Yahoo! JAPANが、1785億円でブランド使用権を買収

Yahoo! JAPANが、1785億円でYahoo!の国内でのブランド使用権とライセンスされている技術を買い取って、アメリカのYahoo!のライセンス契約を終了することを発表した。

ライセンスされている技術は、今ほとんど使われていないだろうから、1785億円と言うのはYahoo!ブランドの価値と言うことになる。

アメリカのYahoo! は、1994年1月にジュリー・ヤンとデビット・ファイルにより設立された。当時はインターネットの普及が始まったばかりで、多くのウェブサイトが急速に立ち上がっていた。そんな中でスタンフォードのこの大学生2人は、人力でウェブサイトのディレクトリを作り始めた。それが人気を得てYahoo!に発展する。日本のソフトバンクは、この頃にすでにYahoo!に出資をして、1996年4月にYahoo! JAPANを立ち上げている。

その後アメリカでは、業績の低迷によりいくつかの変遷を経た後、Yahoo!は、通信会社のベライゾン・コミュニケーションズ(Verizon Communications Inc)の子会社となって、やはりベライゾンが買収したAOLと合わせてVerizon Mediaに組み込まれている。ここからが、またYahoo!の状況を伺わせるが、さらに投資会社のApollo Global Management, Inc.への売却が決まって、現在、その手続き中だ。Apolloは買収の完了後、Yahoo!やAOLを傘下に持つVerizon Mediaを新しくYahoo!と言う社名に変更して、再出発するという。

この、通信会社によるコンテンツ部門の切り離しは、AT&TがワーナーメディアをDiscoveryに売却したのと同じ流れである。通信とメディア・コンテンツの統合で一時は夢を見たが、今や目が覚めたということか。今回の、Yahoo! JAPANによる商標権等の取得もApolloへの売却完了が前提となっている。

1996年にYahoo! JAPANがサービスを開始する時点では、アメリカYahoo!による技術供与が重要であっただろうが、Yahoo!の持っていた人力によるディレクトリの機能が既に失われ、Googleのロボット検索に変わっている今となってはアメリカYahoo!から得るものは何もないだろう。

過去25年間、アメリカYahoo!の低迷を尻目に、Yahoo! JAPANは、様々なサービスを付け加え、検索だけではなくYahoo!ニュース、ヤフオク、Yahoo!ショッピング、Yahoo!トラベルなど次々と新しいサービスを加え、日本最大のインターネットサービス会社となっている。ソフトバンクが様々な投資や買収を行ってきたのはこのYahoo! JAPANが生み出すキャッシュフローがあったからといってよい。すでにYahoo! JAPANは、日本においては圧倒的な存在感を持っている。そして最近ではLINEと経営統合して、さらに発展を目指している。

このような状況で、本家のアメリカの協力はもはや必要がない。一方ベライゾンのほうも、Apolloへの売却の前に少しでも売却益をようと今回の契約に至ったと思われる。KANTARが発表している日本企業のブランド価値で1位のトヨタは約3兆円のブランド価値を持つとされている。Yahoo! JAPANの親会社のソフトバンクの資産価値は、同じKANTARの試算によると1200億円程度で、同じくソニーのブランド価値は1300億円を少し超えている。

全く違う物差しを比べても仕方がないが、Yahoo! JAPANが未来永劫にブランド使用権を買う金額として、1785億円が高いのか安いのかわからない。いっそ、Yahoo!を捨てて改名という方法もあるだろうが、Apolloの新生Yahoo!の侵攻や国内ユーザーの混乱ということを考えると、Yahoo! JAPANにとって1785億円というのは安いということなのだろう。