ラグビーワールドカップ2023の日程が決まる

ラグビーワールドカップ2023フランス大会の日程が発表された。日本の開幕戦は、9月10日。アメリカ地区予選2位との対戦。これは、カナダになるのだろうか。会場は、トゥールーズスタジアム・ド・トゥールーズ(Stadium de Toulouse)33 000席で対戦。

一週間後の17日に、エディ・ジョーンズ氏が率いるイングランドとニースで対戦する。会場は、スタッド・アリアンツ・リヴィエラ8Stade Allianz Riviera)35 ,624 席。ニースで、イングランド代表と対戦は、今からワクワクする。

第3戦は、トゥールーズに戻って、28日(木)にオセアニア地区予選1位との試合。これは、サモアやフィジーとの試合になるのだろうか。試合間隔が11日なので、十分な休養が取れる。

10月8日(日)には、プール最終戦でアルゼンチンと対戦する。会場は、ナントのスタッド・ドゥ・ラ・ボージョワール=ルイ・フォンテノー(Stade de La Beaujoire – Louis Fonteneau)38,285席。多分ここで、ベスト8進出がかかる。

興味深いのは、ティア1のイングランド、アルゼンチンと第2戦、第4戦に対戦する順番。これは、2019年大会と同じ並びだ。第1戦の勝利で勢いをつけて、第2戦に勝負をかける。2019年には、静岡でアイルランドに勝利したが、今回はニースでイングランドを撃破するという構図だ。そして、ゆっくり休んで、第3戦に勝利した後で、ナントでアルゼンチンに勝つ。2019年10月13日のスコットランド戦の勝利を思い出す。

2023年には、プールステージの期間が1週間伸びて、各チームとも最低5日間の休養がとれるようになった。2019年までは、チームによっては、中3日で次の試合になるという不公平が指摘されていた。2015年の日本のスコットランド戦は、そうだった。南アフリカにブライトンで、奇跡的な勝利をあげたあとにも関わらず、休養が足りず、スコットランドに破れて、ベスト8を逃している。

また、登録選手が31人から33人に増えていることも、選手の休養を可能にする。ただし、これは、ティア1各国にはあてはまるが、日本にとっての効果は不明だ。選手層の厚いティア1に比べて、日本は、トップのレベルで戦える選手の数が足りないからだ。

現時点の日本の対戦国のランキングは、日本の第10位に対して、イングランドが第3位、アルゼンチンが第9位。オセアニア地区予選1位と思われるフィジーが第11位、アメリカ地区予選2位になると思われるカナダは第23位だ。イングランドに対しては、頑張って欲しいが、やはり、ベスト8は、プールステージ最終戦のアルゼンチンに勝てるかどうかが分かれ目だ。2019年のときと同じように、最後まで興味をひくような日程が組まれている。

組み合わせということであれば、開幕戦が興味深い。9月8日(金)に、スタッド・ド・フランスで、フランスとニュージーランドが対戦する。いきなり、ベストゲームを持ってきたという印象だ。フランスは、初戦で敗れるというリスクより、誰もが見たいニュージーランドを開幕に持ってきて、フランス大会への興味を最大限まで盛り上げようという戦略のようだ。チケットの売上や、大会期間中の盛り上がりを心配しなくて良い、ラグビー大国のフランスらしい選択だ。日本大会では、これはリスクが高くてとれなかった。

今は、コロナ禍で試合もできない状況だが、2023年9月10日までには十分な時間がるので、その日に向けて仕上げて行ってほしいものだ。

ポッドキャスティングが活況

音声ソーシャルメディアのClubhouseの急速な普及によって、音声のエンターテイメントに注目が集まっている。

音声は、人類が文字を持つ前から、コミュニケーションに頼ってきた身近なメディアだ。そういう意味で、非常に我々の本能に最も近いメディアとも言える。しかも、文字を書いたり、撮影するよりも非常に簡単に制作できる。コミュニケーションの方法としては、優れている。

