ユカタン半島のチクシュルーブ・クレーター

地球の誕生から46億年。様々な出来事が起こってきたのだろう。今回の新型コロナウィルスによるパンデミックもその中の小さな1つ。

数多くある他の出来事の1つは、恐竜の絶滅だ。これは6,600万年前とされている。人類の誕生が20万年前とされているから、それよりも、はるか昔のことだ。

恐竜の絶滅の理由として、隕石が落下して地球の環境が激変したと昔学んだ。その時は、その隕石がどこに落下したのか説明がなかったと記憶している。

しかし、1978年にメキシコのユカタン半島で発見されたクレーターが、恐竜を絶滅に追い込んだ小惑星の衝突の後ではないかと推定されていることを知った。

1978年以前から、地層の研究により、恐竜の化石が発見されなくなる地層が特定され、そこにイリジウムが多く含まれるということは分かっていた。

カリブ海周辺では、イリジウムを含む岩石の地層が発見され、惑星衝突のときの痕跡ではないかとされてきた。しかし肝心の衝突後は見つけられてはいなかった。それが、1978年になって、油田発見のために調査を行っていた際に、磁気データが弧を描いているのに気がついた調査技師がクレーターの跡ではと推測した。これが、その後の他の学者の研究も含めて、恐竜の絶滅の際の小惑星の衝突の跡として結論付けられた。6,600万年前の衝突の跡だから、クレーターと言っても目視では確認できないのだろう。

このクレーターは直径で160キロもある。チクシュルーブ・クレーターと呼ばれ、現地の言葉で「悪魔のしっぽ」と言う意味だそうだ。160キロメートルと言うと巨大なクレーターだが、それでも今までに発見されたクレーターとしては、3番目の大きさと言うことだ。地球の46億年の歴史の中では、何度も惑星の衝突が起こったということだ。

今回発表された研究では、落下してきたのが小惑星ではなく、太陽系外から来た彗星のが落下したのではと言う説が唱えられた。門外漢なので、この違いがよくわからないが、太陽系内の惑星の落下と、太陽系外から来た彗星の落下により、意味が違うのだろう。

6,600年前のある日、緑豊かな地球に、巨大な小惑星が落ちてくる。この時までには、巨大な恐竜を始めとして、様々な生物が地球を我が家として生活していた。衝突の衝撃は、TNT爆薬約100兆トン分の規模だったと言う。これについては広島に落とされた原子爆弾の10億倍と言う表現もされている。衝撃により、大量の岩が蒸発し、周辺に熱放射が起こった。ユカタン半島のチクシュルーブ・クレーターから1000キロ以内にいたものは即死するか数秒以内に熱によって死んだ。日本の真ん中に落ちたら、日本全体が一瞬で焼却されるということになる。

最初の衝撃の後、周辺を時速965キロの風が吹き抜け、爆発音が轟く。クレーターの中心からは、衝突のために巻き上げられた岩屑や煤が地球に降り注ぐ。

この灰と煤は空を覆い日光を遮った。数ヶ月から数年は日光が地上に届かず、ユカタン半島から離れていたために熱焼却を免れた植物も枯死するか、成長しなかったと考えられる。

惑星衝突の爆発により、煤や灰に混じって酸性の雨が地球全体に降り注ぎ、大量の毒素を撒き散らしと考えられる。これにより、恐竜を含む、多くの動植物は死滅した。

衝突から数ヶ月か数年は、太陽のない地球は急速に冷えていた。しかし衝突による大爆発のために大量の二酸化炭素がまき散らされ、上空の灰や煤が徐々に消えていくにつれて、激しい温暖化が起こったと考えられている。

この一連の環境変化により、恐竜だけではなく、多くの動植物が死滅した。この惑星の落下がなく、恐竜が絶滅せず、地球の主として君臨していたら、それからどのように恐竜は進化したのだろうか。地球は、私たち人類とは違う、巨大な生物が支配する星となっていたのかもしれない。惑星の落下はそのような地球の歴史をもたらさず、恐竜が死に絶えた後、小さな哺乳類が登場して、6400万年後に、はるかに小さな生物である人類が、地上に誕生する。

このように、昔習った事は、その後の発見により新しい事実がわかったということは多い。今の子供は新しい知識を学んでいるのだろうが、およそ勉強しないと言うこともあるので、それを殆ど知らない。

だから、恐竜が絶滅した惑星の落下が、どこで起こったのかと言うことを知ったのは、昨日の事だ。世の中には知らないことが多すぎる。