YouTubeの売上と影響力

もう何年も前から、テレビのリモコンにYouTubeのチャンネルボタンが付いているのが珍しくない。YouTubeは、パソコンやタブレットスマホだけではなく家庭のテレビでも、重要な選択しとって家族全員で楽しむとことも増えている。YouTubeは、PCではなく、家庭のテレビのチャネルのひとつになったのだ。

まだ、インターネットで動画を見ると言うようなことが始まったばかりの2006年にGoogleは、2005年に創業したばかりのYouTubeを買収した。当時は、YouTubeどのようにビジネスとして成立するか分からない状況だったが。しかし、Googleは2000億円払ってYouTubeを買収したのだった。その当時のYouTubeは、人気になっていて、1日の動画閲覧回数は1億回を超えていた。しかし人気が出ていたものの、その投稿された動画は著作権違反のものも多く、ビジネスとして成立するのか分からない状況だった。

Google傘下に入ってから、著作権違反の投稿は排除するなど努力を続け、YouTubeは、今では月間のアクティブユーザは20億人を超え、1日の動画視聴回数は10億回になっている。

広告売上は、2020年で1兆2000億にも達する。YouTubeはこの広告売上の55%を動画の投稿者に分配している。一部の有料課金も含めて、YouTubeの会社としての売り上げは、6000億円少し。これはNetflixの7000億強よりはるかに少ない。YouTubeの影響力を考えると、Netflixより売り上げ規模が大きくても良いと思うのは私だけだろうか。

多くのユーチューバーが人気を集め、そこから有名人もたくさん誕生した。影響力だけで言えばはるかにNetflixより上だと思うが、しかし会社としての売り上げはNetflixのよりもはるかに少ないのだ。この原因が何なのかよくわからない。ヒントがありそうなのは、Twitterだ。Twitterのアクティブユーザーの一人あたりに比べると、YouTubeの一人当たりの広告売り上げは半分程度になる。もしYouTubeが動画投稿者に広告収入を分配しないとすればTwitterと同じ程度になる。InstagramやTwitterにいくら投稿しても、広告収入のシェアを受け取れるわけではないので、YouTubeだけが特殊だ。

そういうビジネスモデルだと言ってしまえばそれまでだが、広告収入がなければユーチューバーというビジネスは成り立たない。動画投稿を増やす仕組みとして考案されたビジネスモデルだが、それが原因だろうか。

もう一つは、YouTubeはテレビ的の使い方をされており、実際にYouTubeの動画からのリンクから商品購入までの可能性が低いと広告主が考えているからだろうか。視聴者もテレビと同じような使い方をしており、そこから商品購入まで移っていかないとも考えられる。だから広告の投資が少ないのかもしれない。

しかし、インターネットを利用して個人が金儲けをしようと思えばYouTubeは最初に出てくるサービスだ。InstagramやTwitterから直接に収入をあげることはできない。YouTubeは、広告費の分配を受けられるから、人気があるコンテンツが沢山投稿され、影響力が強いと考えられる。ユーザー一人あたりの収入が少ないのは、そのビジネスモデルに内包された課題のようだ。

樹木と朝陽

新聞の電子化

ニューヨークタイムスは、2020年の第2四半期(4月〜6月)の収入が、デジタル部門が紙部門を上回ったと発表した。見出しだけ見たときは、広告収入の売り上げと誤解したが、記事を読むと販売収入(購読契約)も含むということが分かった。

デジタル部門の売上が1億8550万ドルで、紙部門が1億7540万ドルということだ。これは、コロナ禍の影響で広告も減っていることが影響しているし、また同様の理由と思われるが、デジタル版の契約が同期間に66万9千件増えたことも影響している。

ニューヨクタイムスの購読契約数は、650万件だが、このうちデジタル版の契約は570万件を占める。実に87%だ。デジタル版の普及がすごいし、またこの期間に67万件近くも増えたこともすごい。前者は、ニューヨークタイムスという新聞の持つステイタスが、ニューヨーク市だけではなく、全米、全世界に影響力を持つからだし、短期でデジタル版が急増した理由はコロナの影響とも言えるだろう。問題は、デジタル版がどこで増えたかだが、それは発表されていない。現実的に考えればニューヨーク市あるいは周辺の地域と考えられるがか確証はない。あくまでも個人的な感覚だ。家にいなければいけないが新聞を契約しようと考えたら普通は地元の新聞だし、駅やスーパーで買っていた新聞で他紙を買っていたが契約するならニューヨークタイムスにしたというようなことかもしれない。証明するためにはニューヨークの他紙の販売数が必要だが、そのデータはない。デイリーニューズや

ニューヨーク・ポストもあるが、タブロイドで内容が違っているし、全国紙のUSA TODAYやウォールストリートニュースもあるが、一般の人の選択肢にはなり難い。

コロナ禍による経済原則はあらゆる産業に影響を与えているが、ニューヨークタイムスの広告収入にも大きな影響を与えたようだ。紙部門の広告は55%減、デジタル部門で32%減ということで購読者が増えた分、デジタル部門は影響が少ない。合計の広告売上が、6780万ドルで前年同期比44%減ということなので、推定すると紙とデジタルの広告売上は、ほぼ拮抗しているようだ。日本の現状を見てみると数字は少し古いが、デジタルの割合は 一般紙で平均1.4%。

一般紙の18年度売上高に占めるデジタル関連事業収入の割合は、61社の平均で1.439%だった。前年度比(以下同)0.243ポイント増で、調査を始めた16年度以降伸び続けている。スポーツ4紙の平均は8.809%(1.977ポイント増)だった。分布を見ると「0.1%以上0.5%未満」が21社、「1%以上5%未満」が18社。「0.5%以上1%未満」11社、「0.1%未満」9社、「10%以上」2社だった。スポーツ紙の内訳は「5%以上10%未満」が2社、「10%以上」「1%以上5%未満」は各1社だった。

新聞協会ニュース

ニューヨクタイムスは、2011年に記事の有料化に踏み切っている。ウォ―ルストリートジャーナルは、それより早く1990年代の終わり頃には有料化しているとおもうが、どちらも有料モデルで成功している。インターネットではコンテンツはただという印象を打ち破るのは大変だが、それを可能にしているのは新聞のブランドイメージだ。日経の電子版のの契約数が70万件だから、日経も同じくらいの期間を電子版に使っているが、日本ではコンテンツの有料化はまだまだ難しそうだ。