広告付き配信サービスに関する調査

テレビ放送は、映像配信サービスが増えて、大きく変わってきている。家庭で使っている機器は同じだが、そこには様々なサービスから映像が送られてくる。かつては、放送局から電波で送られてくる番組を受信するのみだったが、今はインターネットを通じて送られてくる選択肢が豊富にある。

広告の入らないNetflixのような定額映像配信サービスもあれば、広告が入る無料配信サービスもある。

広告が入る無料配信サービスについての調査がアメリカで、調査会社のHarrisと広告業界紙のAd-Ageによって行われた。

調査対象者の80%は広告が入る事は前提として受け入れているが、30分の番組に、広告は30秒のものが1回か2回までしか受け入れないと回答している。4回以上の広告を受け入れる人は7%しかいない。

しかし、この数年で数多く登場した広告付き映像配信サービスは、通常のテレビよりも広告が少ないことを売りにしているが、それでも、この調査対象者の期待よりも多い数になっている。例えばNBC UniversalのPeacockでは、30分あたりCMを5回、Warner MediaのHBO Maxでは30分に4回のCMが入る。これは、今回の調査対象者の期待から大きく外れている。

また広告の回数はプラットホームごとに違うが、それより問題になっているのは広告の内容だ。88%の調査対象者が、1度の視聴で同じ広告を何度も見ることを指摘している。これは、まだ広告主の数が少ないことも影響していると思われる。

広告のタイミングも、多くのアメリカ人は問題にしている。82%は番組の途中で広告が入るよりも、番組の前に入ることを望んでいる。これについては、当然のことだが、広告主は番組の途中に入ることを望むだろう。

今回の調査で、56%の回答者が広告を見るタイミングを選べれば、より多くの広告に注目すると答えている。しかしながら、広告付きの配信サービスではこれは難しい要求だろう。

別の質問では、55%が商品のサービスの割引などがあれば、広告に接触すると答えている。また53%は広告なしで番組を見るために、1度は広告に接触する用意があると答えている。これについては、プラットホームと広告主で対応して解決できる可能性があるかもしれない。

今回の調査で、明らかになっているのは、アメリカの家庭では63%が少なくとも1つの配信サービスを利用し、55%は通常のテレビも見ているということだ。そしてさらに、配信サービスを利用している人の半分以上は4つ以上の有料無料の配信サービスを利用している。

これがアメリカの今の状況だが、日本でも有料無料の配信サービスが増えていることから、多くの時間が配信サービスに奪い取られ、通常のテレビの視聴時間はどんどん減っていくことが予想される。この状況を踏まえて、広告主や広告業界は、広告付きの配信サービスの可能性をもう少し追求すべきなのかもしれない。アメリカの調査の回答にあったように、多くの視聴者は無料のサービスであれば、広告は入る事は、方法はともかく受け入れている。