Googleの記事使用料支払い

報道機関としての新聞社は苦境にある。購読者は減少、高齢化して来た。 多くの人は、特に若い人はYahoo!ジャパンのトップページのYahoo!ニュースで充分と言う人が増えて、紙の新聞の購入はもちろんネットの電子新聞の有料購読を行わない。インターネットが始まった頃からのネットでは情報はタダだと言うイメージが固まってしまった。

新聞社の発行部数の大幅減少

朝日新聞も読売新聞も、かつての販売部数からすると大幅に部数を落としている。朝日新聞は、800万部を超えていた部数が500万部を切るところまで減少。読売新聞も1,000万部を超えていたものが、今では700万部近くまで落としている。しかも、この減少は今後も続くことが予想されている。新聞社にとっても、もう一つの収益源である広告費も、毎年のように減少を続けている。

新聞社のビジネスモデルは?

この状況を受けて、新聞社もネット事業に積極的だが、ビジネスモデルは、まだ成功パターンが見えない。と言うか、どのモデルも成功しない。ユーザに対しては無料で記事を提供して、広告収益をあげる広告モデルが一方のビジネスモデルで、その対極には、ユーザーから月極などの購読料を徴収する有料モデルがある。この中間のパターンとして、月にいくつかの記事は無料で、それを越えると有料契約をしないと読めないフリーミアムの考え方がある。

有料モデルは、現在のところ成功した報道機関はない。例外として日経新聞等はある程度成功してきている。日経新聞の場合には、月に10記事までが無料で、それを超えると有料契約をしなければいけない。電子版単体の契約者数は2019年の数字で約50万人ということだ。そニューヨークタイムズなどに比べるとまだまだ、小さな数字だし、電子版単体で経営を支えるまでには遠い道だ。

他のサイトへの記事の提供のジレンマ

新聞社などの報道機関が、無料の広告モデルを採用している場合に、ポータルなどに記事を提供する事は、自らの広告収益のためのページビューを減少させてしまう。このために、記事を提供することは、得策とは言えないがポータルからの流入がないと、自らのサイトのページビューが増加しない。ページビューがないと当然、広告は減少してしまう。

報道機関としても、膨大なユーザーを抱えるポータルは利用したいのだ。だから、苦しい選択を迫られることになる。一方、ポータルの側からすれば、自ら記事を制作することもなく、その記事を利用してページビューを上げ、広告収入を稼げるので非常に有利な取引と言える。実際Yahoo! JAPANの集客の中心には、Yahoo!ニュースがあるのは間違い。記事を提供する新聞社などの報道機関にとっては苦々しい状況だと想像できる。

Googleが使用料を支払う

Googleもニュースの提供をYahoo! JAPANに遅れて開始している。Googleにニュースを提供するかどうかは新聞社等の報道機関によって対応が違っているが、提供しないと流入量が減ると言う恐怖は同様だ。

この報道機関の記事を利用して自ら収益を上げるモデルに対して批判的な声があるのを考慮したためか、今年の10月より、Googleは海外6カ国でGoogleニュースショーケースと言う新しいページを立ち上げている。ここでユーザーは、報道機関の有料記事を無料で読めるサービスだ。記事を提供する報道機関に対しては、Googleが使用料を支払うことでビジネスが成立している。

日経新聞によれば、この取り組みを日本でも開始することをGoogleは検討していると言う。Googleが記事の使用料として3年間で1000億円以上の金額を支払う方針だと言うが、これをこれはGoogleの収益から見れば微々たるものだ。それでも苦境にある新聞社にとっては、新しい収益源となる。問題は、その金額が適正かどうかということと、自らのサイトのユーザーの流入を減少させてしまうリスクだ。

このGoogleの対応に対してYahoo! JAPANがどのように行動するかが注目される。