古くから、音声によるメディアとしてはラジオがあったが(101年前から)、インターネットと結びついたポッドキャスティングという音声のストリーミングサービスが流行している。ポッドキャスティングという言葉が生まれたのは、2005年にAppleのiTunesがiPod用に音声番組のアグリゲーターを開始した時だ。それから、すでに長い時間が立ち、ブロードバンド化により、ダウンロードではなくストリーミングサービスが一般化した。

そんな状況を反映して、ポッドキャスティングの音声ドラマが話題になっている。1つはUnwanted。脱獄犯を賞金目当てで追う2人のコメディー。もう一つは、デミ・ムーアが出演しているDirty Diana。どちらもQCode Mediaの制作だ。Dirty Dianaは注目されて、やはりデミ・ムーアが主演で、Amazonがテレビドラマドラマ化することになった。

QCode Mediaようにポッドキャスティングの番組を制作する市場に、参入が相次いでいる。

Warner Bros.はSpotifyのためにDCコミックのキャラクターを登場させるポッドキャスティングの番組を制作しているし、Marvelも、SiriusXMのために、マーベル・コミックスのキャラクターの番組を制作している。また、大手だけではなくて、たくさんの独立系のポッドキャスティングの制作会社も誕生して、音声によるエンターテイメントはますます活気を見せている。

音声番組を配信するプラットホームもたくさんあり、Spotify、Amazon, Apple, SiriusXM衛星ラジオ、iHeart Mediaなどが、多くの音声番組を提供している。SiriusXMは衛星ラジオの会社だが、PandoraとStitcherと言う2つのストリーミングサービスの会社も所有している。音声メディアの市場の価値を評価して、買収を行ったのだ。昨年買収したStitcherに対しては、2億6,500万ドル支払っている。日本円で300億円ほどの価値があるというのが驚きだ。AmazonもPodcastサービスのWonderyの買収に、3億ドルを支払っている。

iHeart Mediaは、以前はClear Channel言われていた全米のラジオ局を束ねる会社だ。現在でも850ものラジオ局を所有している。ここも、インターネットでの音声ストリーミングサービスを開始している。

ポッドキャスティングと言うと、トークショーなどのイメージが強いが、最近は上記のようなドラマが増えている。昨年アメリカで行われた調査によると1億400万人のアメリカ人が、ポッドキャスティングを聞いていると言うことだ。そこではたくさんの人気番組が生まれ、Dirty Dianaのようにテレビドラマ化されると言う事が起こってきている。

電波メディアでも、テレビが登場するまではラジオが中心で、ドラマだけではなく、トークショーや討論会など様々な形式の番組があった、音声のエンターテイメントは、車の運転なども含めて、「ながら」で楽しめるので、今後もなくなる事はないと考えられる。

Spotify によれば、全世界の3億4,500万人の契約者のうち、25%の人が音声番組を聴いている。

日本でも、AuDee  himalaya(ヒマラヤ) Voicy(ボイシー)が配信サービスを行っている。また、 読む本のaudiobook.jp、Note, Flierなども音声番組のダウンロード配信を行っている。

ストリーミングサービスが誕生したことで、このラジオ番組の形式が再び注目を集め、音声のエンタメテイメントが違う形で復活してきた。Spotifyのようなプラットフォームにとっても、音楽だけではなく様々な形式のエンターテイメントを提供することにより、幅広いユーザを獲得することができるから、ますます音声による番組のニーズは高まると考えられる。

Twitterの挑戦

Twitterが停滞していると株主から責められている。2017年に,日本語・韓国語・中国語以外は、書ける文字数を倍の280文字にしたこと以外に、新しいことを何も始めていないという非難だ。

4%の株を買い集めて第一位株主になったヘッジファンドのElliott Managementは昨年3月にCEOの解任を求めたりもした。理由は、Twitterの新しい環境への対応が遅れているからということだった。

確かに、SNSのTwitter’は、2006年創業の老舗で、一日のアクティブユーザーは、1億9,200万人だが、その伸びは停滞している。新興のSnapchat は、2億6,500万人に達しているし、 ユーザー数を発表していないTikTokも昨年の秋の段階で5,000万人のユーザーがいる。たった11ヶ月しかサービスを行っていない Clubhouseはすでに1,000万人を超えている。

