エミレーツの広告のバイラル化

エミレーツの広告が話題になっている。ドバイの世界一の高層ビルの先端にキャビンアテンダントが立ってボードに書かれたメッセージを見せる広告だ。このビルは、ドバイのブルジュ・ハリファで1番高い尖塔の先端までの高さは828メートルある。

映画の「ミッション・インポッシブル ゴースト・プロトコル」でトム・クルーズが外壁をよじ登っていたビルだ。映画の中では、ビルの中層の外壁をトム・クルーズがよじ登るシーンがあった。もちろんこれは宙づりにされてこのシーンを撮影したのだろうが、高所恐怖症には無理だ仕事だ。実際にこのビルに登ったのはフリークライマーで、2011年に尖塔まで6時間かけて登っている。

実際にCMを見ると、CGか合成かと思われるが思うが、ドローンによる実写だそうだ。最近のCGや実際の技術が進んでいるので自然に見えることも多い。だから、疑いも残るが、何度か見返すと、光の感じや全体の印象からCGか合成でないことがわかってくる。

最初はキャビンアテンダントがメッセージボードを見せるシーンから始まる。これは2003年の映画「ラブ・アクチュアリー」のオマージュだと言う。最初はメッセージボードとキャビンアテンダントの上半身のアップから始まる。どこにいるかはこの時点ではわからない。だんだん、カメラが引いていくと、ビルの尖塔の先端に立っている姿が見える。この尖端は立つのがやっとのスペースしかない。見ているだけでも身のすくむ思いがする。

エミレーツは最初は、実際のキャビンアテンダントからがモデルを選ぼうとしたそうだ。しかし、普通の人にこんなことができない。それで、プロのスカイダイビング・インストラクターの女性を配役したと言うことだ。

このインストラクターがビルの尖塔まで登れるようにはしごなど内部にかけたという。160メートルのところから登り始め1時間15分かけて尖塔の先に立った。だから、2011年のフリークライマーとは違う。当然のことながら、彼女はスカイダイビングのインストラクターでフリークライマーではない。

しかし828メートルの塔の先端に立って笑っていられるのはスカイダイビングのインストラクターの強みだろう。撮影の際には制服の下にハーネスを付けて、命綱が結び付けられているのだと言う。

出来上がったCM作品を見ると、やはり映像によるインパクトは大きい。このような作品を見ると広告の力はやり方次第だとよく分かる。しかも、CMはバイラル映像になって世界中で話題だ。今はバイラル化して、多くの人に見られるかどうかも、CMの企画の際に考慮すべき点になっている。

レストラン

朝日新聞ポッドキャスト

朝日新聞社は、「朝日新聞ポッドキャスト」を立ち上げ、Spotify、Apple Podcast、Google Podcasts、朝日新聞アルキキでポッドキャスティングを開始した。チャネルは2つあり、「ニュースの現場から」と「ニュース深堀り」と2つある。Spotifyでは甲子園のコンテンツもあるがこれはおまけ的。普段使っていないGoogle Podcasts、朝日新聞アルキキはチェックしていない。

朝日にたくさんいる記者がニュースを語るということで面白いコンテンツだ。この数日、散歩のお供に聞いているが結構面白い。新聞記事というのはコンパクトにまとまって簡潔だが、いかにも無味乾燥だ。これが、取材している記者の生の声で聞くとディテールとか臨場感がある。残念なのは、1日に1コンテンツしか出ていないことだ。今の段階では、無料で広告もないから全て持ち出しで行っているのだろうから予算がないということか。しかし、事業を立ち上げるためには戦略的に予算を運用するというようなことが必要なのではないか。優秀な記者の作り出すコンテンツを最大限に活かすためには紙の「新聞」を中心いできないことは明白だ。今の新聞事業という将来の見通せないビジネスを考えると本気で取り組まないと手遅れになりかねない。

