放送されているもので、アメリカではDirect TVが放送している。このDirect TVの権利は、三十年続いた後、2022年で失効することになっている。

この権利もAmazonは取ろうとしているようだ。このパッケージは確かにストリーミング映像サービス向きのコンテンツなので、Amazonが取りたいのは理解できる。しかし同じような考えの会社はたくさんあり、Apple TV、Disney+、Paramount Plusなども興味を示していると言う。これも1年あたり2000億円から3000億円の巨額な争奪戦になるため、資金力のあるAmazonが有利かもしれない。

やはり、アメリカンフットボールは、アメリカの国技だけあり。NFLが今契約している放送権は、1兆円を超え、11年間の契約をAmazon, ESPN、Fox Sports、NBC Sports、 CBS Sports.と結んでいる。つまり、映像配信サービスが力をつけてきても、今後の11年間は、上記のテレビ放送局が権利を独占することになる。その一角にAmazonが食い込んでいることになる。

Amazonが、NFLメディアのパートナーになるとNFL Network の5,500万世帯との契約やNFLの公式ホームページやそのアプリの運用、過去の映像を使った様々なコンテンツの作成など、多くのビジネスがAmazonに生まれる。そういう意味でNFLにとってもAmazonは望ましいパートナーなのかもしれない。

映像ストリーミングサービスの分野ではNetflixが先行している。だが、どちらかと言うとドラマや映画が中心でその他のコンテンツの印象はあまりない。しかしAmazonはスポーツにも力を入れており、幅広い。そういう意味でAmazonのオンラインショッピングと同じように、あらゆる商品を取り扱うと言うのがAmazonのポリシーなのかもしれない。

北極海の大西洋化

北極海は、アメリカ、ロシア、カナダ、デンマーク、ノルウェーの5カ国に囲まれた海で、北極点周辺は1年中、それ以外の海も冬には氷に覆われる。大西洋とはノルウェー沖で広い面でつながっている。しかし、この2つの大洋は、塩分濃度や温度差で区別があって、環境が決定的に違っている。

しかし、全体では、まるで違う性質の2つの大洋は、繋がっているために接点では混じり合っている。それは、大西洋から、暖かい海水が北極海に流れ込んでいることだ。北極海は、この大西洋の暖かい海水を海の下に収容している。その暖かい海水の上に冷たい真水があり、さらにその上に氷がある。このような3層構造が北極海の姿だ。

しかし、北極の氷が溶けて、大量の氷が大西洋に流れ出ることにより、今までの太平洋と北極海の共存関係も北極海の三層構造も崩れつつあると言うことだ。

この過程は、北極海の大西洋化だ。これは、北極海が他の海に比べて温暖化が早いことが原因になっている。

衛星写真により、この変化の過程は北極海とその氷の姿により追跡できる。しかし衛星写真は過去40年までしかさかのぼれない。この大西洋化はいつから始まったのか。そこで、イタリアの学者が取り組んだのは、海底の堆積物をドリルで掘って、調べることだった。

この方法で、堆積物の層を調べることで過去 800年までの北極海の変化が分かった。

この調査の結果、温暖化による北極海の大西洋化は、1900年頃から始まっていると言う。具体的には有孔虫と言う1ミリ程度のアメーバ様原生植物の堆積がどのように進んでいくかを調べた結果だ。この有孔虫が生息していると言う事は温暖化が進み、太平洋から北極海まで有孔虫の生息区域が広がっていたことを示す。つまり温暖化が進んでいると推定される

1900年頃という、産業革命と同時に、北極海の温暖化が始まったと言うことが証明できたことになる。地球の46億年の歴史の中で、この200年ほどで、大きく環境が変化が生じたことが、ここからわかる。

変化したと言うよりも、人類の化石燃料の大規模の消費とともに、46億年続いている地球の均衡を破壊しているのだ。

COP 26でも石炭の使用中止を始め、温暖化のための決定的な対策は合意に至っていない。今のまま、骨折にバンドエイドを貼るような対策を続けていると、近い将来、決定的な結末を迎えそうで怖い。

南アフリカで新たな変異種

11月26日の全国の新規感染者数は119人。一時は2万5000人を超えていた新規感染者数が、このところ急速に減っている。理由は、ワクチン接種が進んだことや、感染を経て免疫を獲得した人が多いことが考えられる。

しかし、ヨーロッパや韓国ではでは、ワクチン接種が同じように進んでいるのかかわらず、また感染者数が急増している。この理由は今のところ不明だ。なぜ日本だけがこのように急速に感染者が減少したのか。

理由はともかく、様々な制限も緩和されて、気分的にもやっと晴れやかだ。先週末に乗った飛行機も新幹線も満席だった。やっと自由な生活が戻ってくるのだろうか。

しかし、今週また不安なニュースが流れた。南アフリカで新たな変異種が発見されたと言うことだ。南アフリカでは、この変異種が急速に拡大していると言う。この変異種は感染力が強いと考えられており、今後急速に広まる可能性が指摘されている。

既に南アフリカとボツワナで見つかっているほか、南アフリカから香港への旅行者からも検出された。それ以外では、ベルギーとイスラエルでも発見されている。早晩世界各国に変異種が感染を広げるのは間違いない。

日本を含め、世界各国は南アフリカからの渡航を制限した。しかし、すでに問題はアフリカだけではないと思われる。早急に、徹底した水際対策を行わないと、今のこの平和な環境が一変する可能性がある。

