巨大IT企業の巨大な利益

アメリカの巨大IT企業が、第二四半期の営業成績を発表した。それぞれ過去最大の利益を出している。

Amazonの売上は、前年同期比127%で1,311億ドルに達した。利益では148%の78億ドル。

Googleの親会社のAlphabetの利益は185億ドル。前年同期比162%と言うことだ。このレベルの増加は2005年のまだスタートアップだった時代の成長率以来ということだ。時価総額2兆ドルの大企業となった今も、スタートアップの成長ということは異常とも言える。

Appleも同様に、四半期の数字で、利益の前年同期比193%の217億ドル。売上が136%で814億ドル。こちらも利益がほぼ倍増だ。

Microsoftもまた第二四半期の数字が前年同期121%の462億ドル。利益では147%の165億ドル。巨大企業としての成長率とは思えない。

各社ともパンデミックのために、世界中の多くの企業が苦しんでいる中での数字だ。Amazonは、すでに昨年も、パンデミックのためのオンライン通販が伸びた時期から、さらに成長したということだ。オンライン通販引き続き好調なことを表している。

Googleもインターネット広告の成長はパンデミックに影響受けず、成長を維持している。Microsoftも同様に、オンライン会議やクラウドの利用等のビジネスに追い風をもたらしたと思われる。Microsoftは全体に占める割合が少ないものの、コンピューター・ハードウェアのビジネスは半導体の不足に影響受けてないのだろうか。

その意味で、Microsoftよりもハードウェア・ビジネスの色が濃いアップルは、今のところ大きな影響受けてないようだ。少し驚くのはiPhoneの販売が前年比150%で396億ドルになっていることだ。最近の記事でiPhoneはシェアを落として3位になったと言う記事を見たばかりだし、9月には新しいiPhoneの販売発売が予定されているため、買い控えが怒ってしかるべきだ。しかしiPhoneの販売は伸びている。理由として考えるのは、最新のiPhone 12が引き続き好調と言うことと、高額のハイエンドが売れていると言う事かもしれない。

しかしAppleで驚くのは、その利益率だ。四半期の売り上げは814億ドルで、利益は217億ドル。利益率26.6%。ハードウェアのメーカーとしては考えられない利益率だ。これはまさにiPhone経済圏の賜物なんだろう。Googleから検索エンジン利用の契約金を受け取っているし、App Storeの販売の手数料もある。iPhoneと言うハードウェアをベースにしてその上で、様々なビジネスを組み立てた成功事例だ。これは、故スティーブ・ジョブスが、iPod事業の立ち上げで、iTunes Music Storeから、ソフトウエアの売上の手数料を取り始めた時点から始まったビジネスモデルで、ここでも彼の天才的なビジネス感覚が生きている。

ちょうど、最近彼が京都の寿司屋に残した色紙の「All good things」という言葉を見たばかりなので、より感慨深い。それは、「All good things」は、All good things come to an end.という言葉の一部だからだ。「全ての善きことにも終わりがくる」の言葉とは、違って、今の所彼の残したビジネスモデルは大きな成果をあげ続けている。

Google Sand Box

Googleは2021年に予定されていた第3クッキーの廃止を2023年まで延期した。この理由はよくわからない。想像では、Googleの新しいクッキーに代わる新しいシステムのGoogle Sand Boxのブラッシュアップと参加企業のリクルートの時間と思われる。

第3クッキーの廃止は、ユーザの個人情報保護の意識の高まりを受けて、すでにクッキーをサポートしていないSafariやFirefoxのようなブラウザにユーザが流れてしまうことを防ぐ目的がある。Google Chromeだけが第3クッキーをサポートして、プライバシーに配慮がないとなれば、シェア1位のGoogle Chromeでさえあっという間にユーザーをなくしてしまうだろう。今や、クッキーだけでなく、広告も入らないBraveのようなブラウザーが人気を集めている。

