TikTokで本が売れている

TikTokと本と言う組み合わせは、およそ似つかわしくない。TikTokのターゲットは10代、20代の若者で、彼らがシェアするようなビデオは、ダンス、ファッション、クッキングやおもしろビデオがメインだからだ。今の若者は、本を読まないと言われて久しい。

TikTokに、本の紹介が入ってくると言うのは、あまり考えられない。だがしかし、TikTokで本が紹介され、結果として本が売れていると言うことだ。アメリカの大手の書店のバーンズ&ノーブルは、書店の中にTikTokのコーナーを作っている。このコーナーは人気があり、バーンズ&ノーブルによれば、TikTokで紹介されることによって、万単位で本が売れたことがあるらしい。しかし、バーンズ&ノーブルは、他のFacebookやInstagramなどのプラットフォームのコーナーは作っていない。TikTokだけだ。

本を紹介するビデオは、#booktokのハッシュタグがつけられている。投稿するのは、10代、20代の女性。ただし本の中身を紹介すると言うよりも、その本での反応について。例えば、泣いたり、笑ったり、本を投げ捨てたりと言うような紹介の仕方だ。YouTubeでたくさんあるような本の中身について紹介したり、解説するような動画ではない。

これらのビデオは、自発的に投稿されているもので、出版社等がスポンサーについて作られたものではないと言うことが特徴的だ。投稿者は、単に本を紹介するのではなく自分の動画がたくさんの見られることを意図しているので、ベストセラーや新刊の紹介が多い。

しかしここから派生して、単に泣いたり笑ったりするのではなく、良い本を紹介するようなビデオも現れて、人気を集めている。そのような本の紹介者の中には10万人を超えるフォロワーがいる人が何人もいる。

このように本が、TikTokの動画のテーマになることが増えてきたために、出版社も対応してTikTokの投稿者と契約をして、本の紹介のために金を支払うようになったという。YouTubeや他のプラットフォームでも行われている広告ビジネスだ。これは別に珍しいことではなく、Tik Tokに限らず他のプラットホームでもすでに若者向けのファッションや化粧品などのアイテムは、「案件」ベースと呼ばれる形で形を変えた広告が行われているので、TikTokではたまたま本についての動画が人気が出て、それに対して出版社が資金を投入するようになっただけだ。

ただ不思議なのは、なぜTikTokから始まったのか。それがわからない。ただTikTokでの本についての動画の人気を受けて、他のプラットフォームも同様の動きを見せ始めるだろう。