荒木町

久し振りの友人と会食。場所は相談して荒木町へ。このところ足が遠のいていて数年ぶりだ。新宿通りの反対側の須賀神社は昨年ヒットした「君の名は」で有名になったが、おじさんの街の荒木町はもちろん映画には出てこない。

この日はドイツビールの店と寿司屋を訪問。どちらもおいしかった。昔は野菜鍋の店やイタリアン、焼き鳥とかに通っていたが、イタリアンは有名な店になってどこかに移転してその後行っていない。それで言えば、坂の一番下のエリマキラーメンも行かなくなって何十年もたつ気がする。夜中にラーメンを食べる習慣があったのは今世紀の初めまでだ。

友人との話は近況の交換だが、新しい事業を開始したことやその企画の発端、苦労話など話を聞く方が主であっという間に時間が過ぎた。話に出たアイディアを話し合うための近日中の再会を約束して家路についた。今週は夜の会が多くてちょっと疲れ気味だ。

写真はロンドン、トラファルガー広場

感度分の16

感度分の16とはフィルム感度(ISO)を分母としたシャッタースピードと晴天なら絞り16という意味だ。ISO400を使っていれば1/400だがカメラにはふつうはこのシャッタースピードがないので、1/250で代用する。これを曇りなら絞りを11とか日陰なら5.6とかに調整し、室内では窓際ならISO400で、シャッタースピードを1/60、絞りを5.6というように設定する。大体の明るさと対応するシャッタースピードと絞りの組み合わせを覚えていって、最終的には露出計なしで感覚的に撮影する方法のことだ。これを知ったのは渡部さとるさんの「旅するカメラ」という本の中だ。以来、露出計は使わずライカM6は電池を抜いて使っている。

渡部さんの「旅するカメラ」はシリーズ4冊となっていて写真やカメラが好きなら読んでみると面白いこと間違いない。作家として写真展を定期的に開いているので覗いてみることをお勧めする。モノクロのプリントの美しさに感動するはずだ。

モノクロフィルムはラチチュードが広いので光の読み方を間違えても大きく外すことはないし、心配なら少しずらしたカットも撮っておけばよいし、たまには被写界深度のために通常よりシャッタスピードを落として絞りを絞るというようなこともやっている。それから、ここぞという時には数カット撮っておかないとフィルムが現像の際に傷ついたりプリントの際に傷つけたりということもあるので安心のために絞りやシャッタースピードを少しずらして撮っとくことも多い。

肝心なことは写真とは光の明るさと方向をよく読んで撮ることが重要なので、感度分の16で撮ることを心掛けると写真の撮り方も変わってくる。

画角の好み

年齢で画角の好みが変わるという説があるが、最近の個人的なレンズ選択を見ているとそれが正しい気がしてきた。元々はライカでは35mm一辺倒。絞ってノーファインダーも含めてピント合わせなしで撮って来た。ファインダーを覗いて構える時もピントではなく水平だけを気にしていた。

それが最近は外出時につけるのは50mmのレンズということが多くなってきた。大抵は一番好きなズミルックス50mmだ。これが少し夕方から出かけるというとノクティルックスに代わる。ここの0.4fの差はあまり関係なくて単に気持ちの問題だ。50mmは他にもライカで2本、非ライカで3本持っているが出番はあまりない。

この画角の好みは年齢で変わるということの意味はよくわからないのだが、最近は風景的な対象ではなく人物を入れた写真が好みになってきたので、それが原因かもしれない。

50mmがなぜ標準画角かは、最近よく読んでいる「写真のネタ帳」のここに詳しい。説がいくつもあるということは決定的な理由がないということでもある。

その「写真のネタ帳」では、肉眼の視野に近いとする説、対角線長に基づくとする説、レンズ特性による説を説明して、それから本来の正方形に対しての対角線長として50.9mmを導いている。つまりレンズのイメージサークルに入る正方形の対角線長としての50.9mmなのだが、個人的には現在のライカ版のフィルムサイズができたときに作りやすいレンズが50mmで使ってみたらよい感じかなということで50mmが標準になったいうのは技術者を軽く見ているのだろうか。

