クッキーをめぐるAppleとFacebookの争い

ウェブサイトを訪問した際に、自動でログインできたり、以前訪問したサイトに関係する広告が表示されたりするのは、ブラウザのクッキーと言う機能が行っていることだ。アクセスした際のログイン情報をブラウザの方で保存し、次回のアクセスの際にこの情報をもとにブラウザ(つまり個人)を特定して、次回以降も簡単なログインが可能になる。

クッキーの種類

クッキーにはファーストパーティー(第一者クッキー)とサードパーティー(第三者クッキー) 2種類ある。ファーストパーティークッキーは、発行されたそのサイトでしか使われない。単にそのサイトでのログインの際に利用されるだけだ。しかしサードパーティクッキーはサイトをまたいで利用され、ウェブサイトをまたいだ動きが把握される。これにより様々な情報を統合して、ブラウザの持ち主の属性情報や行動情報を把握して、これにより特定のブラウザ(つまり個人)に広告を配信したり、広告を配信した人をトラッキングして、他のサイトでの商品の購入の把握など行動履歴の解析に使われている。

クッキーの問題

近年、クッキーの弊害として、個人情報やプライバシー保護上の問題や脆弱性についての不安が挙げられてきている。クッキーによる脆弱性の問題とは、ログイン情報解析してクロスサイトリクエストフォージェリと呼ばれる攻撃を受ける可能性があることだ。これにより、インターネット上の成りすましによる実害が発生することもある。

Appleの対応

Appleは、そのブラウザソフトのSafariにおいて第三者クッキーを数年前から規制を開始していて、2020年になってデフォルトでブロックしている。GoogleのChromeは2022年まではサードパーティーブロックを行わないと発表しているが、様々な対策をすでに開始している。

Safariの仕様変更による第三者クッキーの制限は広告ビジネスに大きな問題をもたらす。クッキーによる複数のサイトでのトラッキングを行い、その行動履歴や属性情報をもとに広告を配信を行うビジネスにとっては、その広告の配信のターゲティングの精度を致命的に毀損する。

Facebookとの対立

Facebookはこのようなクッキーによるデータを分析することにより、広告を最適化しているためにクッキーの制限は、ビジネス大きな影響与える。このクッキーをめぐって、AppleとFacebookは対立関係にあるが、今までは、直接的に相手を非難すると言うような事はなかった。それが今回は、違った展開を見せている。

Facebookの反攻

まずFacebookは、ウェブサイトを立ち上げて、その中で中小企業の発展のためにクッキーを使った効率的な広告配信の必要性を訴えている。たくさんの事業主が登場してクッキーによる広告の効率化がビジネスの成長のために必要だと訴えるサイトになっている。最後に小さくAppleにより導入されるクッキーの機能制限に対応して、Facebookは事業主のために広告の効率性を守る努力を続けると言うコメントが入っている。ここでAppleを名指ししている。また同様の内容を、ニューヨークタイムス、ウォールストリートジャーナル、ファイナンシャルタイムスの全ページ広告で首相している。新聞広告の中ではAppleを名指ししていないが、中小企業を守るために広告の効率を制限するような動きに対して反対しましょうと言うようなコピーが書かれている。

Appleの反論

Facebookの動きに対してAppleは、インターネットのユーザは、個人情報が収集され利用されることについて知る権利があると主張して、クッキーを許可することもう許可しないこともユーザの選択の権利があるべきだとコメントした。この対立は、Apple とFacebook のビジネスモデルの違いから起因している。Appleは、iPhone販売しているので、広告の少ない、安全な環境でインターネットを利用させたいと言うハードウェアからインターネット利用経験までを一貫して自社の経済圏にしていくと言う思考がある。一方、Facebookは、広告よりインターネットのコンテンツが豊かになり、ユーザもそのコンテンツを楽しめ、広告主も効率的な広告を行えることを志向している。

ゲームでも

このようなビジネスの立ち位置の違いにより、対立が深まっている。さらに、Facebookのもう一つのビジネスであるゲームの配信をめぐっても、FacebookがAppleのApp Storeを経由しないでゲームソフトを配信したことからも別の対立が起こっている。その中で、進行中のフォートナイトのエピックゲームとAppleの裁判においてもエピックゲームに有利な情報を提供することを Facebookは明確にしている。

でも、お互いが必要

この対立はハードウェアメーカーとしてのAppleが自社の経済圏にユーザを囲い込もうとしていることに対してFacebookの立場はそのAppleのハードウェアのプラットフォームの上でビジネスを行わなければいけないと言う立場の対立であることは、述べた通りだが、両者はお互いを必要としていると言うことも事実である。スマホの普及は、すでに上限近くまで来ているが、今後も利用され続けるためにはFacebookのソーシャルネットワークサービスであるFacebookやInstagram WhatsAppと言うようなアプリがなければiPhoneも機能できない。だから、小さな小競り合いはあってもどちらが勝利すると言うような戦いではない。