Appleのトラッキング防止ソフト

Appleは、恒例の発表会を開催し、いくつかの製品を発表した。コロナ禍を受けて昨年同様にオンラインでの発表だ

Apple TV 4K、M1チップを使ったiMacやiPad Proが発表された。前から話に出ていたAir Tagも発表されている。

この中で新しいiMacのシャープなデザインに目をひかれた。USB-Aが廃止されて、11.5mmという薄型だ。キーボードには、Touch IDも付いている。我が家のiMacも既に5年使っているので、もうすぐ寿命だから、買い換える日が楽しみだ。

しかし、このオンラインの発表会では発表されなかった新しいソフトの方が大きな影響力がある。それはiPhoneのアプリでトラッキングを困難にするソフトだ。来週からは、iPhoneでアプリを利用する際には、トラッキングを許可するかどうか聞かれることになる。これは、トラッキングを利用して広告を配信している企業には大きな影響力がある。

携帯電話のシェアは、日本ではAppleは46.5%でトップ、2位はシャープだが、はるかに引き離されて13.3% 。 以前はiPhoneのシェアが70%を超えていたが、徐々にアンドロイドが増えて今の比率に落ち着いている。AppleのiPhoneは世界で見ると25%程度のシェアなので日本は倍近く高いと言うことが言える。

その高いシェアを持つiPhoneはプライバー保護から、トラッキングを行うクッキーを規制してきた。iPhoneに搭載されている、同社のブラウザのSafariにITP(Intelligent Tracking Prevention)がすでに装備されている。何段階かのアップデートを経て、広告配信をすでに難しくしている。ITPによって、Google広告やYahoo!広告が発行する計測タグが制限されているのだ。

そして、昨夜Appleがリリースで発表したのは、新しいソフトウェアである。これが来週からiPhoneで動き始めて、iPhoneでアプリを利用する際には、トラッキングを許可するかどうかを聞かれ、許可・不許可を選べるようになる。多くの人は不許可を選ぶだろうから、トラッキングによる広告が非常に難しくなる。これはインターネット広告業界に大きな影響与える。特にFacebookには打撃となる。

しかし、だからといって致命的になると言う事でもなく、先に述べたようにiPhoneの世界のシェアは25%で影響受けるのはその部分だけだ。とは言え25%は大きく、Facebookは昨年840億ドルの広告費を得ているのでその25%は200億ドルを超える。日本の広告費が6兆円程度まで、コロナで減少したので、日本の広告費の3分の1程度が影響受けると言う事だ。大きいと言えば大きい。

Googleも2022年のクッキーのサポート停止を発表しているので、長く続いたクッキーによるトラッキングを利用した広告手法はもはや有効ではなくなる。

これに対して様々な提案がテクノロジーや広告の業界から発表されている。どのようなテクノロジーで広告のターゲッティングの精度を維持するのか皆が注目している。

Appleは広告の企業ではないので、ユーザのプライバシーを守ると言う錦の御旗を掲げれば誰も反対はできない。しかし、ユーザのプライバシーを守ると言う事以外にも、自らのプラットフォームを利用して大金を稼いでいるFacebookへの嫌悪感があるのではないと邪推する。

直線的な上昇の成長続けてきたインターネット広告だが、このような状況を受けて少し成長が鈍化するのではないかと思われる。