エンターテイメントは、テレビから映像配信へ

Netflixが絶好調と言う記事が、各紙に出ている。2020年末までに会員数が2億366万人に達したという。

Netflixが2億人突破

2020年の最後の10月から12月までで、851万人の加入者を得た。これは、コロナ禍が始まった2020年の1月から6月までの6ヶ月間の2,590万人の獲得したことに比べると数としては遥かに少ないが、通常は、多くの会員を獲得するとしばらくして解約が相次ぎ、会員数右派減少すると言う一般例から外れた伸びを示した。北米市場は、近年の急速な成長で、すでに飽和してきていることを考えると、すばらしい結果だ。

「クイーンズ・ギャンビット」や「ブリジャートン家」のヒット

好調の要因は、海外での伸長とヒット作にある。ボビー・フィッシャー思わせるチェスの天才を描く「クイーンズ・ギャンビット」や「ブリジャートン家」のヒットが貢献した。「ブリヂストン家」は見ていないので、よくわからないが古い時代のロンドンの上流階級の話のようだ。「クイーンズ・ギャンビット」は、公開からの28日間で6,200万人が見たと言う。一方の「ブリヂストン家」のほうも、すでに6,300万人に見られている。

この数字は、表現するのが難しい。Netflixの契約では、デバイス数は、無限。ただし、同時視聴できる数は、スタンダードプランで2台(最大画面数2)、プレミアムプランで4台(最大画面数4)となっている。だから、家庭で、同じ画面を複数人で見ることも多いと予想されるから、視聴人数はわからない。「人」が見たではなく、「回」見られたと表記すべきかもしれない。それから、日本では何と言っても、「愛の不時着」だ。これの視聴者数もかなりのものだと思われる。

2020年の数字ではないが、2021年には1月に、フランスの犯罪ドラマのLupinは、28日間で7,000万人に見られている。2020年の好調さは続いていると言えるだろう。

Netflixは海外へ

アメリカ・カナダの市場が、この数年と2020年の前半の急激な伸びのために、すでに飽和状態にあることを見越して、Netflixは海外への投資を進めている。ドイツ語・韓国語・日本語・フランスの番組シリーズの充実を進めている。現時点でも、60%の契約者は、北米以外の海外居住者だ。

2017年に、契約者数1億人を超えてから、3年余りで2億人を超えると言う成長の結果、キャッシュフローもプラスに転じて、もはや番組調達のためのに、外部からの資金調達の必要がなくなったと言う。それどころか自社株の購入も検討され始めているらしい。

6,440万世帯は映像配信のみ

Netflixの好調さが示すように、人々は通常のテレビから、映像配信にエンターテイメントの中心を移すようになっている。大きな打撃を受けているのはケーブルテレビで解約が相次いでいると言う。すでにアメリカでは、6,440万世帯は映像配信のみを見ていると言う。

アメリカの総世帯数は、2017年時点で1億2622万世帯と言われるから、半分程度の家庭では、映像配信のみを見ていることになる。日本の状況は、まだ、ここまでいかないが早晩そうなるだろう。

advertising-based-video-on-demandも好調

映像配信には2種類あり、Netflixのような有料会員で広告なしのものと、無料で広告ありの配信サービスである。広告ありの配信サービスはAVODと呼ばれadvertising-based-video-on-demandの略だ。

有料サービスでは、Netflix、Hulu、Amazon Prime Videoなど数多くある。一方、無料のAVODも、主なところをあげても、Crackle、Tubi TV、View starなどがある。無料のサービスは、日本に進出しておらず、地理ロックのために日本からは視聴できない。

地上波テレビのネットワークも配信に注力

現時点では、90%の映像広告のための広告費は地上波テレビに向けられている。だから地上波テレビのネットワークは今のところ大きな広告費の落ち込みはない。しかし、これも広告主が実態を考慮して、資金を移したら、地上波テレビは生き残れない。このために、映像配信に対して対抗するために、地上波ネットワークは自社の映像配信サービスを開始している。

ディズニーは、すでに2019年にディズニー+で参入しているが、2020年にHuluの大株主になった。NBCユニバーサルは「ピーコック」を開始、フォックスはTubi TVを買収した。そしてバイアコムCBSは、既存のCBSオールアクセスを、パラマウントプ+として3月に模様替えする。

このように、エンターテイメントは、地上波やケーブルから完全にストリーミング映像配信に向かっており、コンテンツ制作能力のあるネットワークは自社でコンテンツを配信できるが、その能力のないケーブルテレビは厳しい状況になると思われる。