空に夕焼けの雲

Copernican turn コペルニクス的転回

学生と話していて将来の話になると、「XXX」に就職したいということをよく聞く。「XXX」は、固有名詞であったり一般名詞だったりする。例えば、三菱商事であったり単に商社であったりするということだ。

それで「そこで何をするの?」と聞くと何も出てこない。学生に卒業後に何をするか聞くのが難しいのかもしれない。仕事のイメージがまだないのだ。やりたいことは「動詞」だよと聞いても曖昧な返事しかない。これでは、小学生がユーチューバーになりたいということを言っている方が仕事のイメージを持っている。

すでに数十年前から「就社」ではなく、「就職」だと言われている。また最近の採用も、新卒一括採用一辺倒から、中途採用の増加など多様化してきていて、昭和的な高度経済成長型ジェネラリスト一括採用イメージは消えてきたと勝手に思っていた。最近も、KDDIが発表した「ジョブ型採用」も増えそうだ。「ジョブ型採用」は、欧米型の職務記述書による採用で明確に採用時に業務内容が定義されて採用される。「動詞」が採用時に決まっているのだ。

KDDIが、業務に対して処遇する「ジョブ型雇用」を導入する方針を打ち出したことが話題となっている。これは事実上、日本型雇用の崩壊であり、今後は多くのビジネスパーソンがキャリア戦略の根本的な見直しを迫られることになるだろう。同社には約1万3000人の正社員が勤務しているが、今後、段階的にジョブ型の雇用に移行する。ジョブ型の雇用は業務内容を明確にした上で、成果に対して賃金を支払うという雇用制度であり、欧米企業では一般的な形態といってよい。続き

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それでも、学生のイメージは「就社」なのだ。それで思い出したのは、コペルニクス的転回だ。天動説から地動説へのコペルニクス的転回は瞬時に起こったと思っていたが、そうではなく、天動説を信じている人がだんだんと亡くなって信じる人がいなくなって、ようやく地動説が一般に信じられるようになったということを読んだが、「就社」から「就職」への転向も、それを知る人が生きている限りは変わらないのかもしれない。

新型コロナ後の店舗設計

下北沢の駅が2019年11月に改装が終わった。その時にできたのが新しい店舗エリアの「エキウエ」だ。ちょうど、西口の方から「エキウエ」に入ると、スターバックスがある。広々した心地よい空間だし、歩いてきて休もうと思う場所にちょうどある。

今年の夏も暑いから休もうと思っても二の足を踏んでしまう。ビルと違って駅の上だから開放的な空間だが、お店は密閉空間だ。席は使用不可の数が多く、十分な距離が取られているが、コロナのことを考えてコンビニのコーヒーを片手に歩き回ることを選ぶ。

日本の夏の暑さや冬の寒さを考えるとエアコンは必需品だ。しかも、店舗ということを考えると使用していないという選択肢は一年中無い。それで基本的には熱効率の良い密閉された空間が店舗の設計の前提になる。

新型コロナウイルスの蔓延で密閉空間の危険性が指摘され、どの商業施設も空気の入換に苦労をしている。大きなサーキュレーターが急遽設置されフルスピードで動いているのをよく見かける。店舗設計時点では空気の交換機能が設計から抜け落ちているから仕方なくサーキュレータを仮置きする他なかった。

レストランなどではテラス席を売り物にするところが増えてきた。しかし、最近テラス席を予約して行ってみたもののあまりの暑さに店内に席を替えてもらった。日本の、特に今年のこの暑さではテラス席では食事ができない。ヨーロッパのような気候で乾燥していて日蔭は涼しいというようなところでなければテラス席も快適ではない。しかし、コロナウイルスよりましだと思えば、それが選択肢になる。

ということで、スタバでゆっくりではなく、コンビニコーヒーで歩くのが安心で快適ということになる。それに、この数年、コンビニのコーヒーはおいしくなってきるので特に不満はない。スタバはコーヒーを飲みに行くだけではなく、その空間を利用する場所だった。本を読んだり、仕事をしたり、友人と会話したりだ。その提供価値は、空間利用ということだ。コンビニのコーヒーはというと、簡単に時間をかけずコーヒーを買えるということになる。つまりコーヒーの「コンビニ性」だ。新型コロナ感染症の影響で空間の利用方法が変わると、スタバのように空間の利用を前提としているビジネスは全てビジネスモデルの再検討と店舗設計を見直さなければいけない。これはレストランビジネスだけではなく、ライブが前提となっているスポーツやエンタテイメントなども同様だ。