IOCの公開した映像、「Stronger Together」

オリンピックの開催の是非が政治問題化している。確かにリスクを最小限にすると言う意味では中止をすると言う判断も理解はできる。しかしそれで良いのだろうか。

4年に1度のオリンピックを目指して努力を続けてきた選手たちにとって、参加できるかどうか大きな問題だ。加齢に伴う体力の衰えなどのために、3年後のオリンピックには出られない選手も出てくるだろう。オリンピックに出場するレベルまで、自らを高めるという努力は、想像を絶するものがあると思う。だから、選手は機会を与えられるべきだ。

個人的には無観客での実施が良いと思っていたが、最終的には組織委員会や政府は、会場のキャパの50%あるいは1万人と言う制限の中で観客を入れることにした。確かに、他のスポーツの試合では、既に観客を入れて行っているので、オリンピックだけを無観客にすると言う理由は無いだろ。

ワクチンの接種証明書があれば、会場に入れると言うようなシステムが導入できれば良いのにと思う。ワクチンの接種証明書自体が、まだ発行できない。わが国のデジタルの施策のほとんどが何も機能しないまま、ほとんどが人力で行われいる。しかし、高齢者だけに接種が留まっている現状では、証明書が意味を持たないのは事実だ。

日本の経済停滞から30年、何もかもが止まったままだ。この国の未来に対して不安な気持ちはだんだん大きくなってきた。

新規感染者数が、全国レベルで1000を切るまでに減少した。ワクチンの接種は、6月22日で2,315万人となっている。あと1ヵ月でどの程度進むのだろうか。昨日が40万人程度なので、同じように進んでいくとすれば、オリンピックの開会式の頃には3,500万人程度、つまり子供を含めた全人口に対して25%程度となる。集団免疫を獲得できると言う70%までは程遠い数字だ

そんな中、IOCが、オリンピックに向けた新しいコマーシャルを公開した。「Stronger Together」と題された、その映像にはウサイン・ボルトや大坂なおみが登場する。今回からオリンピック種目になったスケートボードのレジェンド、トニー・ホークも顔を見せている。

映像の最初に空っぽのスタジアムが写って、昨年のパンデミックによる延期を表現している。その後様々なアスリートが登場して練習したり、一般の人がスポーツをする様が写し出される。見ていると、意味がわかるし、スポーツの良さや楽しさが伝わってくる。だが、コロナ禍と戦う世界の現状を見ると、素直に感動にしてるのは難しい。

カナダのHulse & Durrellと言う会社が作った映像は素晴らしく、感動的だ。だが、見るこちら側に、素直に受け入れる気分がまだできていない。コミュニケーションとはそのようなものだ。

ともかく、あと1ヵ月で開会式だ。2013年の開催決定から8年が過ぎた。あの日の感動は忘れられない。最初に考えたのは、その前年に亡くなった父の事だった。1964年に父の肩車から聖火リレーを見たことを思い出し、父が存命だったらオリンピックの決定をどんなに喜んだろうと思っていた。