村田諒太の試合はAmazon独占

日経によると、ボクシングのチャンピオンの村田諒太の2年ぶりの試合が決まったのは、Amazonのおかげだったと言うことだ。試合放送はAmazon Prime Videoだけで地上波の放送は無い。

村田の試合は、フジテレビがこれまで放送してきているが、今回は放送権が取れなかったようだ。

今回の試合は3年も前から交渉が始まっておりその際にはDAZNが主導していたと言うことだ。

しかしパンデミックが始まり、開催の目処が立たず時間がすぎた。一方で、コロナウィルス対策で興行のための経費は格段に上がっていると言う。今回の経費は、バブルのころのマイク・タイソンの試合の経費20億円を超えるという。

さらに会場も検討重ねたようだ。最初は神戸のノエビアスタジアムだったが、屋根の開閉や芝生の養生の問題で断念している。それで、さいたまスーパーアリーナに変更になっている。2万人のさいたまスーパーアリーナより、3万人に入るノエビアスタジアムを使いたかったんだろう。ただその時点では、コロナウィルスの収束が見えずスポーツイベントも最大5000人までと言う制限があった。

このために興業としても入場料収入をあてにできないので、放送権収入をメインに考えた。そうなると地上波テレビでは払えない額になると言う事は想像できる。そこでAmazonだ。

なぜこの時点でAmazonが登場するのか。日経の記事によれば、DAZNはサッカーワールドカップ予選の配信権を獲得して余裕がないと言うことで独占からおりたと言うことになっている。全世界向けはDAZNで、日本国内向けはAmazon Prime Videoが配信すると言う形で分けているようだ。そこで面白いのは、フジテレビは映像制作を委託されている。この辺がプロモーターが、フジテレビにこれまでの恩義を感じて制作を委託したのかもしれない。

Jリーグから始まった、映像配信サービスのDAZNによるスポーツの独占は、今年はDAZNがサッカー日本代表のW杯予選の放送権を独占することになった。ただし、この場合はDAZNが妥協したのか、金銭的な理由なのかホームの試合に関してはテレビ局にサブライセンス行っている。

そして、この村田の試合である。日本選手のボクシングの試合としては歴史的にも最大のイベントである。村田ももう35歳。今回の試合が最後かもしれない。これを見られるのがAmazon Prime Videoだけと言うのは、かなり大きなプロモーション材料になる。国内の有料へ映像配信サービスにおいて、Amazon Prime Videoはトップで1,460万人の加入者がいる。これは国内市場の4,400万人の33%にあたる。急速に伸びたとは言えNetflixは600万人で桁が違っている。圧倒的なトップだ。

もちろんAmazon Prime VideoはAmazon Prime会員についてくるので、純粋に映像配信サービスが目的で契約している人以外も含んでいる事は事実だ。しかし、その数は圧倒的だ。これが今回の、村田の試合の独占でさらに加入者を増やすのか。

パンデミックによるステイホームで映像配信サービスが契約を伸ばしている。その契約書数と資金力で今後もスポーツの放送権が映像配信サービスに移っていくと言う事は避けられない現実だろう。

テレビ局は、景気の低迷とインターネット広告費の挟み撃ちで、番組制作時も減額されているような状況だ。黙って放送権が映像配信サービスのほうに行ってしまうのを見ているだけなのだろうか。