ギャラリー・バウハウス

「ロバート・フランク大回顧展 Part 1 オン・ザ・ロード」Gallery Bauhaus

今年はコロナ禍の影響で写真展にもなかなか出かけなかったのだが、御茶ノ水のGallery Bauhausでやっているロバートフランクの大回顧展に行ってきた。

Gallery Bauhausは写真家の小高達郎さんがやっている。小高さんのご自身の写真展も含めて、展示が良いので好きな写真ギャラリーで定期的に出かける。建物もコンクリート打ちっぱなしで、入り口を少し登って、入って1階の展示室と、そこから狭い階段を通って地下に降りる二層になっている、コンパクトだが写真を見る雰囲気としては良いギャラリーだ。特に地下に降りる細い階段から天井の高い地下の展示室に降りると、写真にぐるりと囲まれた感じがして心地よい。階段を降りる瞬間が写真の世界に入っていく、そんな感じがする。

ロバートフランクの大回顧展はコロナの影響で開催が遅れて7月から始まり、Part 1は今週末で終了。

「Part 1 オン・ザ・ロード」と題され、「The Americans」の頃の旅先の写真が多い。写真集の「The Americans」に含まれている写真が多いのかと思って出かけたが、数としては少ない。「The Americans」の後ロバート・フランクが映画を撮り始めた頃の16ミリフィルムのネガをそのまま密着焼きしたプリントが何枚もあり、細かく見ていると面白いし、当然のことながら意図を持って集められているので全体としては面白いプリントになっている。

他の写真としてはネガをいじって、消したような写真も何枚もあり、今となってプリントとして見ると不思議な感じがする。

全体的にプリントとしてはラフな感じで焼き付けられていて、今まで自分が角の直角やハイライトの調子にこだわっていたのが瑣末なことだとよくわかる。

全体的な印象としては「The Americans」の写真が少ないのであの写真集の持っている何か不安な雰囲気が感じられない。むしろ若いロバート・フランクが旅に出てたくさんの写真を撮って歩いている雰囲気がよくわかる。

そのようにして撮りためた写真の中から、緻密な構成力と編集力であの「The Americans」が作られたのかと思うと彼の写真家としてのセレクトの力に驚かされる。しばらく「The Americans」は本棚に眠ったままなので久しぶりに取り出して眺めてみた。やはり1枚1枚の写真の力もそうだし写真の並びが緻密に考え抜かれていることが改めて知らされる。「The Americans」の魅力は全体的な緊迫感だと思う。

ロバート・フランクはロバート・フランクの後で、興味は映画へと移ってしまったが、やり遂げた感じがあったのだろうか。

昨年の9月に亡くなって、その後に清里の写真美術館で開かれた回顧展に行こうとしたが仕事で果たせなかった。気になっていたので、コロナウイルスに負けないで良かった。

「Part 2 記憶の彼方へ」は2020年9月24日(木)~11月21日(土)まで。楽しみだ。