有料課金モデルとTwitter

インターネットでは、コンテンツは、もともとタダだった。だから、基本的には広告モデルでユーザからに課金すると言うビジネスモデルはあまりなかった。FacebookやTwitterも広告モデルでユーザに課金はしていない。

しかし、インターネットのサービスが多様化して、ユーザも成熟してくると、課金モデルが成功してきた。代表的なのは、音楽や映像の定額配信サービスだし、新聞のオンライン購読契約などだ。徐々に時間をかけてだが、インターネットで、コンテンツにお金を払うと言うような習慣が定着した。

Twitterは、広告モデルで誕生した。しかし、他のソーシャルメディアとの差別化や多角化という狙いを考えていたようだ。課金モデルのビジネスへの動きを強めている。

今年の1月に、有料のニュースレターを発行するサービスのRevueを買収し、ニューズレターの発行者がTwitterを通じてコンテンツを販売することができるようになった。これは、有料であっても良質のコンテンツを提供し、差別化する目的がある。また同時に、コンテンツ制作者をTwitterの経済圏に引き入れる目的がある。

Revueは2015年にオランダで創業された会社だ。有料のコンテンツと無料のコンテンツがあり、ビジネスモデルとしては有料コンテンツのサブスクに対して6%の課金をする。既に多くの有料ニュースレターの発行者が参加しており、この仕組み全てがTwitterの中に組み込まれる。Twitterによれば現在の6%の手数料を5%に下げると言うことだ。

そして今回、Twitterは、ニュースサイトを広告なしで見せるサービスを行っているScrollを買収する計画だ。Scrollは、ニュースサイトと契約をして、サブスク契約者に対して、広告なしで、そのコンテンツを見せるサービスを行っている。Scrollは、サブスクの契約者から受ける収入を、ニュースサイトと分け合う。

Scrollによれば、ニュースサイトは、通常の広告を販売するよりも50%も高い収入を得ることができるとしている。現在参加しているニュースサイトはUSA Today、Vox、The Atlanticがある。このサービスを、Twitterに組み込むことにより、Scrollは、さらに契約者を増やすことができるかもしれない。また、このビジネスモデルに参加するニュースサイトを増やすことができるかもしれない。三方両得のような良い組み合わせだ。

それは、Twitterが今やニュースを伝えるためには最も早いサービスだからだ。ニュースを早く知りたい人は、Twitterを通じてニュースメディアをフォローしている。この人の中には有料であっても、広告なしに優良なコンテンツを見たいと言うユーザが多くいる可能性がある。

また、同じような課金モデルについてもTwitterの動きとしては、Clubhaouseに対抗してTwitterが始めた音声チャットサービスのSpacesの中で、参加者が有料のチケットを販売して、儲ける仕組みを導入するようだ。これにより、音声チャットを主催する人がTwitterを通じて儲けることができるようになる。流行の兆しを見せている音声チャットの有料課金モデルが誕生する可能性が出てきた。そして、それを実現するプラットフォームは、Twitterということになる。

Twitterは全世界で3億5000万人の契約者がいる。日本国内だけでも4,500万人だ。特に若い10代から30代の男女が多く、アクティブな層である。さらに年上の世代と違ってインターネットは無料と言う固定観念が染み付いていない。人気のあるコンテンツを作れる人が参加して、良質のコンテンツをTwitterを通じて販売すれば、売れる可能性の高いプラットフォームになっていくと思われる。

ソーシャルメディアにも始まった有料コンテンツの流れが、今後どのように展開するか。他のソーシャルメディアがどのようなビジネスで対抗するか注目される。