GoogleとFacebookの裏取引

GoogleとFacebookは、2社で世界のデジタル広告費の50%以上を売り上げている。2019年の統計では、Googleは10兆円を、Facebookは6兆円を超える。2020年にはさらに、この数字は伸びているはずだ。

この世界の広告の二大巨人は、広告主の持つ予算をめぐって激しく争っている。はずだ?しかし今回Googleに対する訴訟で公開された文書によれば、GoogleとFacebookは裏では協力して、争わない協定をしていたと言うことだ。英語でよく言う“You sctach my back and I’ll sctach yours.“ 「持ちつ持たれつ」と言う関係のようだ。

何故かFacebookはGoogleに協力

2017年にFacebookは、新しいオンライン広告の販売について方法をテストしていると言っていた。これが実現すれば、Googleの広告市場コントロールを脅かすはずだった。しかし実際にはFacebookはこの新しい方法を実行せず、むしろGoogleが行う似た方法に協力する会社になった。

この裏では、GoogleはFacebookに対して金銭面も含めて、非常に有利な契約を行うことにより、Facebookに独自に行う方法をやめさせたと言うことのようだ。

Facebookを買収的手法で仲間に入れる

Googleの、この広告販売の方法について、他に20社以上の企業が参加しているが、そのような金銭的に有利な取引をした会社は無いと言うことだ。このことからも、Googleのビジネスを脅かす方法について、Facebookに断念させる代わりに結果的には金銭を提供したと言うことになる。司法省の観点から言えば、独占禁止法違反ということかもしれない。

運用型広告でのGoogleの地位を守るため

デジタル広告は、ad exchangeと呼ばれるアド・サーバーを使って、売り手と買い手が自動的に最も良い条件の広告を売り買いする。このad exchangeによる広告の販売は、運用型広告と言われ、全体の60%以上を占めている。

これをコントロールしているのが、Googleだ。ad exchangeに参加しないで、予約型と呼ばれる広告販売は、メディアが広告主から、予約をとり、広告を表示させる。この方式では、柔軟な運用ができない。また、適切なターゲットに広告が配信されないかもしれない。運用型広告では、適切なターゲットに、その時点の最低の価格で広告が購入でき、また短期間で広告計画を変更できる、デジタル広告の主流になっている。

Googleは、オープン・ビディングを開発

Googleのアド・サーバーを経由しないで、広告にヘッダーをつけて購入するという新しい方式が2017年から実用化された。このヘッダー・ビディングと言う新しい広告販売の方式は、Googleのアド・サーバーを全く経由しない。このために、Googleに入る手数料はゼロとなる。これに危機感を感じたGoogleは、オープン・ビディングと言う自社独自のシステムを開発して対抗した。

Facebookは当初、ヘッダー・ビディングを使ってGoogleのサーバーを経由しないで、取引する方法をとっていた。しかし、2018年になってFacebookは、Googleのオープン・ビディングに参加した。

Facebookだけの好条件

この裏では、今回の訴訟で開示された文書によれば、GoogleはFacebookに対して、より良い条件で広告が販売されることを保証したと言うことだ。それは他者よりも早く広告が販売されかつ、サーバー上で広告が販売される可能性を一定の割合で保証するように設定することだったようだ。

また同時に、広告が到達した人のデータを、GoogleはFacebookだけには開示する条件になっていた。つまり、この広告市場では、Facebookは良い条件での取引を保証され、デジタル広告ではもっとも重要な、ターゲットのデータも受け取れたということになる。これらのことは、独禁法裁判においては証拠として提示されると言うことだ。

実は仲良しのGAFA

このGoogleとFacebookでの裏での取引が、両者に利益をもたらしている。同様に、Appleの検索機能の固定に対して、Googleが巨額の資金で契約していたことも同様だが、GAFAによる市場の支配の裏側では、競争関係にあるはずの巨大IT企業は、お互いの市場支配力を維持するために協力し合っているということだ。