そのためにGoogleはユーザのプライバシーを保護する仕組みを必要としているし、世界最大の広告事業会社として広告配信の精度を下げるわけにもいかない。これを両立させるため仕組みが、Google Sand Boxだ。Sand Boxとは砂場であり、テクノロジーの世界ではコントロールされた環境下と言う意味となる。このGoogle Sand Boxには、Federated Learning of Cohorts(FLoC)とPrivacy Budgetがあることは知っていたが、調べてみると5つのAPIが含まれている。

Trust Token API。このAPIは、人間とボットのユーザーを区別するために使用される。

Aggregated Reporting API。このAPIはレポート作成のために使用され、インプレッション数、ビュー数、リーチ数などを、レポートにまとめることができる。

Conversion API。このAPIは、ユーザーが広告をクリックしたり、商品を購入したりしてコンバージョンしたかどうかを広告主が確認するために使われる。

Privacy Budget。このAPIにより、ユーザーデータの収集を制限する。

Federated Learning of Cohorts(FLoC)。閲覧履歴のデータを利用して、ユーザをグループ化して、広告配信のターゲッティングに利用する。個人が特定されないので、プライバシーは保護される。

Turtle Dove。このAPIは、FLoC)のターゲティングに使用される。

First Party Set。複数のドメインを、同一のファーストパーティとして宣言できるようにする。

一番問題なのは、プライバシー保護と広告のターゲティングの保護だが、Googleの説明によれば、GoogleSand Boxにより、プライバシーを保護しつつ、現行の第三者クッキーによるコンバージョン率の95%は維持できると言う。これが、本当かどうか、Googleはユーザーや広告主に、この2年の間で説明しなければならない。

4-0

サッカーU-24日本代表が、フランスに4-0で勝利した。フランス代表は、明らかに弱いと見えなかったので、日本が強くなったと言うことだ。フランス代表は、クラブとの関係で何人かのトッププレイヤーが参加できない状況で、ベストではないが、力のあるチームに見えた。時期開催国の代表が、グループリーグで敗退とは残念なことだ。

そういう日本代表も、リオでは同じだった。サッカー日本代表のグループリーグ突破はロンドンオリンピック以来だ。これからに期待が高まる。次はニュージーランドなので、これは勝てるだろう。

開会式まで様々な混乱があったオリンピックだが、開幕してみると盛り上がっている。1つは金メダルラッシュだ。メダルの個数こそ、アメリカ、中国、ロシアに次いで4位だが、金メダルの数ではずっと首位にいる。7月28日現在で金メダルが13個。期待されていた選手の敗退も相次いでいるが、たくさんの金メダルを取れている。

このオリンピックの盛り上がりに対して、多くのメディアは、「手のひら返し」と言う批判を浴びている。オリンピックの中止や延期などに対して論陣を張っていたメディアが、開幕した途端にオリンピック一色になっている。特にひどいのはテレビメディアで、感動やストーリーの大安売りだ。あの中止に向けた熱意はどこに行ってしまったのだろうか。

この理由は明確だ。普段からテレビメディアは、ウェブの追いかけメディアとなっているからだ。ウェブ上の面白い動画などを放送して、ネットで見ていない人たちに対して紹介するメディアとなっている。

オリンピックだけでなく、ネット上の一部の極端な意見を中心に取り上げることによって、コンテンツを作っている。理由は、単純にその方が面白し、興味を惹くからだ。つまりテレメディアは、すでに自らコンテンツを作り出す力を失っている。だからオリンピックが始まると次はオリンピックが生み出すコンテンツに飛びつくわけだ。

オリンピックもこの週末で中盤に差し掛かる。視聴率も含めて多くの国民に支持されていることがよくわかる。

一方で、新規感染者は増加している。しかし、リスクの高い高齢者は少ない。明らかにワクチンの効果が出ている。死亡者も減少しているので、この新規感染者数の増加自体に大きなリスクはない。そもそも検査数が増えれば新規感染者数も増えるのが当たり前だ。問題は重症者数と死亡者数だ。これが安定して少なければ、取り立てて騒ぐこともない。