朝日に限らず新聞の販売部数は厳しい。2020年5月度のABC部数は以下の通り。朝日新聞の落ち込みは大きい。

朝日:5,083,583 (-432,063)

毎日:2,198,324(-193,376)

読売:7,623,780(-404,181)

日経:2,069,880(-228,424)

産経:1,315,039(-61,325)

朝日は、10年前には800万部を超えていた。このままでは近いうちに10年前の半分の部数になるのだろう。当然、販売収入も広告収入も落ち込んでゆく。広告費は近年ではインターネットにシフトしているので、年齢の高い新聞読者への広告費は部数の落ち込み以上に影響してくるだろう。

ちなみに朝日新聞の最新の決算は以下の通りで、営業利益は前年比73.1%マイナスだ。利益を支えているのは不動産の賃貸事業で、経常利益の4割を超えている。

売上高3,536億円(前年同期比▲5.7%)

営業利益 24億円(同▲73.1%)

経常利益131億円(同▲18.4%)

当期利益 107億円(同▲2.6%)

この状況を変えてゆくためには、朝日新聞にとって最大のコアコンピタンスであるコンテンツを作る能力を最大限生かして、今回のポッドキャストにとどまらず、様々なサービス、パッケージを作ってゆくべきだろう。

「朝日新聞ポッドキャスト」

https://www.asahi.com/special/podcasts/
花屋のWindows

オラクル

台風10号が沖縄、九州を通過して強風が吹き停電も起こっているようだ。被害があまりないことを祈るのみだ。

今年の夏のテック業界最大の話題のTikTokの売却問題だが、こちらも強風が吹いている。

中国政府が輸出規制法を変更してTikTokのアメリカ企業への売却について待ったをかける可能性が出ている。まだ中国政府が、この法律を使いどのような命令を出すかわからない。

中国政府が何らかの動きに出た場合、売却は遅れるかあるいは売却が禁止される可能性もある。最近の米中の激しい争いや攻撃振りを見ていると何もないということはまずない。9月15日の期限が近づいているが状況は不透明だ。

関連してNYTにオラクルの記事が出てトランプ大統領との密接な関係が指摘されている。カリフォルニアのテック企業と言うと一般的に民主党支持でリベラルと言う雰囲気があるがオラクルはどうも違うらしい。オラクルのラリー・エリソン氏はトランプ大統領とも個人的にも近く、政権とも密接な関係があるようだ。トランプ大統領就任時の政権移行チームのメンバーになったり再選のための協力をしているようだ。今年も、新型コロナウイルス感染症の治療薬として抗マラリア剤ヒドロキシクロロキンの効能の情報収集や分析に関して、他のテック企業がリスクを考慮して政権に協力しなかったが、オラクルだけだ積極的だったということだ。

もちろんこれは他のテック企業と違いオラクルは大企業や政府に対するサービスや製品の販売を行っているので、一般の消費者を相手にしているような企業とは違う。仮にオラクルがトランプ大統領支持で、反トランプの一般から悪いイメージを持たれたとしても、ビジネスには何の関係もない。むしろ政府との関係を強化して新しいビジネスにつなげる可能性もある。

昨年アメリカ軍のJEDIと言うクラウドコンピューティングサービスをめぐってオラクル、アマゾン、Microsoftが争ったが、オラクルは早々に敗退して最終的にはMicrosoftに決まった。このサービスの契約金は1兆円を超えると言われ、巨大なビジネスだ。オラクルではこのような政府や大企業とのビジネスが中心になっている。

オラクルは、Facebook, Twiiter, Appleなどの一般向けのビジネスとは違う。だからこそTikTokの買収では消費者向けのサービスを行っているウォルマートのような企業との連携が必要だったのかもしれない.いずれにせよTikTokの9月15日までの売却と言うのは難しそうだ。

今朝は雨のために散歩せずに家で新聞を読んでいる。写真は昨夜の散歩。花屋は閉まっていた。