新聞の世界一は、

ニューヨークタイムスが第一四半期の結果を発表した。第一四半期で30万件のオンライン購読者を増やした。パンデミックでオンライン購読者を増やしてきたニューヨークタイムズだが、この1年で最も低い成長となった。

これで、購読者数は、紙の新聞とオンラインを合わせて780万件となった。このうち690万件はオンラインである。2025年に1,000万件の購読者を目指しているという。

今回、初めて発表されたのは、無料登録会員数だ。その会員数は1億件だ。無料登録会員は限られた数だけの記事が読める。無料会員なので購読料を得ることができないが、この1億人に対して広告を販売して利益を上げられる。

特に、今後クッキーの制限のために広告が変わろうとしている今、ニューヨークタイムズが持つ、この高所得・高学歴の登録者1億人の第1者データは宝の山である。この1億人に対して広告を出したい広告主は山のようにいるだろう。

また、この1億人が、有料購読者になる最も近い見込み顧客だ。この数を考えても1,000万の有料購読と言う目標は不可能な夢でもなさそうだ。

また毎週ニューズレターを発行しており、その登録者も有料購読者の候補となる。全体では1,500万件の登録がある。メインの毎朝送られるニューズレターには50万件が登録されている。これを、どうやって、有料会員に変えていくかだが、何も無いところから集めるよりはずっと楽な仕事だ。

一方、日本では、新聞は発行部数を毎年減らしており、2021年1月現在で、読売新聞は731万部、朝日新聞は481万部、日経は194万部とABCは報告している。

読売新聞は、10年前の2010年までは1000万部を超える部数を誇り、世界一の新聞であった。その後、徐々に部数を下げ、ついには731万部になったことで、世界一の新聞の座を780万のニューヨークタイムスに明け渡した。読売新聞だけではなく、各社とも部数を落としており、10年前には800万部を超えていた朝日新聞も500万部を割り込んでいる。日経も部数を落としているが、電子版の契約者数も増加しており2021年1月時点の電子版との合計で275万部と発表している。このうち76万件は電子版の会員数と言うことだ。

新聞の未来は、ニューヨークタイムズのようにオンライン有料会員登録で収益を上げ、無料の会員に対する広告を広告主に販売することで稼ぐと言うビジネスモデルが見えている。しかし、日本の新聞にはそのような積極的な動きは無いように思える。日経のように76万件のオンライン購読を集めているのが唯一の成功例と言って良い。

この状況が続くと、日本の全国紙の中で、紙の新聞の発行を止める新聞社が出てくるのは、遠い未来でもなさそうだ。