赤い死の惑星と当面の危機

火星は固い岩の地表面を持った惑星だ。英語圏では赤い惑星と呼ばれるが、それは地表の地表の岩盤に錆びた鉄が含まれているからだ。宇宙から見ると錆の赤が特徴的で、地球が水の青に見えるのと対照的だ。

火星探検が成功した歴史は浅いが、何回か着陸機が火星まで到達している。その結果、火星の南極地方に氷があることが確認され、2004年には実際に着陸機が水が地表に存在した痕跡を発見している。

このようなことから、火星にはかつて海がありそこに生命も存在してたと考える学者が多い。しかし、今はそのような水の痕跡だけがあり、赤い乾いた死の惑星である。

最近発表された研究によれば、火星のケルベロス地溝帯で53,000年前に噴火が起こったと言う根拠があると言う。そして、今でも火星の火山は生きている可能性があり、また噴火してもおかしくはないとされた。宇宙や地球の歴史で言えば53,000年前と言うのは、ほんの一瞬の前に過ぎない。

知らなかったが、惑星が生命を生み出すためには火山活動が重要だそうだ。火山の活動によりエネルギー、炭素、水と栄養素が生み出され、それが結果として生命の誕生につながる。地球で起こったことが、火星でも起こったと考えるのが自然だ。火星に海があり生命がいたと言う事は、今の火星の姿を見ると想像は難しいが、もしそれが事実ならどうして海も生命も消えてしまったのか。そして、何年前に、そうなったのか疑問はいくつもある。

今の人類が地球に生息するようになったのは2万年から1万年前のことで、宇宙の歴史から言えば、ごく最近の出来事だ。ネアンデルタール人にしても、せいぜい10万年前までしか遡らない。その時代に、空を見上げたネアンデルタール人が見たのは、赤い惑星の火星なのか、それとも海を持つ青い惑星の火星なのだろうか。

人類がその歴史で、様々な病気と闘いながら歴史を積み重ねてきている。そして、今は100年に1度程度起こるパンデミックが当面の危機だ。千万単位が病気になり、百万単位で亡くなっている。これは恐怖以外でも何者でもない。

しかし、本当に恐れなければいけないのは目の前に見えることではない。かつて海のあった火星が死の惑星になるのには、何が理由であったのだろうか。その理由は、私にはわからないが、地球の温暖化が同じようなことを地球でも起こすと言うような想像はできる。地球全体が徐々に温まっていくと、ある時点で地球の回復能力を超え、急速な温度の上昇につながる。これは様々な条件で起こる現象だが、臨界点を超えると、もうその先は一直線に究極まで止まらない。等比級数的に温度は上昇せず幾何級数的に上昇していく。最後はほんの短い時間で、地球の大気や水に大きなダメージを与え、火星のように干上がってしまうと言うようなシナリオも考えられる。

私たち個人の時間の感覚よりもからすると、長い時間がかかるが、遠くない未来の話だ。宇宙の時間からするとすぐのことなのかもしれない。宇宙にもう一つ赤い惑星が誕生する時だ。

当面の危機の新型コロナウィルス感染症は11月に入って急速に悪化してきた。日本では、また昨日11月21日に新記録を更新し、1日で2,595人の新規感染者が発生している。アメリカでは1日198,000人とほぼ20万人と言う単位になってきた。世界では1日で65万人を超えている。

ファイザーとモデルナのワクチンが、12月から主に医療従事者と高齢者を対象に、アメリカでは接種が始まると言うニュースが昨日発表された。これが唯一の頼みの綱であり、日本でも1日も早く接種が始まることを希望している。が、それは多分日本では、来年後半でまだまだ先の事だ。それまでにどれだけ感染が広がり、犠牲者がどれだけ出るのかわからない。

当面の危機対応と長期的な地球の危機への対応を求められている。