ワクチン接種に暗雲

アストラゼネカのワクチンで血栓が発生する問題のためにヨーロッパの各国が、アストラゼネカのワクチンの接種を中断している。

これは日本にとって大問題で、日本政府はアストラゼネカと6,000万人分の供給契約を結んでいる。他の契約は、ファイザーと7,200万人分、モデルナと2,500万人分。これ以外にも契約はあるようだが、すでに実用化されて輸入のスケジュールが決まっているのは、この三社のワクチンだけだ。

このうち6,000万人分がすぐには使えないと言うことになると、一般国民への接種のスケジュールが大幅に遅れる可能性がある。

最初にデンマークで、60歳の女性がアストラゼネカのワクチンの接種を受けた後で、血栓が発生して亡くなった。これを受けて、デンマーク、ノルウェーアイスランドがアストラゼネカのワクチンの接種を中断した。

その後、イタリア、ルーマニアも同様の処置をとっている。これにインドネシア、オランダ、ドイツとフランスが加わった。

これに対してWHOは、すでに数百万人もアストラゼネカのワクチンの接種を受け問題が発生していないので、ワクチンと血栓の発生には何の関係が関連が認められないとしている。

この問題が発生する以前から、アストラゼネカのワクチンについては、他のワクチンに比べて効果が低いと敬遠される傾向があり、今回の出来事によりさらにアストラゼネカのワクチンの評判が悪くなることが予想される。

アストラゼネカは、すでにヨーロッパにおいて、1,700万人がワクチンの接種を受けており、血栓の発生や問題は他のワクチンと比べても、確率は低いと反論している。

アストラゼネカのワクチンは、日本に輸入されることが、見えている1億5700万人分の中の38%に相当する6,000万人分であり、使用の中断が続くと、日本におけるワクチン接種は大幅に遅れることになる。つまり、9,700万人分しかないということだ。

数の多いファイザーのワクチンは、7,200万人分ではあるが、日本への供給は2021年末までのため、今年中に接種が完了する人数はかなり少ないのではないかと想像している。

全く新しいワクチンであるし、コロナウィルスに限らず、ワクチンによる問題は数多く発生してきた。だから、こういう事は予想されたことではある。生活の日常化のためには、ワクチンは必須であり、中断は大きな問題だ。

さらに問題なのは、アストラゼネカのワクチンの接種が再開されたときに、アストラゼネカのワクチンだからと言うことで接種を拒否する人が出てくると、プロセスに大きな混乱を起こすことになる。

人はイメージと恐怖心で動いており、中でも恐怖心は人の行動を決定的に変えてしまう。この問題に対応するためには、医学的なデータとともにアストラゼネカのワクチンに対するコミュニケーション活動が必要である。