TikTokのソーシャル・コマース

トランプ政権時代に、アメリカ政府はTiTokがセキュリティーリスクが大きいと判断した。これは、TiTokが中国資本の企業で、中国の法律上、中国政府に、アメリカの個人情報が流れることが、国家安全に関わると判断したからだ。

トランプ大統領は、このために、事業停止か、アメリカ資本による買収を要求した。しかし、大統領選挙が近づき、話はうやむやに消えていた。

バイデン政権に代わって、中国によるセキュリティーリスクを精査するとして対応は決まっていないようだ。

トランプ政権時代に、TikTokの米国法人を買収する候補者として登場していたのは、OracleとWalmartの連合軍だった。アメリカにTikTokの新法人を設立して.その20%の株式を取得、残りをIPOすると言う計画だった。新法人の株主として、Oracleは12.5%、Walmartは7.5%の株式を保有する計画だった。上位の株主が、米国企業であるために、アメリカの個人情報は中国政府には渡らないという建て付けだった。

しかし、この計画は、バイデン政権がTikTokによる、安全保障リスクを精査するとして、早急な対応を取らないことを決めたために、新会社設立やOracleとWalmartの資本参加は棚上げされている。

しかし、Walmart、もともとの計画であった、TikTokを使ったECの計画を実行し始めている。このTikTokを使ったEC、ソーシャル・コマースと呼ばれているが、買い物のできるTikTokである。このような形のソーシャル・コマースは日本ではあまり行われていないが、中国では盛んである。

Walmarは、TikTokで人気のある美容情報のクリエーターであるGabby Morrison(ガビー・モリソン)と契約して12月から実際に購入できるTikTokストリーミングを始めた。Gabby Morrisonは、美容関係の情報の発信を行っており人気が高く、すでに350万人のフォロワーがいるクリエーターだ。

12月のストリーミングイベントの成功を受けて、3月にも同様の計画をしている。Walmart TikTokチャンネルという名前で、TikTokのストリーミング・イベントで、彼女が商品を紹介し、消費者は気に入った商品をクリックすると買い物ができる。12月のイベントで、Walmart TikTokチャンネルのコミュニティーを立ち上げ、すでに60万人の登録者がいる。

12月のイベントは、Walmartのプライベートブランドのみの紹介だったが、3月のイベントには有力ブランドが参加する。それは、Mark Jacobs 、L’Oreal’s NYX 、Maybelline, Kim Kimbleなどのアフリカ系アメリカ人の所有するいくつかのブランド、ヴィーガンのためのブランド、The Lip Barだ。これらのブランドの商品が、WalmartTikTokチャンネルで買える。

12月のイベントが、プライベートブランドだけだったのに対して、有名ブランドが参加すると言う事は、Walmartの力もあるが、このソーシャル・コマースと言う新しい販売方法に多くのメーカーが可能性を感じていると言うことだ。

当然、Walmartも含めて、TikTokと言う成長しているソーシャルメディアをプラットフォームとして使うことも大きな魅力であろう。

TikTokのファンは、1ヵ月に21.5時間もTikTokを見ていると言う統計もあり、短い時間でユーザを伸ばしているプラットフォームだ。動画共有は、伸びているセグメントだから、まだまだ成長するだろう。

中国で非常に人気があり、アメリカでもこのように立ち上がってきたソーシャル・コマースが日本でも誰が始めるか、しばらく興味を持って待っていよう。