株主から急き立てられるようにして、Twitter は、最近になって、新しいサービスをテストを始めたり、構想の発表を行っている。そして3年以内に一日のアクティブユーザーを 64 %増加の3億1,500万人にし、利益を倍増させるという発表を行った。

ユーザー増加と利益追求のために、いくつか新しいサービスをテストし始めてた。それは、Clubhouse(クラブハウス)のサービスに類似した音声専用のチャットルームの「Space」と、Instagramの24時間で消えるStoriesと同様の「fleets」、新しいコミュニティ・サービスの「Super Follows」がある。

Super Followsでは、ユーザーは有料あるいは無料で、特定のツイートやニュースレターをフォローできる。有料にもできるので、Twitterで稼げるというユーザーも出てくるだろう。マネタイズできるとすれば、本気でツイートするユーザーが登場して、Twitterが活性化する。日本のNoteで記事を販売する感覚だろうか。

インターネットユーザーは移り気だから、新しいものにどんどん移ってゆく。そして、一部の人が使わなくなると、逆ネットワーク効果が働き、つながりを持つ人がいなくなる。それでネットワークの魅力は急激に減少する。結果として、無人のネットワークが出来上がる。これが、Twitterの危機意識だろう。しばらく、老舗の挑戦を見ていったほうが良いだろう。

Wi-Fi 6の導入をいつにするか?

最近まで知らなかったが、Wi-Fiの 規格がアップグレードされて、2019年に、Wi-Fi6になっている。規格名としては、第5世代のWi-Fi5 のIEEE80 2.11acが第6世代になって、IEEE80 2.11axになっている。

2013年に導入された規格の第5世代では、最大通信速度が6.9Gbpsだったものが第6世代では9.6 Gbpsまで上がっている。なんと50%近くもスピードがアップしたと言うことだ。

使用する周波数も、5GHz帯だけではなく、2.4GHz帯と5GHz帯の併用になっている。これは電波の状況で、つなぎ変えることができるので非常に便利だと思う。

しかし、最大の特徴は、多数の端末を同時に使用するときに、第5世代までだと1通信で1台ずつ情報送っていたものが、第5世代では同時に複数の端末に情報が送れるようになったということだ。我が家でも、テレビでNetflixやAmazon Prime Videoを見ながら、スマホが最大4台、タブレットが最大2台、ノートPCが最大3台使うことがあるので、この同時に送れると言う新しい規格は非常に魅力的だ。

さらに、Wi-Fi6には、端末側のバッテリー消費を抑えるTWT(Target Wake Time)と言う技術が採用されており、端末へのデータ通信のタイミングを調整して、待機が必要ないときには端末をスリープ状態に移行させて消費電力を抑えることができる。

これについては、端末側でこの機能が搭載されていないとダメなので、今すぐには使えないかもしれないが、端末を買い換えたときにはこの機能が入ってくると思われる。iPhoneは11以降はすでにこの機能に対応しているので、スマホはすぐにこの効果を享受できる。

しかし、他の端末は、Wi-Fi6に対応していないので、すぐには効果はない。しかし下方互換があるので、少なくとも今までと同様にすべての端末が使える。

ニューヨークタイムスの記者がWi-Fi6の性能をテストした。このテストによればWi-Fi6では、1テレビ番組のダウンロードに45秒かかり、Wi-Fi 5では51秒かかったと言うことだ。Wi-Fi 5の方が13%遅い。

しかし、最大スピードアップが50%近いにもかかわらず、Wi-Fi5からWi-Fi6のスピードは多少良くなったのにすぎないようだ。これでは、買い換えるほどのものではない。

説明によると、Wi-Fi6有効性が機能するのは100台とのデバイスがつながるようなオフィス環境だと言うことだ。自宅で10台20台つながっているときには、あまり劇的な機能の向上は期待できない。

ニューヨークタイムスの推奨は、今のWi-Fiルーターが6年以上の前の購入であれば、劇的な改善が期待できるので買い換えるべきだということだ。2015年に規制が改善されて、ルーターのスピードが劇的に向上したらしい。

