呟く言葉と時代の空気

「SNS流行語大賞 2020」が発表された。第1位は「StayHome/おうち時間」となった。第2位は「アベノマスク」、第3位は「アマビエ」ということだ。見事に、コロナ禍で過ごした我々の生活が反映されている。

この「SNS流行語大賞 2020」は、インターネット・セキュリティのイー・ガーディアンがTwitter上で使用されたフレーズを調査して発表しているものだから、2020年の巣籠もりとコロナウイルスへの恐怖が反映されていて当然だ。

大賞以外に、「モノ」「ゲーム」「アニメ・漫画」「食べ物」などの部門のランキングも発表された。

モノ部門5位にセメダイン

モノ部門では、1位が、マスク。2位イソジン、3位次亜塩素酸、4位鬼滅の刃DX日輪刀、5位セメダインと続く。1位のマスク、2位がモノ部門のトップで、2位イソジン、3位次亜塩素酸というのは、想定内だが、鬼滅の刃DX日輪刀が4位というのは低いと感じた。ブームが始まったのが遅かったので年間では順位が下がってしまったのだろう。最も不可解なのが、セメダインで全く意味が分からなかった。ネットで検索してみると、9月に80年前のセメダインの古い製品が発見されたというニュースがあり、これが出発点なのだろうか。ともかく、理由はわからないが、鬼滅の刃に次ぐ位置といのはすごい。

食べ物部門3位に蘇(そ)

食べ物部分では、1位ポテトサラダ、2位フルーツサンド3位蘇(そ)、4位ダゴルナコーヒー、5位コーンフレーク。3位蘇(そ)も4位ダゴルナコーヒーも今年初めて知った人が多かったと思う。蘇については乳製品の余剰への対応だが、単にチーズとかバターでなく、平安時代の食べ物を作るという発想が、みんなの注意を引いたと思われる。当たり前のことを当たり前にするだけでは話題が作れないと納得。ダゴルナコーヒーについては、完全に「映え」の世界だ。飲んだことはないので味はわからないが、写真で見ると確かに「映え」写真になる。

ユーキャン新語・流行語大賞で「3密」が年間大賞

毎年、年末にはその年の流行語が発表されるが、本家というべきか、ユーキャン新語・流行語大賞も発表されていて、こちらは「3密」が年間大賞に選ばれている。新語・流行語大賞はデータではなく、審査委員会が選定する。つまり、審査委員の感覚的なものだ。だから、余計にその年の雰囲気が反映される気がする。こちらの賞でも2020年の言葉として、愛の不時着、あつ森、アベノマスク、鬼滅の刃などが選ばれている。データではないので、後半の流行でも評価されるのが、この賞の特徴だ。

その年を表現する言葉

「SNS流行語大賞 2020」では選ばれなかった「3密」は2020年の空気を伝えるものとして確かにふさわしい。二つの大賞を並べて見ると、我々がつぶやく言葉と、時代を形容する言葉は一致しないということがよく分かる。概して、使う言葉は即物的で、時代を表すというような抽象性に欠ける。その意味で、ミクロとマクロで、この二つの賞を両方見てみると時代がよく分かる。