新規感染者数増加を受けて、また緊急事態宣言が発出されようとしている。これについてはほとんど効果がなくなっていると考えて良いだろう。むしろ飲食店等を苦しめるだけの効果しかない。いつまでこんなことを続けるのだろうか。

ワクチンの2回接種者が既に3,300万人を超えている。低年齢や自主的ワクチン忌避者を除けば、人口の半分位に達しただろうか。変異種ののリスクはあるにせよ、コロナウィルスの危機からは脱しつつあると考えて良いと思う。

NielsenOneがクッキー後の世界を救うか?

アメリカのマーケティング調査会社のNielsenは、テレビやラジオの視聴率・聴取率を調査する会社だ。昨年12月に通常のテレビ以外にデジタル配信も含めたメディアをまたぐ調査機能としてNielsenOneを発表している。

NielsenOneは、Amazon(アマゾン)、Hulu(フールー)、Roku(ロク)、Vivio(ビジオ)、Google(グーグル)およびYouTube(ユーチューブ)を利用している企業からデータを集め、メディア接触や広告接触についての調査を可能とするプラットフォームとなっている。

そして、2023年に廃止される第3クッキー無き後のウェブ接触についての機能を追加すると発表した。

これによりNielsenOneは、第三者クッキーがなくても消費者の行動を検証するできると言うことだ。サイトのトラフィックを測定するために、匿名化されたメールアドレス、次の第三者クッキーと言われるUnified ID、プラットフォーム参加者の持つ第1者クッキーを利用して行動履歴を収集する。

ログインされていないユーザーについては、ニールソンが独自に開発した機械学習技術で、ユーザを識別し行動履歴を収集すると言うことだ。この識別には、、時間帯、ブラウザ、コンテンツ、デバイス情報、GoogleのFederated Learning of Cohorts(FLoC)グループなどを利用するようだ。

Googleに対抗しているUnified IDに参加しているが、Googleがクッキー後に採用するFLoCのテストにも参加しているのが、なんでもデータを集めるという同社の姿勢が現れている。これらデータと自社、参加企業のその他のデータを組み合わせて、より詳しいウェブ上の行動履歴の把握ができるプラットフォームとしてNielsenOneを作ろうとしている。

デジタルメディアや広告において、第三者クッキーが廃止された後、どのようなデータに基づいてユーザーや消費者の行動を把握するかについて様々な研究が行われている。まだ、答えは出ていないが、このNielsenOneがそれに対する回答になるかどうかまだはっきりしない。だが、その1つのトライアルとして注目される

Nielsenは1965年に日本に進出して、視聴率調査を開始したが2000年に視聴率調査から撤退した。現在はビデオリサーチが視聴率調査を独占している。NielsenOneを日本に導入することにより、テレビやウェブのデータを組み合わせたマーケティングデータの分野でNielsenOneが再び競争力を持つ可能性もある。

オリンピック開会式、アメリカでは視聴率低迷

オリンピックの開会式については、その担当者をめぐって様々な問題が起きた。また、実施後にもその内容について多くの批判がある。

確かに統一されたメッセージがはっきりしないようにも思え、構成もバラバラな印象がある。一部では外部に流出した演出プランの、「AKIRA」のバイクが登場するシーンなどについて、そちらの方が良かったと言う意見もあるようだ。個人的にはオリンピックの開会式は、国内向けと言うよりも、全世界向けの意味合いが強いので、一部にしかわからない「AKIRA」のオートバイと言う演出はあまり良いアイディアとは思えない。

そんな批判の多いオリンピック開会式だが、視聴率としては良かった。関東地区の世帯視聴率は56.4%で.同じゴールデンだった北京オリンピックの37.3%を大きく上回った。