購入6年以内の新しいものであるとあまり効果が見えない。だから、次の規格であるWi-Fi 6Eが既に市場に出始めているので、数年待って買い換えることが推奨されている。今は非常に高価だが、数年以内に価格が大幅に下がることが予想されているからだ。と言うことで、我が家でも買い替えはしばらく待つ待つことにした。

ゼロ・パーティ・データ

インターネットで使われている技術の「クッキー」は、World Wide Webの中で訪問者を特定するために使用されている。クッキーがブラウザ側のほうに保存されて、サーバー側では訪問者の特定により、ログイン情報などをもとに特定の情報をブラウザに返す。これによりログインが簡単になったり、特定の情報が表示されたりする。このことにより、ウェブが非常に便利に使えるようになっている。

このブラウザ側に保存したクッキーを、どの範囲で使うかによって、クッキーは2種類に分かれる。それは、ファースト・パーティー・クッキーとサード・パーティー・クッキーだ。ファースト・パーティー・クッキーは、そのサイトでしか使われないから、上記のようにログインや特定の情報の表示と言うふうに便利に使える。

一方サード・パーティー・クッキーは、ドメインをまたいで使われるために、ウェブ解析、行動履歴・購入履歴などのトラッキングにより広告のターゲティング、表示などに用いられている。このサード・パーティー・クッキーについては、個人の行動履歴を第三者が使用することによって、個人を特定し、個人の行動を把握すると言う意味でプライバシーの侵害になると言う考えが出てきている。

AppleはそのブラウザのSafariで既にITPと言う形で、サード・パーティー・クッキーの利用を制限しており、Googleも2022年までにサード・パーティー・クッキーをサポートしないと発表している。

インターネット広告の成長の要因の1つは、その精緻なターゲティングにある。それを支える技術がサード・パーティー・クッキーで、行動履歴や個人の属性を把握することにより、最適な対象に最適な広告を配信することができ、広告効果を高めることができるからだ。

もしクッキーが完全に廃止されてしまうと、インターネットにおける広告は最も重要な長所を失うこととなる。このために、広告業界や広告主は、今後のウエブ上で活動の方法について様々な研究をしている。

そこで、提唱された考え方の一つが、「ゼロ・パーティ・データ」だ。ゼロ・パーティ・データは、サイト訪問者に対して合意を得た上で人のデータを企業が利用するという形をとる。

ゼロ・パーティ・データの命名者はForrester Researchだ。その考え方は、個人情報守りたいと言う消費者が自分の利便性のためにいくつかの個人情報を使用を許可する。一般的には何らかのプロモーションのオファーを受けることによって、データの使用許可する形をとる。その意味で、ゼロ・パーティ・データはファースト・パーティー・クッキーの一種とも言える。大きな違いはファースト・パーティー・クッキーはアクセスログや行動履歴をもとに集めるものだが、ゼロ・パーティ・データは顧客に対してプロモーションと引き換えに同意を得て、行動履歴にとどまらない、より深い個人的な好みや志向などのデータを収集する。

このゼロ・パーティ・データを得るためには、サイト訪問者に対して適切なオファーを用意して、そのデータ取得の意味を理解してもらうことが重要だ。その上で単純に行動履歴でなどでは取れないような、そのユーザの好みなどをアンケートなどの方法を用いて情報を取得する。この情報をもとに、企業は、様々なレコメンデーションを行うことが可能になる。

さらに、このデータを第三者と共有することも想定される。当然、事前のユーザの同意が必要になるので、最初の取得の段階から第三者提供の合意をとっていく必要がある。

第三者への提供の必要が合意が取れていれば、取得した企業は、提携するパートナーやメディアと、この情報を共有してプロモーションに生かすことができる。ゼロ・パーティ・データをもつ企業やメディアがたくさん集まれば、データベースは大きくなり有用性も増す。

サード・パーティー・クッキーの使用は、プライバシーの侵害になると言う考え方が、一般的なりつつある。ヨーロッパの一般データ保護規則と同じように、日本でも個人情報保護法が強化されることが見込まれているので、ユーザの同意を取った上での新しいデータ取得の方法が必要になる事は自然な流れだ。基本的には、ユーザの合意が取れるファースト・パーティー・クッキーを、どのように使用していくかが前提となる。