どちらにせよ、このところ50mmが心地よく、今まで使っていたズミルックスやズミクロンの35mmはお留守番が多くなった。

 

久し振りの自家現像

先日の旅行のフィルム現像だが、堀内カラーがモノクロ現像を外注することになったことやそもそも値段も1本900円というとんでもない値段になってしまったので自分で現像することにした。昨年のバルセロナの後の現像料に驚いたのだ。パリで撮ったのは120が20本、35mmが3本だから普通に現像に出すと20,000円を超えるということになる。

現像には良い季節だし時間もあったので土日2日で片付いた。タンクはマスコで120は2本しか現像できないが120だけで5回現像したということだ。それに35mmは3本一度にできるから、こちらは1回のみ。ついでに冷蔵庫に溜まっていた長巻に撮影済みフィルムを9本。これで合計9回。長巻は店では現像を受け付けてくれないから自家現像しかない。しばらくフィルム現像をしていなくて冷蔵庫に溜まっていたのだ。2年もたつといくら冷蔵庫でも潜像が劣化しているかもしれない。

週末前に何も出かける予定も仕事もないことを確認して週末の決行を決めたのだが、最近は急に思い立ってもヨドバシが現像液など翌日に配達してくれるから、その点は便利な時代だ。水温は汲み置きしておくと21度程度になってちょうどいい感じだ。前はいろいろな現像液を試したが最近はフィルムに合わせてT-Maxデベロッパー一本鎗だ。ヨドバシで2,600円。劣化を考慮して継ぎ足したり現像時間を延ばしたりして29本をすべてを1本で現像した。ベタはこれからだが、ネガの調子を見ると悪くない。むしろ堀内カラーより薄目でコントラスが低そうにも見える。現像液の劣化が寄与しているとしたら大量現像の怪我の功名だ。

定着液は前から使っている中外のフィクサーのやや期限切れを使ったが、定着はできているだろうが、これはすぐには結果は分からない。久しぶりの現像で2日間も腕を振っていあたので筋肉痛。これも2万円ほども節約できたと思えば安いかも。ともかく現像料が高くなったのでこれからは自家現像に切り替えたい。フィルムと現像で一本当たり2千円ではフィルム趣味は続かない。それにまだ冷凍庫に値上げ前の長巻がたくさんある。

東京都写真美術館「山崎博 計画と偶然」

天気が良い週末で時間もあったので恵比寿の東京都写真美術館まで「山崎博 計画と偶然」を見に出かける。昨年、再オープンした際に入った年間パスポートが3月31日で切れていて更新。3,240円也。年間パスポートで所蔵展は無料になるのだが、「山崎博 計画と偶然」は予想に反して所蔵展だった。何故か得をした気になるが得をするために年間パスポートを買っている訳ではないのでどちらでも良いか。

「山崎博 計画と偶然」を見に行ったのは、「水平線採集」というシリーズ」を見に行ったのだがモノクロからカラーまでたくさんあってなかなかの圧巻。前から気になっていたのは杉本博司との違い。山崎の作品はカラーがあることもそうだし、たくさんのディテイルがありこの作家のお得意の長時間露光の太陽の軌跡が入ったものもある。それを見るとやはり杉本のほうが余計なものはそぎ落とした感覚で海と空とその境の水平線以外に余計なものは大型カメラにも関わらず写っていないので似た作品が違いは大きいと感じた。

1980年に杉本博司はSeascapeの撮影を始めたそうなので、1970年代もある山崎博の方がやや早いようだが、いずれにしてもコンセプトも手法も違うので同じように見えて違い作品群と感じた。

連休の始まりは天気も良く土曜日に少し小雨が短い時間降ったが非常に爽やか。この天気が数か月くらい続くのがありがたいが、すぐに湿度が高い日本の夏がやってくる。