しかし、アメリカでは事情が違っている。アジアのオリンピック開会式を初めて、リアルタイムで放送したNBCは、視聴率不足のために広告主に補償を出すと言う。アメリカの放送業界では、オリンピックのような大きなイベントで、視聴率を保証し、それに達しなかった場合には、広告主に広告を無料で提供することが行われている。今回は、その保証視聴率に達しなかったので、すぐにも広告を提供するようだ。だが、NBCはすでに史上最高のオリンピック関連の広告売り上げをあげているので、大した問題ではないだろう。

今回NBCは、通常の地上波放送、ウェブ・アプリや、関連会社の映像配信会社Peacockによる放送を行った。この合計の視聴者数は1,670万人で、1988年のソウルオリンピック以来の最低の数字となったと言う。ちなみにリオのオリンピックは2,650万人、ロンドンオリンピックは4,070万人と言う視聴者数だった。

リオは、ほぼ時差のない時間帯で放送されたし、ロンドンについては6時間の違いなので、どちらも放送の時間帯が良いのは事実だ。東京の倍には、東海岸でも金曜日の午前中になる。西海岸だと金曜日早朝ということだ。

ただし、ストリーミングサービスなどのデジタルの視聴者が今回は増加していることがNBCには救いだ。前回の利用と比べると21%の増加だったと言う。激しい定額映像配信サービスに参入したPeacockにとって、オリンピックが追い風になるのかもしれない。

オリンピックが盛り上がっている

オリンピックについて様々な意見があり、反対運動も来ている。反対や意見が言える日本であって欲しいと思うので、それはそれで良いことだ。

そんな騒ぎの中で、選手たちにとってのオリンピックが始まっている。期待されていたが不本意な結果に終わった選手もいる。多くの国民が期待し、その期待を背負ってのあまりのミスだから、私たちの側に問題があるのかもしれない。

しかし、日本は金メダルを5個取り、6個の中国に次いで、金メダルの数では2位だ。

昨日は、柔道で、兄弟揃って金メダルを獲得した阿部兄妹。男女のきょうだいが金メダルと言うのは日本で初めてだそうだ。卓球混合ダブルスの水谷・伊藤ペアも決勝に進んだ。26日に決勝戦のようだ。ソフトボールも次は決勝戦。どちらも金メダルへの期待が高まる。

大坂なおみ選手もオリンピックでは元気にプレイしているようでうれしい。サッカーでは、なでしこが苦戦しているが、男子は昨日メキシコ下して2連勝。久保と堂安がゴールを決めると言うすばらしい勝利だ。次のフランスを勝利して1位でグループステージを突破してもらいたいものだ。

メディアでは、連日のようにオリンピック反対の意見を言っていた人も、オリンピックが一旦始まると、選手の活躍に大拍手になっている。メディアは、他人の不幸や問題点を取り上げるのが商売だから仕方ない。だが、オリンピックは選手のものだ。オリンピックの商業化と言う批判がなされるが、選手を1カ所に集めて最高のコンディションでスポーツの大会を開くためには、誰かが費用を負担しなければいけない。それがスポンサーシップや放送権と言う形になっているだけで、このこと自体に問題は無い。お金がなければ、大会自体が存在しない。

もちろん、不要な施設、演出や装飾に多額の費用をかけることには問題があり、程度の問題だ。今回のオリンピックでも当初の計画の4倍のお金がかかったとされるが、これは多くの競技場を新設したからだ。本来の大会予算とは言えない。

新設の会場が、今後も経済的に成り立つかどうか。もし成り立つ程度の施設が作られたのであれば、オリンピックのレガシーとして意味があったことになる。

問題は、他の多くの国で起こったように、オリンピックに合わせて、巨大な施設を作り、それがオリンピック終了後に全く使われずに廃墟となり、維持のための費用がかさむと言う状況になることだ。今回のオリンピックのために新設された会場が同じようになる可能性もある。どこかで、必要な施設かどうか、適切な規模かどうかを見極める必要があったのだろう。