このゼロ・パーティ・データの考え方は全く新しいものでもなく、新しい技術に基づいていない。しかし、今後インターネットを利用するマーケターが考えなければいけないことを説明するための概念としてわかりやすく説明されている良いネーミングだ。

Spotifyが巨大音声広告メディアに

音声によるソーシャルメディアのClubhouseが急に人気が出て、音声によるコミュニケーションの良さが再認識されている。パンデミックで自宅にこもって、人と会う機会が減っているので、雑談をするような楽しみがなくなってしまったことも原因になっている。

しかし、それだけではなく、音声には、音声の良さがたくさんある。1つは、「ながら」が可能だと言うことだ。

従来から、ラジオによる音声放送は、運転、家事、手作業の際に、多くの人に聴かれてきた。デジタル化により、ラジオ放送に魅力がなくなったように見えるが、それはラジオ放送だけではなく、音声による娯楽が多様化したと言うことだ。音声のコンテンツの1つである音楽を巨大ビジネスにしたのはSpotifyだ。そのSpotifyは、音楽ではだけではなくポッドキャスティングなども含めて音声による娯楽の中心になろうとしている。

Spotifyは2020年に2つの会社を買収している。1つはポッドキャスティングの配信ツールの会社のAnchorであり、もう1社はポッドキャスティングのポスティング、広告ツール、配信と言うようなバックエンドの業務を行うMegaphoneだ。

この2社を買収したことにより、様々なポッドキャスティングをネットワーク化し、広告媒体として利用できることになった。Spotifyの本業である音楽ストリーミングは会員制の有料版と、広告付きの無料版があるが、この広告付きの無料版と合わせて、様々なポッドキャスティングを組み合わせた音声広告のマーケットプレイスを立ち上げた。Spotify Audience Networkと言う名前で、音声による広告のニーズに対応している。

従来のテレビ放送が、YouTubeや映像配信サービスに置き換わっていくように、ラジオ放送もポッドキャスティングや音楽配信に変わっていく。Spotifyはこの市場に焦点を当てて広告のニーズを様々なターゲットに合わせてグローバルに応えるためのネットワークを立ち上げたと言うことになる。

聴取者に対しては、音楽から様々なジャンルのポッドキャスティングまで提供する巨大なインターネットラジオ局がグローバルに存在することになる。

Netflixが映像の分野で成し遂げたことが、Spotifyは音声で達成するのかもしれない。

「フェルメールと風俗画の巨匠たち」展@ルーヴル美術館、2017

フェルメールの絵を積極的に見始めたのは、1994年にニューヨークから帰国してからだ。それまでに、ニューヨークとワシントンで、そこにある作品は全て見ていた。帰国後、フェルメールの来日展が開かれると、必ず行っていていた。

その後、実際に各国美術館に足を運び、最後の「音楽の稽古」をバッキンガム宮殿で見たのは、2014年だった。「音楽の稽古」は、女王の休暇中の夏にしか、美術館が公開されないので、その時期にロンドンに行かないと見られないから時間がかかったのだ。それで、全作品の実物を見たことになる。残念なのは、ボストンのしかし、所蔵されている「合奏」は見ていない。1990年にイザベラ・スチュワート・ガードナー美術館から盗まれたからだ。1989年にボストンに行ったが、空港からケープコッド方面に向かって、市内に足を運ばなかったことが悔やまれる。

実物は、全作品を見ているが、エディンバラのスコットランド国立美術館にある「マリアとマルタの家のキリスト」と、ドイツ、ブラウンシュヴァイクのヘルツォーク・アントン・ウルリッヒ美術館にある「ワイングラスを持つ娘」は来日展で東京で見ているから、この2都市はいつか訪問しようと思っている。

すべての作品を見ていたので、フェルメールの旅行は終了にして、カラヴァッジョの作品を見る旅を始めようと思っていた2017年にフェルメールの絵が12枚も集まる、パリのルーヴル美術館の『フェルメールと風俗画の巨匠たち』展のことを知った。35作品とか37作品といわれている彼の作品が12も集まるのは、多分今世紀中はないと思って出掛けた。忙しかったので、3泊5日の旅行で、事前に展覧会の予約を2日間分、日本から予約して出掛けた。すごい人気で、世界中から人が集まっていると聞いていたからだ。

