血液中のタンパク質分子と運動

ずっと座っているより運動したほうが、健康になって長生きするということが経験的に分かっている。しかし、人によって運動の効果が違うと言うことがわかっていなかった。

ハーバード大学やボストンのベス・イスラエル・ディーコネス・メディカルセンターの研究者がNature Metabolism誌で公表した研究結果によると、体の中のタンパク質分子によって運動の効果が予測できることがわかった。

この調査は、654人の座り仕事をしている成人を対象にして20週間以上の持久力運動の前後に、血液を採取して5000種類以上のタンパク質を分析した。この結果147種類のタンパク質が、基本的な身体の健康度と強く関係していることがわかった。つまりこの147種類のタンパク質がその人の健康状態を示すのである。

また、102種類のタンパク質は、運動によって有酸素運動能力がどの程度向上するかを予測することができた。この102種類は、先の健康度を示す147種類と重なるものはほとんどないという点も興味深い。

また同時に、これらのタンパク質分子による健康度の増加が、短命や長寿を表すこともわかった。これらのタンパク質分子は、血液中に放出されると、他の場所の生物学的プロセスに流れ込み、体を活性化して、私たちの体の働きに影響を与えるそうだ。

この分析方法が実用化されれば、運動行った後に、血液中のタンパク質を分析して、その運動によって健康度や有酸素運動能力がどの程度高まったかを分析して、結果が良くなければ、別の運動を進めると言うことに使える。

また別の研究によれば、運動行ってきた人が、それをやめてしまうと48時間を過ぎると、運動によって得られた有酸素運動能力や筋力は、徐々に低下を始めるということがわかっている。さらに4週間をすぎると、その能力は10%も失われるということだ。

運動を続ければ良いことはわかっているが、行っている運動が最適なものかどうかは、現在はわからない。今回発表された調査によって、この分析手法が進化することにより、血液検査により運動の種類を変えるアドバイスを受けられれるようになれば、多くの人は健康でより長く生きることができる。1日も早くこのタンパク質の分析による健康と最適な運動の判断が一般的になればと考える