スーパーボウルの広告は1本6億円

スーパーボウルは、アメリカのNFLの優勝決定戦である。アメリカで、最も注目を集めるスポーツイベントそして、毎年2月上旬の日曜日に開催される。この日は多くの人が、誰かの家に集まってテレビ放送を見ながらパーティーをする。

また、試合のハーフタイムに行われるハーフタイム・ショーも見所の1つで、毎年人気のあるアーティストが出演する。驚くのは、アーティストがノーギャラで出演すると言うことだ。つまりNFLスーパーボウルのハーフタイム・ショーは、権威があり、それに出演することが名誉であって、お金ではないと言う事のようだ。

スーパーボウルは、アメリカ国民のお祭りであるが、また、広告業界にとっても最大のお祭りとなる。テレビは4大ネットワークが持ち回りで、全国放送する。

そして、スーパーボウルの放送は、普通はその年の最高の視聴率を取る番組となる。そのために、このスーパーボウルで放送される広告は毎年大きな注目を集める。広告主や広告会社は、長い時間をかけて、この年に1度の広告業界のお祭りに、放送する広告の制作を行っている。

放送後には、様々なメディアが、その年のスーパーボウルの広告について批評を行うなど、高い注目を集める。スーパーボウルの広告は、業界関係者だけではなく、広く国民が広告のクオリティーについて評価するような広告イベントでもある。

スーパーボウルの広告で有名なのは、1984年の第14回スーパーボウルで放送されたAppleの「1984」だ。この広告は、リドリー・スコットにより制作され、個人的な意見では20世紀を代表する広告である。1984年のMacintoshの新発売についての広告キャンペーンの一環として企画された。当初スティーブ・ジョブスはスーパーボウルで、このCMを2回放送しようとしたが、あまりにも高価なので取締役会の反対により1回に減らされたそうだ。

当時のAppleに取って、高価な広告だったようだ。MacintoshはAppleにとって重要な商品であり、このコンピューターの成功が今日のAppleの礎となっている。そのデビューの舞台として、スティーブ・ジョブスが考えたのはスーパーボウルだったわけだ。当時の、パーソナル・コンピューターが広いマーケットを持っていなかったことを考えると、すごい発想だ。それだけ、戦略的な商品だったのだろう。もちろんGUIなどの画期的な商品ではあるが、スーパーボウルで放送された広告のインパクトも大きいと個人的には考えている。

そのスーパーボウルは、来年2月7日にカルフォルニア州イングルウッドのSoFiスタジアムで開催される。ロサンゼルス・チャージャーズとロサンゼルス・ラムズの本拠地として知られるスタジアムである。

今回の放送を担当するNBCはすでに広告の80%を販売したと言う。このCM枠は30秒で、毎年高騰を続けている。Appleの1984の頃は、約1億円程度だったと記憶しているが、今ははるかに高い。しかし、2022年は今年と同程度の約6億円と言うことだ。パンデミックの影響で、広告費の捻出が厳しい業界も多いからだ。しかし、毎年、CMを出し続ける大手広告主や、新興企業も多く、すでに80%も売れていることに驚く。

しかし、4ヶ月で残りの20% をCBSは販売しなければいけない。通常このような場合には、最後の何本かが売るのに苦労するものだ。NBCの広告の営業担当者はこれから必死で売るのだろう。アメリカはワクチンの接種も進まず、まだ毎日2,000人もの死者が出ている最中で、景気の問題もあり、すべてを売り切るのは大変だろうと人ごとながら心配なる。