NFTという言葉

最近よくNFTと言う言葉を聞くようになった。きっかけは、アーティストBeepleのThe First 5000 Daysというデジタル作品が、クリスティーズで約75億円で落札されたことだ。NFTは、Non-Fungible Tokenの略で、非代替性トークンと訳される。

NFTとは、ものやデジタルデータなどをNFTの技術によって特定することで、価値を生み出すものだ。ブロックチェーンの技術で、所有権の証明や取引の履歴として使われる。

もちろん、ブロックチェーンは知っていたが、NFTと言う言葉は初めて聞いた。Fungibleと言う英語単語も初めて聞いた。ブロックチェーンの技術は、仮想通貨だけではなくて、今後は様々なものの取引に使われるとどこかで読んだ。例えば不動産取引などの登録や所有権の証明等では非常に有効な方法だそうだ。だから、その技術を使って美術品の取引や所有権の証明を行うのは理にかなっていると思った。

しかし、NBAプレイヤーのシュートシーンが何千万円で取引されると言うことになると意味が理解できなかった。所有しようともしなくても、そのシーンはインターネットで見ることができる。だが、アメリカで長い歴史があるトレーディングカードの1つだと考えれば腑に落ちる。

NBA Top Shot Marketplace

有名プレイヤーのカードが、10万ドルから20万ドルで取引されている。

今までも、各スポーツのトレーディングカードは、収集家によって、レアなカードは高値で取引されている。NBAのシュートシーンのデータも、数が限定されたカードのデータと考えれば良いわけだ。それを所有しコレクションする事で満足を得ることができる。と同時にこの市場が活性化していれば、投資としても有効かもしれない。

NBAは、カナダのブロックチェーン技術のスタートアップのDapper Labsと共同で、NBA Top Shot Marketplaceを開設した。昨年の10月にオープンしてからすでに5億8900万ドルの売り上げをあげている

Dapper Labsが開発したブロックチェーンのFlowを使って、シュートシーンなどをデジタルカード、Momentsとして取引しているのだ。Flowは、Ethereumの手数料高騰に対応して、Dapper Labsはブロックチェーンとして開発した技術だ。

NBAはコロナウィルスによる観客試合や、人権問題で中国からの放送権収入が止まったことで15億ドルもの収入が落ち込んでいる。そこにNBA Top Shot Marketplaceのビジネスが入ってきたわけだ。

今では、NBAプレイヤーの50人ほどがトップショットのアカウントを持っている。また、この市場の可能性が高くなることを想定して、何かのNBAプレイヤーはDapper Labsそのものにも投資をしている。

Top Shot Marketで取引されるデジタルカード、Momentsは、人気が上がると高値で再販売される。Momentsが、市場で再販売される時もNBAとDapper Labsは、その利益から5%ずつ受け取ることができるという仕組みだ。

人気が出ているので、試合会場でもMomentsについて盛り上がっている。試合後のユニホームの交換ではなくてモーメントを交換しようとする選手も現れた。

たくさんの選手自身が、Momentsのデジタルカードを集めている。それは、今後もこのマーケットが続くと考えているからだ。ある選手は、マイケルジョーダンの靴が今でも高い値段で取引されているようにTop Shot Momentsのデジタルデータも価値を失う事は無いと言っている。

アメリカでは、トレーディングカードの歴史が長いが、数ドルを払ってトレーディングカードを集めるのと、数千万円を払ってTop Shot Momentsを集めるのでは少々レベルが違う。この人気が続けば良い投資とも言えるが、人気がなくなれば危険な投機だ。今はNFTが注目を集めているが、これが今後も続くとも限らない。実際少し売り上げ下がってきているようだ。2月に2億2,400万ドルだった売り上げが、3月には2億800万ドル,、4月には8,200万ドルに落ち込んでいる。

美術におけるNFTと同様に、これがバブルなのか定着するのか今わからないが、ブロックチェーンを使って様々なモノやデジタル作品やデータを管理し売買する事は、始まったばかりだ。しかし、それがなくなるということは無いのだろう。