8年前にオリンピックの開催決定の熱狂は、コロナの前に消えてしまい、むしろオリンピックが負のイメージになってしまった1964年の大成功と日本の誇りの回復のイメージが強いからか、オリンピックは日本にとっては輝かしいブランドだ。それが大きく落ちたとも言える。

しかし、何度も書くが、オリンピックは選手のためのもので、彼や彼女が努力した結果がこのオリンピックで試されることに意味があるので、その意味でしっかり見て応援したいと思う。

眺めること、見ること、見えること

見ていても何も見ていないというのが普通だ、私の場合には。目は開いていても普通は何も見ないで歩いていることが多い。それが証拠に、知り合いから声をかけられたり、一緒に歩いている人に誰それとすれ違ったと言われて、何も覚えていないことが良くある。つまり、ただ眺めているが、何かを見ている訳ではないようだ。簡単に言うと、ボーっとしているということだろう。単に眺めているだけでは、何かを見ている訳ではない。

意識して見ることで初めて見ることができるようだ。でも本当に何かが見えるのは、もっと意識して見ないと何も見えてはいない。見るということは目の機能ではなく、脳の機能であることは知られている。たとえば網膜には視神経が集中して脳につながるための盲点があり、そこは何も見えてはいないが、脳全体で視覚を統合・補正して盲点が無いように見させているそうだ。あるいは、網膜の残像を脳で再構成して動作しているように見えるということもそうだ。きっともっとたくさんの事例があるのだろうが良くは知らない。

写真でいつもピントが気になるが、写真でピントが固定してしまうとピントの位置が大きな意味を持つ。人間の目ではピントはどこにでもすぐに合うようになっているし、脳で再構成しているから違和感は無い。写真になるとパンフォーカスで全体にピントが合っているのも、被写界深度が浅くて1点だけにピントが合っているのも、どちらも不自然というか不思議に見える。もちろん写真の表現なので、人間の見えるように撮れないし撮れていなくても問題はない。

日本ではボケが尊ばれて大口径のレンズを開放で使って浅い被写界深度の写真が好まれる。でも開放でレンズを使うと、どうしてもピントは甘く柔らかになり叙情的な雰囲気になるが、これも良いということなのだろう。最近まで柔らかい写りのボケの多い写真を量産していたが、このところはピントを深めにしようと努力している。でも夕方や夜はどうしても開放に近くなってしまい、柔らかくなってしまう。

なので写真で何かを見ようとしているわけではなく、レンズを通してボーっと眺めているということなのだ。眺めて、それが美しいと思えれば何が写っていても関係ないと思っている。一時、何も明確な形のあるものを避けてできるだけ抽象画に見えるようなものばかり撮っていたが、周りの人から意味が分からないと言われて凹んだが、そんなぼんやりとして情景が私の世界の認識なのだろう。

そんな世界を写真にしたら、ちょっと良いと言われて嬉しくなった。

オリンピック開幕

7月23日オリンピックが開幕した。コロナウィルスによる1年の延期。様々な出来事。それを乗り越えての開幕だ。開催が決まってから、8年。本当に長かった。

聖火の点灯は大坂なおみ。日本代表の旗手は八村塁。進化する日本の本当の姿を世界に送る強いメッセージをなった。

パンデミックの最中に開催することに反対する意見が多い事は承知している。しかし、こういう状況だからこそ、開催すべきだと思っていた。世界の多くの国には、まだワクチンが行き渡らず、感染者や死者が増加しているような状況にあるのは事実だ。しかし、オリンピックに限って言うと、選手や関係者はワクワクチンを接種して、毎日の検査を受けている。これによって感染のリスクは限りなく小さい。

