投資はよく分からない

昨年から始まった新型コロナウィルスによるパンデミックの影響で、世界経済は大打撃を受けている。特に航空、ホテル、旅行、飲食に関係する会社は大きな赤字を出している。一方でパンデミックによるロックダウンや外出自粛で需要が促進された結果、好調な会社がないわけでもない。例えばオンラインによる各種のサービスやECなどがその代表だ。

同時に、景気の悪化を恐れる各国政府が大幅な金融緩和に踏み切って、市場に金余りの状況を生み出している。

それが理由なのかよくわからないが、アメリカでも日本でも株式は一時的な下落の後、急速な上昇を続けている。アメリカのS&P 500種は過去最高を更新しているし、日本の株式も日経平均が2021年1月にバブル以降の30年5ヶ月ぶりの高値を付けた。

このような投資のバブルの状況が、コロナ禍と平行して進んでいる。

もちろん、これは一部の富裕層のことであるが、パンデミックのために使えない資金を持つ一般の人も、2020年の春の一時的な値下がりから急速な回復をしている株式市場に、資金を投入し始めていると聞く。

アメリカで、資金が向かったのは、ミーム株式と言う一時的にインターネットでもてはやされる株式であったり、SPAC、特別買収目的会社の株式、ビットコインのような暗号資産、NFTと呼ばれるブロックチェーンを利用したデジタル投資だ。

これらはどれも、リスクの高い投資で、どちらかと言えば投機と呼んでいいのかもしれない。

ミーム株式という、株式のブームを引き起こしている1つの要素は、Robinhoodと言う株式取引アプリだ。取引の手数料が無料のこのサービスで、若者や新規の投資家も、様々な投資を簡単に行える。さらにRobinhoodの取引が危険なのは、巨額のレバレッジが投資家に与えられることだ。

これにより特定の株式が一時的に急上昇、急降下することが起こっている。ごく最近も休業を続け、営業不振の映画館チェーンAMCの株式が、ソーシャルメディアの話題をきっかけにして急上昇した。

ミームとは、「利己的な遺伝子」を書いたリチャード・ドーキンスが、遺伝子が人間の情報を次の世代に伝えるように、文化が人から人へ伝わることを表現するために作り出した造語だ。インターネット時代になって、ソーシャルメディアなどを通じて急速に人から人にアイデア、行動やスタイルが伝わっていくことが、広い範囲に起こる現象を説明する言葉になっている。このインターネット・ミームによって、特定の株式が話題となって多くの人が、手持ち資金だけでなく、巨額のレバレッジをかけて購入する結果、実体のないところで一時的に株式が急騰することが何度も起こっている。

SPACについては、投資の素人である私にはあまり理解できない。ネットでは空箱企業とか博士小切手企業と書かれていたりするが、お金を集めて買収するための企業なので、それに投資を行う論理がよくできる理解できない。しかしパンデミックの最中にSP CAの投資のブームが起きている。

 NFTのほうは、まだ多少は理解できる、簡単に複製できてしまうデジタルの作品について、ブロックチェーンで唯一性を保証することによって、投資する価値が生まれる。これを収集することが投資として可能になった。なぜなら世界に一つしかないものは、世界中のたった1人の欲しい人が入れば売却は可能だからだ。

ただこのNFTがもてはやされたのは、パンデミック中の暗号通貨の急激な値上がりからの類推で、同じブロックチェーンの技術だからと言うことも影響してる。ただ、このNFTもピークは5月ごろで、その後は価格は下降に転じていると言うことだ。

現在のコロナ禍の進行と同時に起こっている投資ブームがいつまで続くのだろうか。欧米ではワクチン接種の進行とともに、生活は日常に戻りつつある。この状況の中で、経済の回復が見込まれると、空前の投資ブームはどうなるのだろうか。経済回復を見越してさらに投資が進むのか、あるいは投資に向かっていた資金が別の方向に進むのか、これは誰にもわからない。以前誰か書いていたが、「投資は経済ではない」と言うことだ。