WHOは、今のところ変異種がつよい感染力を持つとか、強毒であるとか、ワクチンの効果を弱める可能性があるかとかはっきりしないと慎重に発言している。だが、本当のところはまだ分からない。

この新たな変異種の発見を受けて、26日の日経平均は747円安と急落した。またアメリカの株式相場ではダウが905ドル下げた。しばらく、相場は様子見になるのだろう。

ワクチン接種で、終わりが見えてきたかと考えられたパンデミックもこの変異種の登場で先が見えなくなってきた。

年が明けると、自粛や規制の毎日が始まってそろそろ2年になる。そう長く続くものでもないと思っていたが、間違いのようだ。今後も次々と新たな変異種が登場して同じようなことが起こっていくのだろうか。来年こそ、平和な日常が戻ってほしいものだ。

ラウンドアバウト(環状交差点)

交差点のラウンドアバウトについての記事を読んだ。ラウンドアバウトは環状交差点と訳すようだ。ロータリー交差点と言うのかと思っていたら、ロータリー交差点では、進入の際に一時停止位置や信号器があるものだけを言うらしい。だからラウンドアバウトは、全く停止位置も信号機もない。

アメリカに住んでいた頃は、所々にラウンドアバウトがあり、なかなか運転するのに慣れなかった。進入してレーンを移って、回って、出るときにレーンを移って外に出る。この動きが、日本では経験したことのないことなので通過するたびにヒヤヒヤしたのを思い出す。

このラウンドアバウトがアメリカで増えていると言う。インディアナポリスの北にあるキャメル市(人口10万人)には、ラウンドアバウトが140もあると言う。この街の交差点はほとんどがラウンドアバウトになっていると言っても良いのかもしれない。

ラウンドアバウトのメリットはたくさんある。1つは普通の交差点に比べて、死傷事故を減らす効果があると言うことだ。アメリカ運輸省の資料によれば、死亡事故については90%減少、傷害事故も76%減、すべての衝突も35%減と言う驚くような数字が紹介されている。

さらに、自動車が交差点でスピードを落とすことで、歩行者にも安全性が増すと言う。そもそも、重大な衝突事故は、半数が交差点で起こるらしい。ラウンドアバウトになると、スピードが出ている車が正面や側面に衝突することがなくなるので、安全性が増す事は理解できる。多分ラウンドアバウトで起こる事故は軽い接触事故で、死傷者が出るようなことにはならないだろう

さらに、もう一つの利点は環境に良いと言うことだ。ラウンドアバウトには赤信号がないので、車が止まって、アイドリングをして、また発車することがないのでガソリンの消費量が減る。このガソリンの消費量は全体から見れば非常に大きいと思われる

ガソリンだけではなく、信号機もないので電気の消費量も減る。この信号機がないことにより、電気を消費しないだけではなく、災害時に送電が止まった時にも、道路の安全な通行が可能になると言う副次的な効果もあると思われる

140のラウンダバウトがあるキャメル市は、そこの市長がラウンドアバウトを推進していると言うことだ。この市長は、イギリスに留学をして、その際にラウンドアバウトに出会っている。市長に選ばれてからラウンドアバウトを取り入れるために、コンサルタントを雇ったら、そのコンサルタントは、ラウンダバウトは危険なものであり、マサチューセッツ州ではラウンドアバウトを撤去していると反対理由を述べた。

市長はこのコンサルタント話をして、コンサルタントが巨大なラウンドアバウトを念頭に置いていることを発見した。巨大なラウンドアバウトは、例えばパリの凱旋門のラウンドアバウトのようなものである。

たくさんのレーンがある巨大なものではなく、市長が考えていたのはもっとコンパクトなものだ。車が90度の角度ですれ違うのではなく、ラウンドアバウトを回ることにより事故を減らせると考えたのだ。そして、市の中心から離れた場所にいくつかラウンドアバウトを設置してみると、ラッシュアワーの渋滞を軽減することがわかった。このため徐々にラウンドアバウトを増やしていったと言うことだ

他の都市でも、ラウンドアバウトが徐々に増え始めている。理由は、環境対策だ。ミシシッピーで行われた2つのラウンドアバウトの研究では、二酸化炭素排出量が56%も減少したと言う結果が出ている。また別の調査でも、6つのラウンドアバウトの累積の二酸化炭素の量は16%から59%減少したと言う。車社会のアメリカでは、ラウンドアバウトを設置する効果は大きいだろう。

日本のラウンドアバウトを調べた。Wikipediaによると、2021年3月末現在で126カ所にあると言う。人口10万人のキャメル市にある140より少ない。少しずつ増えているようだが、国交省の整備条件では1日の交通量が1万台未満と言うことで、比較的交通量の少ない場所に設置されるようだ。そういうことも関係するのか、東京には1カ所だけで多摩市にあるようだ。

進入口に一時停止や信号機が設置されているロータリー交差点は、明治から大正時代には都市の交差点にたくさん設置されていたらしい。その後交通量の増加に伴い急速に設置撤去されたようだ。

このラウンドアバウトについて、記事から感じた事は、アメリカではキャメル市のように市長が推進してラウンドアバウトを設置することが可能な一方、日本では国交省の規定があって簡単に設置ができないようになっている。この辺にアメリカと日本の国と自治体の関係の違いが出ていることが分かって感覚的に納得できる。もちろん悪い意味だ。ここにも日本の硬直の理由がわかる。