 12作品と言っても、全てすでに見ているので感激はないのだが、何枚もの絵が並んでいるのは気持ちが良い。それに、12作品に初期の習作の4作品とワシントンの板に描かれた2作品が含まれていないのだから、満足度は高い。特に、普段は、パリとフランクフルトに別れて展示されている「天文学者」と「地理学者」が並んでいるのを見るのは、こんな機会でもないとありえない。

ちなみに、作品数が35作品とか37作品と書いたが、個人的には、ワシントンの板に描かれた2作品は、フェルメールではないと思っているので、35作品派だ。だから、習作と疑問の作品を除いた、主要作品31点の12だから、かなりの数だ。

ルーヴル美術館に、2回行って、それ以外の時間は、セーヌ川の堤防をあてもなく歩いていただけだった。

楽天、Amazon、Shopifyの争い

パンデミックが起こって、人々はリアルからオンラインに活動を移している。リモートワークで、娯楽もオンラインで行っている。ショッピングも同様で、オンラインショッピングが急増しているのが2021年の現状だ。

スモールビジネスが、オンラインショップを始めようとすると、2つの方法がある。1つは自社ECサイトをスクラッチから始める方法。ウェブサイトを構築して、発注や決済の仕組みを組み込む。技術的にはたくさんのサービスがあるが、すべてを行うのは簡単ではない。しかし、問題は、購入客にどうやって見つけてもらうかだ。広告をたくさん出さなければいけないかもしれないし、SEOの対策に手間をかけなきゃいなければいけないかもしれない。また同時に、リアルの店舗運営しながらも、ウェブサイトを管理して、オンラインの受注をの取り扱いもしなければいけないと言うことになる。

もう一つの方法は、楽天やアマゾンのような、既に多くの顧客がいるモールに出店することだ。この方法だと、購入客を集めるための努力は少ない。また受注、決済、発送等についても、代行してもらえるかもしれない。欠点は、スモールビジネスにとっては多額の出店料や手数料がかかることだ。また、独自のオンラインショップではないので、いつまでたっても自社のブランドイメージを確立することができない。あくまでも、巨大モールの一店舗ということだ。

自社で独自にオンラインショッピングを始めるときに、候補としてベンダーの候補となるのは、Shopifyだ。Shopifyはカナダの会社で、世界中でオンラインショッピングのサービスを行っている。オンラインショッピングのテンプレートや決済システムを揃えて、月額の利用料払えば、すぐにオンラインショッピングのサイトを構築できる。必要な各種のツールが利用でき、自社で面倒なシステムを構築する必要がない。

しかも、この利用料が安く、もっと安いベーシックなら月額29ドルから始められる。日本にも進出しているが、全世界で1,000,000以上のサイトで利用されている。

利用している企業は、スモールビジネスだけではなく、大手企業も多い。バドワイザー、レッドブル、ネスレなど大手企業も多い。日本においては、楽天と提携しており、楽天に出店している企業の自社ECサイトの構築も手がけている。

自社ECサイトのニーズに対して、Amazonも動いた。今年1月にオーストラリアのSelzを買収した。Selzは、Shopifyと同様のサービスを提供する企業だ。Amazonは、出店ニーズだけではなく、自社ECサイトを展開しようとする企業にも対応しようとしている。

D2Cがはやりとなり、多くの企業が顧客との直接のつながりを持つために様々な活動を始めた。そのような場合に、簡単にオンラインショッピングを始められるShopifyは最も合理的な選択になっている。この市場に対してAmazonはSelzを使って参入する。

企業にとって、Amazonや楽天で販売していても、自社のプレゼンスを確立するためにオンラインショップを独自に持ち、顧客との関係を直接作っていきたいはずだから、このニーズは今後も高まると考えられる。この市場で圧倒的に強いShopifyに対して、Amazonの膨大な顧客や出店者と組んだSelzがどのようなビジネスを展開するか注目が集まる。

