アメリカでは広告業界も回復中

アメリカでは、ワクチンの接種が順調に進んでいる。4月20日現在、一回だけ接種の人でももう40%に達した。二回受けた人でも25%と言う数字になっている。これにより、新規感染者や死亡者の数も劇的に減少してきた。

そのような状況を受けて、様々なビジネスが回復してきている。広告業界もその一つだ。特に多くの大きな回復しているのが、デジタルメディアの広告だ。デジタルメディア広告は、デジタルシフトにより、過去20年にわたり成長してきている。しかし、昨年はコロナ禍のために、その成長が鈍った。2020年の前年比は7%とデジタル広告としては振るわなかった。しかし、広告が回復基調にあり、コロナ禍から始まったオンラインショッピングや様々な定額サービスの広告の効果で、2021年は22%の成長が見込まれている。

しかし、ネガティブな要因もある。この成長の原動力は、GoogleとFacebookで彼らは、その成長の87%を占めている。そのGoogleとFacebookに対しては、ワシントンからの圧力もあり今後の事業展開は不透明だ。さらにAppleの第3クッキー規制によるFacebookの広告ビジネスへの影響も見込まれる。Facebookは2020年には840億ドルもの広告費を稼いでいる会社だから、Facebookに影響が出ると、当然2021年の成長率も大きく変わる可能性がある。

Amazonもデジタル広告により稼いでいる会社だ。Amazonのデジタル広告全体のシェアは10%まで伸びている。これはAmazonにオンラインショッピングでアクセスが増えていると言うこともあるが、AmazonがAmazonで販売する事業者に対してAmazonのプラットフォームで広告をすることを求めているからだ。

2021年になってからの広告のブームの恩恵を受けているのは、デジタルメディアだけではなく既存の出版社やメディアグループもそうだ。。Bloomberg Mediaは29%の増加、デジタルメディア・放送のViceは25%の増加、出版とデジタルメディアのBustle Digital Groupでは 25%の増加と言うふうにコロナ禍終了後の、旅行や買い物を見越して多くの広告主がデジタルメディアだけではなく既存メディアにも広告を投下し始めた。

テレビ業界も昨年大きな影響受けた。これは、長い間続く既存のテレビメディアからの広告の移行だけではない。テレビ関連で、唯一、恩恵を受けているのは、コネクテッドTVと呼ばれるRoku、Hulu、ViacomのPluto TVなどだ。これらのインターネット接続テレビ放送では、視聴者のデータが取れるために、放送している内容は過去の番組の再放送であっても、視聴者の属性に基づいた広告ができるので、たくさんの広告主がついている。

また広告主としても、この数年続くデジタルによる定額サービスの広告主の増加と言うこともある。代表例がNetflixだが、様々な会社が、デジタルメディアの定額サービスに参入している。新聞ではThe New York Times、The Washington Postなど数多い。動画サービスではDisney+や.ネットワークテレビ局の定額配信サービス、またPelotonに代表されるエクササイズのハードウェアとオンラインレッスンの定額サービスなどだ。これは昨年のコロナ禍で人気が高まり、今後も参入事業者は増えていくだろう。このため、このジャンルは今後も激しい競争が続き、特にデジタルメディアでの広告増加の1つの要因となる。

アメリカの広告業界は、日本も同様だが、昨年は大きな影響を受けた。しかし、今年に入ってワクチン接種の進行とともに、この何年もないような広告のブームが来ている。既存メディアの広告も増えているとは言え、全体の大きな流れとしてはデジタルメディアへの広告の増加と言う傾向は変わらず、ワシントンの圧力や第三者クッキーの問題もあるが、これから先も続く大きな流れは変わらない。