Summilux 35mmの第一世代

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このレンズはライカのレンズとしても有名で毀誉褒貶が激しい。その滲みや収差、フレア、ゴーストのためにくせ玉として嫌う人のいる反面、好きな人には堪らない味のあるレンズである。

私はその後者で、きれいにすっきり写るよりレンズを通した雰囲気が写真だと思っているのでズミルックス35mmの第一世代の写りはまさにつぼ。初めて使って現像が上がってきた時の感激は忘れられない。それまで使っていたニコンのカメラの写真とはまるで違う写真がそこにはあった。夜の光の滲みや収差、全体を漂う柔らかな描写。一発でノックアウトだ。

私が手に入れたズミルックス35mmは無限ストッパーがついていないので初期型ではない。シリアルナンバーから見ると1985年の製造のようだ。手持ちのライカの資料によれば、1967年から1995年までに28,350本ほど製造されたようだ。第一世代の前期型は、1960年から1966年に7,500本だけ作られた。しかしどちらも変形ガウス型の7枚構成で同じだが、前期の方がより特性が顕著で無限ストッパーがあったりフードが違っていたりで、人気が高く中古価格も希少性もありはるかに値段が高い。

レンズのような精密機器で35年にわたり、同じ構成とデザインで作られた商品というものは他に例がないと思う。もちろん細部では様々な改良はされているのだろうが、構成と外見上は大きな差はない。それだけ嫌いという人がいる反面、好きな人が多く、確立された人気があったのだろう。

ある時、フォーカスのレバーがポロリと外れたことがあった。本当なら修理に出してきちっと直すべきではあるが、一生使おうと思っているから、価値はどうでも良いので自分で瞬間接着剤で直してしまった。ちょっと液漏れで汚くなったから売却しても価値はあまりない。でも大した問題ではないと思っている。なぜなら売り気はないからだ。それにきれいなレンズを使いたいのではなく、あの写りのレンズを使いたいだけだからだ。

そういう意味で中古で買う際の、中古の程度の美品とか実用品とかあまりこだわりがなく、レンズに曇りや傷、カビがなければ何でもよいと思っている。実際、所有している機材はきれいなものではない。