ノッティング・ヒル、ロンドン

2013年から2016年にかけてロンドンに長い間滞在した。長い時は2ヶ月近く滞在し、短い時でも1週間。平日は仕事があるから、夜に食事に出かける程度だが、週末はロンドンのあちらこちらを歩いた。

どちらかと言えばロンドンの東側のショアディック(Shoreditch)の辺りの写真を撮って歩いていた。でも、西のノッティング・ヒル(Notting Hill)に行くこともあった。ショアディックがニューヨークで言えば、イーストビレッジとすれば、西のノッティング・ヒルは、アッパーウエストという感じだろうか。

これは映画の「ノッティングヒルの恋人」の舞台だから行ったと言うこともあるが、のんびりと食事をしたり、ビールを飲んだりするような場所がいくつもあって楽しめた。東側の猥雑さは緊張感を強いるが、西のノッティングヒルはリラックスできたのだ。

地下鉄のNotting Hill Gate駅で降りて少し歩くと、メインのPortobello Rdに出る。日本語では、ポートベロと書いているのを見かけるが、アメリカで食べていたポータベロ・マッシュルームの発音と同じように、個人的にはポータベロと呼んでいた。どちらが、より現地語の英語に近いのか知らない。ポータベロ・マッシュルームは日本ではあまり食べないが、ニューヨークにいた時は好物だった。それとは直接関係ないが、Portobello Rdに親近感を抱いていた。

上の写真は、映画の中でヒュー・グラントが演じる主人公が住んでいた場所。2階に少しテラスがあるのですぐにわかる。この家の赤いドアは映画の中でも青く塗られていたが、そのドア自体は映画の後でオークションで販売されてしまったそうだ。

主人公が経営していた旅の本だけ集めた書店はフィクションだが、撮影に使えられた店舗は現存した。写真を撮った2013年には靴屋だ。それから、多分映画から発想された、ヒュー・グラントが経営する旅の絵本を集めた書店とおなじような書店は、この場所から少し離れた脇の路地にあった。映画では全く使われていないし、多分関係ないと思うが、旅行関係の本をたくさん集めて販売していた。

このポータベロー通りは、週末にはアンティークと言う名前のガラクタがたくさん売られる屋台が出る。Notting Hill Gate駅から遠いほうに行くと、週末には、映画に出てくるような野菜や果物を販売するマーケットの通りとなっている。この通りに行くのは、夜に食事に行く以外は週末が多かったので生鮮食料品のマーケットの写真をたくさん撮っている。

Notting Hill Gate駅からポータベロー通りを歩くと、通りのはずれは、Ladbroke Grove Stationがあって、そこの広場でも骨董市が開かれていた。

がらくたに混じって、古いカメラがたくさん売られていて、覗いたりしていたが買うことがなかった。古いカメラは古すぎて撮影には使えなさそうだし、少し新しいものはプラスチックでできたカメラで、興味をひかなかったからだ。いちどだけ買い物をしたのは、古いラグビーの写真で、1枚数ポンドで1000円もしないから買った。

2013年から2016年と書いたが、1番回数が多かったのは2013年で、この時にたくさんフィルムで写真を撮っている。その後は、忙しかったのと滞在期間が短かったのであまり写真は撮っていない。

撮ったフィルムは現像は終わっているが、忙しくてきちんとプリントができていない。ロンドン以外にも海外で写真を撮りにいったフィルムがたくさんあり、プリントをしなければいけないが、始めるならまずロンドンの写真からだ。

プリントで思い出したが、ある出張の際に、足りなくなったフィルムを買いに行って、フォコマート2を購入して、ホテルに運んでもらった。運ばれてきたケースを見たら、あまりにもサイズが大きくびっくりした。それが3ケースもあり、自分1人の分としては日本に持って帰って来れなかったので、たまたま同行していた同僚にお願いをして彼の分として運んでもらった。

この頃の出張は、すべてビジネスクラスだったので、あの大きなケースを運べた。2014年以降の出張は、別の組織に移ってからのものだったのでエコノミークラスだとあの荷物を運んでもらえなかったと思う。しかも当時は、ビジネスクラスには成田からのハイヤーがついていたから、自宅までその巨大な箱を3個も運べたのだ。