昨年から続く地球規模の、この辛い状況を克服するためにも、オリンピックのようなイベントはあって良いと思う。残念なのは、政府が無観客の判断をしたことだ。海外からの観光客を受け入れないと言う事は当然の判断としても、国内でワクチンを接種していたり、陰性の証明書を持つ人については観客として、人数を制限した上で受け入れてもよかったのではないかと今でも思っている。オリンピックと言う一生に1度のイベントを子供たちに見せられないのは残念だ。そもそも、オリンピックを招致した1つの目的であったはずだ。世界から集まった選手が、自分の限界に挑む姿を子供たちに見せたかった。

人はパンのために生きているのではないという言葉と同じように、人は単に生き延びるためだけに生きているのではない。生きていることの素晴らしさ、人間の素晴らしさを感じさせてくれることが必要だ。それを感じさせる一つは、スポーツだと思っている。オリンピック選手は、そのスポーツ選手の頂点である。その選手たちが競い、そしてお互いの健闘をたたえ会う姿をみると言う事は、子供たちにとって、かけがえのない機会となったはずだ。

プロ野球やJリーグが観客を入れて行われている中、オリンピックだけが無観客になったのは、マスコミを含めた、ヒステリー的な反応の結果だ。どうも日本人と言うのは、一部の意見に踊らされやすい気質を持っている。何かに対して反対意見を言う自由は保証されなければいけない。ただ、その前提は一人一人が、自分の信念に基づいた合理的な判断ができることだ。一部の人が意見を、マスコミが増幅するような状況では、自由と言うことの意味が変わってしまっている。

いつの頃からか、マスコミは悪者を見つけて、それを叩くことを正義として、国民の娯楽に変えた。誰かが決めた、悪者に石をぶつけるために、多くの国民がその周りに集まる。どうしてこのように、幼稚なマスコミと国民になってしまったのだろうか。

オリンピックの開会式は無人の観客を前に、比較的抑えられた演出で行われた。コロナ下のオリンピックと言うことで歴史的はじめての試みだ。この状況にあって、オリンピックを開催し、感染症に打ち勝つ努力を続けることが、人類と日本人にとっての挑戦だ。リスクを理由に反対することも当然だろう。ただ、すでにワクチンも接種も開始され、死者が減少している中、すべてを中止して家に閉じこもると言うことでは多くの人にとって生きている意味がなくなってしまう。

政府に求められているのは、医療体制の確立とワクチン接種済みの国内向けのパスポートの発行だ。接種済みの人については、様々な活動を行えるような体制を整えることだ。それができていれば、オリンピックも観客を入れて実施できたし、飲食店も営業再開できた。一刻も早い通常の日常を戻す、ワクチン後の対策を政府に望みたい。

今日は、開会式

いよいよオリンピックの開会式当日。その前日まで開会式を中止すべきかどうかと言う議論がなされていたようだ。関係者が様々な理由で辞任したり、解任されたりする中、メディアにとっては大忙しの、おいしい話題が続いてきた。

一度、自分の口から出た事は取り戻せないので、人は発言に責任を持つべきだ。問題になった人の過去の行動や発言は、過去のこととして許されることではない。しかし、主要な関係者について調査を行わなかった組織委員会にも責任があるだろう。

相互監視社会のようなネット住民による調査も徹底しているから、どんなことでも発見されて問題になる。今や秘密や見逃と言う事はなくなったと言ってよい。エンブレム問題の時にも、そのようなネットでの話題の盛り上がりが問題をさらに大きくした。オリンピックのような注目されているイベントでは、すべての要素や関係者が徹底的な調査の対象になる。今や、全てが晒されると考えた方が良い。これは、これで正しい姿なのかもしれない。

開会式の前にすでに競技は始まっており、ソフトボール代表チームは素晴らしい内容で2勝をあげ、サッカー代表も南アフリカを降した。今日からは、世界から集まった選手たちの姿に注目して、本来のオリンピックのを楽しみたいと思う。

