アメリカでのオリンピック視聴率

東京オリンピックもあと2日残すのみになった。日本では金メダルラッシュで視聴率もかなり高い。開会式をはじめとして、サッカー、卓球など高い視聴率になっている。無観客であるが、メディアのイベントとしては盛り上がってると言って良いのだろう。

昨日、サッカー日本代表は三位決定戦で破れて4位になったが、バスケットボール女子代表は歴史的な勝利をあげて、決勝に進み、最低でも銀メダルを獲得する。だから、連日、オリンピックの話題で大盛り上がりだ。

しかし、アメリカでは低視聴率でNBCユニバーサルが苦しんでいる。ある意味で、アメリカのNBCユニバーサルがお金を払うからオリンピックが成り立っていると言える。NBCユニバーサルが2014年から2032年までの夏季・冬季オリンピックに対して、IOCに支払う放送権料は、120億ドルだ。つまり1兆円をはるかに超える。だからアメリカで人気のある陸上や水泳の決勝は、北京でもそうだったが、オリンピックがどこであっても、アメリカのプライムタイムに合わせて行われる。

NBCユニバーサルは東京オリンピックだけのために10億ドル以上の金を払ったと想像できる。そして、NBCリバーサルの持つすべてのプラットフォームを利用して7000時間の放送を行っている。地上波のNBC以外に、NBC Sports Network、CNBC、USA Network、the Olympic Channel、the Golf Channel、スペイン語放送のUniverso とTelemundoで放送されている。それ以外にネットでは NBCOlympics.comやNBC Sports アプリと定額映像配信サービス Peacockも使われている。

しかし視聴者は、平均で1,680万人に留まり、リオデジャネイロの2,900万人から大きく落ち込んでいる。このために契約によりNBCユニバーサルは広告主に補償しなければいけない。しかし考えてみればほぼ同じ時間帯にあるリオデジャネイロと、全く地球の裏側の東京と比べると落ち込みは仕方がないことだ。。その落ち込みが、半分近くにもなっているから問題なのだろうが。

落ち込みの理由が時差以外に、あまりにも多くのチャネルで放送しているために、どこで何が放送されているかわからないという問題はないだろうか。今回のオリンピックでは、日本の民放はメインとサブの放送局が決まっていて、同じ日であれば、その局を追いかければよかったので、番組を探すことは容易だった。これが、NBCユニバーサルのようにあまりにも多いと見たい種目を探すのが大変だ。

さらに、もう一つは、Netflixなどの定額映像配信サービスが視聴者を集めて、通常の放送から目を逸していることだ。この傾向は今後も続き、オリンピックといえどもこの流れに逆らえないことがわかった。

NBCユニバーサルにとっても、不運だったのはアメリカで人気のある体操選手のシモーネ・バイルズが団体を棄権したことや、陸上のシャカリ・リチャードソンがマリファナで失格したことも影響している。バスケットボールのスター、レブロン・ジェームズが不在だったことや大阪なおみが早々に敗退したことなど、視聴率に影響を与えたと言われている。

しかし、NBCユニバーサルにとって東京オリンピックの放送は十分に利益が出るもののようだ。東京オリンピックの放送の広告のセールスはリオデジャネイロオリンピックよりも高く、仮に低視聴率の補償があったとしても問題ないと言うことだ。

アメリカではまだ1日10万人と言う新規感染者が発生している状況で、通常の状態ではない。時差の問題も含めて、今回のオリンピックは、NBCユニバーサルにとって特別だろう。次の2024年のパリオリンピックがどのようになるか、NBCにとってもIOCにとっても今後占う上で重要なイベントになる。