そのフォコマート2は、自宅のガレージ暗室で使い始めた、しかし、その後忙しくあまりプリントができていない。そのプリントができてない理由の1つは忙しさもあるが、自宅で現像液を使ったりすることが環境問題への影響を考えると控えなければいけないと思い出したからだ。2013年の9月に東京オリンピックが決まり、東京湾で各種の競技が行われると言うことを考えると、自宅から廃液を海には流したくないと言うような気持ちになった。ずっと行っていた自宅フィルム現像を止めたのも同じような理由だった。

ノッティング・ヒルの写真を見ていて、ロンドンに最後に行ったのはいつかと考えると、多分2016年の11月ごろだと思う。新型コロナウィルスが収束したら、また旅行に行きたいが、行き先の候補はロンドンも上位に入る。何度か行ったPortobello Rdのパブでエールを飲んでみたいものだ。

ブルーライトカットメガネの効果はどの程度?

ブルーライトカットメガネが世の中で登場してから長い時間が経った。気になって調べてみると、Jinsが、ブルーライトカットメガネを発売して大人気になったのは、2012年のことのようだ。それから10年、ブルーライトカットメガネはどのメガネ屋も売っている。メガネを買うときには、ブルーライトカットのフィルターを追加するかどうかを聞かれる。

これは、日本だけのことではなく、アメリカでも同様だ。昨年アメリカで創業したFlix Grayは、ブルーライトカットメガネに特化した会社で、自らオフィスから生まれたと宣言している。そのサイトには、Google, Apple, Amazon, Facebookなどの巨大IT企業のロゴが並び、「この企業のオフィスでも使われています」と大きく書かれている。このスタートアップは、コロナ禍で家庭での仕事時間が増えたこともあり、有望とみられている。このために、昨年2億円程度の資金を集めた。

ジェニファーロペスなどのたくさんの有名人が使用しているという記事もある。また、多くの有名人がブルーライトカットメガネの広告に登場している。それから、ドリュー・バリモアは自分のサイトでブルーライトカットメガネを売っている。

アメリカで、ブルーライトカットメガネという呼び方もあるが、コンピューターメガネとも言うようだ。

メガネ会社各社によれば、ブルーライトカットメガネはブルーライトを20%削減することにより、よく眠れ、目の疲れを和らげ、網膜へのダメージを防ぐという。しかしながら、学者によってはこのようなことに同意をしていない。

ロンドン大学のローレンソン医師によれば、ブルーライトカットメガネは必要ないと言うことだ。スクリーンを見ていて目が疲れのは事実だが、その原因がブルーライトにあるということが証明されていないと発言している。

アメリカのマサチューセッツ州のラムジー医師は、スマホやタブレットからのブルーライトの量はごくわずかで障害をもたらすほどのものではないと言っている。同医師によれば、目の疲れを感じるのであれば、ブルーライトカットメガネをかけるのではなく、時々スクリーンから目を離す時間を持つことが大事だということだ。

睡眠に関しても同様で、ブルーライトがメラトニンの分泌を妨げることは事実だが、ブルーライトカットメガネをかけるのではなく、寝る1〜2時間前はスクリーンを見ないこと、.軽い運動すること、夕食を早めに食べることなどが重要だということだ。

今もブルーライトカットメガネをかけて、これを書いている。最初のブルーライトカットメガネを買ったのも発売されてからすぐのことだった。こういう効果がありますと言われると、すぐ信じてしまうタイプなので、効果があると思って使っている。だから、あまり効果がないと言われると少し残念な気がする。

とはいっても、メガネは普段からかけているので、ブルーライトカットフィルターの値段はたいしたものでは無いから、あまり損害は無いとも言える。寝る前にパソコン、タブレット、スマホを見ない方が良いと言うことなので、睡眠のために、むしろそのようにしようと考えた。

商売ということは、難しい。しかし、小さなことでも、効果があまりなくても(誇大広告はいけないが)アイディアがあれば巨大な市場になるということの見本みたいな話である。