開催決定を歓喜で迎えた8年前から、本当にたくさんのことが起こった。そしてその決定打がコロナウイルスによるパンデミックだ。オリンピックの歴史上はじめての延期ということになり、大会予算も考えると関係者の苦労は測り知れないほど大変だったと思う。自分の経験からしても、収支を合わせなきゃいけないと言うプレッシャーは大きい。そして、そのプレッシャーが、組織内で様々な軋轢を生む。まだ、途中だが、関係者にお疲れ様と言いたい。

そんな中で、ようやくたどり着いた開会式だ。日本が世界が、本来のオリンピック、選手たちが自身の限界に挑む姿を楽しんで見られるような雰囲気に変わってくれればと願わずにいられない。

オリンピックに合わせて世界中から来日したであろう人々との交流は、パンデミックにより既に叶わないことになってしまった。しかし、メディアを通じて世界中の人々に、日本で行われるオリンピックの確実な運営を見てもらいたいと思う。

デジタル人民元の夢

日経の記事にデジタル人民元のことが出ていた。中国の10の地域で実験が開始されており、デジタル人民元の財布を開設した人は2,087万人を超えると言う。中国の人口を考えると微々たるものだが、実験として考えると大規模なものだ。

この実験は2020年の10月に深センで始まり、それが地域を拡大したものだ。デジタル人民元の使用上限は1日5000元(約85,000円) 1回2000元と言うことだ。通常の生活では普通に使える金額で実用に耐える設計になっている。

使用方法はスマホで、QRコードの決済と同じような感じだと言う。北京にいた時に、中国の紙幣は劣化が激しく、見るからに不潔そうに見えたが、紙幣を流通させるコストは中国のような巨大の国では莫大なものになるだろう。それがデジタルになると、かなりのコスト削減になる。

しかし中国政府の狙いは、別のところにあるのだと思う。一つは現金で行われる取引の把握だ。中国のビジネスでは裏金が必要となるケースも多い。すべてデジタルになれば、税金逃れの取引は不可能になる。そこに達するまではまだまだ時間がかかるが、狙いはそこにある。

それからもう一つは、デジタル人民元を世界の基軸通貨にしようと言う狙い。現在はドルが担っている基軸通貨の役割を、デジタル時代にはデジタル人民元が担うと言う目的があると思われる。「一帯一路」構想と合わせて、世界的な普及を目指していると思われる。

世界のいくつかの国では、中央銀行が発行するデジタル通貨の実験が始まっている。しかし、中国の規模で行っている国はまだない。当然デジタル化が進んでいない日本ではまだ調査段階だ。

しかし、通貨のデジタル化は止めようのない流れであり、確実に近い将来現金はなくなると考えている。

昨年来政府は、キャッシュレス決済を普及させるためにポイント還元を行い、普及に努めた。その結果、QRコード決済等のキャッシュレス決済は少し普及した。MMD研究所が2021年初めに行った調査によればスマホ決済行ったことのある人は41.2%となっている。QRコード決済の認知率は93.9%あるが、現在も利用している人は33.3%に過ぎない。

利用されているQRコード決済サービスの上位は、PayPay、 d払い、楽天ペイと言うことだスマホの普及率を考えると、まだまだ利用率は低い。

コロナウィルスによるパンデミックにより、現金を触りたくないので、なるべくスマホ決済やクレジットカードの利用を行っているが、まだ世の中全体では現金が好まれるようだ。いや、好まれると言うのは少し言葉が違うような気がする。単純に慣れの問題で、今までのように現金を使っているだけと言う気もする。

もう一つは、QRコード決済等の決済方法を導入していないビジネスも多いことだ。最近、久しぶりに切手を買いに郵便局に行ったが、現金以外では切手を買えなかった。デジタル庁創設とか言われているが、デジタル技術の導入と啓蒙については遅れているのが今の日本の現状だ。