パンデミック時代の消費者の意識

昨年から続くコロナ禍も1年半になる。第5波がやってきて、全く終わりが見えない状況だ。しかも、この波は今までより大きい。もうそろそろ収束してほしいものだ。

このような環境下で消費者の意識はパンデミック以前とは大きく変わっていると考えられる。厳しいロックダウンの行われたアメリと日本では状況は違うが2021年の2月・3月にアメリカで1,004人の成人を対象として行われた調査は、日本においても参考になる。調査は、マーケティング調査会社のVericastがおこなったものだ。

この調査結果には、マーケティング活動のためには4つの発見がある。

 1. 慎重な楽観主義を持つようになった消費者に適切なメッセージを発信する。

 2. マーケティングメッセージにおいては個人の健康や安全の意識が高まっていることを意識する

 3. 消費者が人生の意味や社会の連帯を強く意識付けられた状況考えて、メッセージも社会性を示す

 4. 消費者を中心に据えた、新しい店頭ショッピング経験を開発する。

以下は、その詳細。

1. 慎重な楽観主義を持つようになった消費者に適切なメッセージを発信する。

Vericastの調査では、回答者の68%が気分を高めてくれるメッセージを好むことが分かった。特に、X世代(1960年代中盤から1970年代終盤に生まれた世代)とその親世代では73%だ。明るく楽しい、元気のでる情報発信が必要だ。また、ユーモアのある広告を好む人の割合もほぼ同時なので、ユーモアのある広告が良いと考えられる。

61%の消費者は、家族や友人の勧めで店頭での買い物を、70%の消費者は地元企業を支援する広告に関心を持っている。これは、パンデミック当初に比べて大幅に増加している。地域社会に対する人間的なつながりの意識がが高まっていることをメッセージの開発では留意することが必要だ。

2. マーケティングメッセージにおいては個人の健康や安全の意識が高まっていることを意識する

個人の健康と安全が、重要な関心事。屋内活動においては、これを特に考慮する必要がある。コロナ対策や予防措置を強調する必要があり、より安全な環境の提供を強調する広告が効果的。

特にレストランでは、持ち帰りやデリバリーを注文する傾向が高い(63%)ため、デリバリー対応が必要。しかし、年代別では、両親(61%)、ミレニアル世代(1980年から1995年の生まれ)の両親(60%)、Z世代(97年以降の生まれ)(48%)は、レストランでの食事に満足している。しかし、全体としては、レストランに戻ることには全体的にまだ警戒心がある。

考察 全体的に、健康と安全が時代の流れである。ミレニアル世代の64%、両親の70%、ミレニアル世代の両親の72%が、健康と安全に焦点を当てた広告に興味を持っている。

3. 消費者が人生の意味や社会の連帯を強く意識付けられた状況考えて、メッセージも社会性を示す

パンデミックを経て、人生の意味を再評価する中で、消費者は大きな社会的共感を意識している。52%もの回答者が、購入するブランドが自分たちの価値観と一致していることが重要だと答えている。

ミレニアル世代の親のうち72%が、環境に配慮した取り組みを共有しているブランドや店舗、あるいは持続可能なビジネスをおこなっているブランドや店舗に対してのロイヤリティーを持つ可能性が高くなっている。

つまり、消費者は地元で買い物をしたいと考えており、苦難を乗り越えてきた店やレストランに貢献したいと思う一方で、環境への配慮がある、社会的良識を持つ企業から購入したいと考えていることが明らかになった。

4. 消費者を中心に据えた、新しい店頭ショッピング経験を開発する。

消費者は、店内や屋内に不安を感じている。ただし、ショッピングだけは例外で、必要と考えている。例えば、買い物客を安全に誘導する人員を配置したり、QRコードやAR体験、何かに触れなくても買い物ができる環境を用意するなど、店舗は新たな、安全性に配慮した店頭の仕組みを検討すべき。

しかし、それに止まらず、パンデミックの後、人々は割引をより意識するようになると考えられている。調査回答者の5人に4人以上が、食料品を購入する際に最も重要なのはコストであり、価格の安い店で買い物をすると答えている。また、半数以上の人が「セールがあれば衝動買いをする」と答えている。

重要なのは、昨年ブームになったオンラインショッピングが、ピークに達した可能性がある。私たちの調査では、室内でのショッピングは、快適さの点で他のほとんどの室内活動よりも優れた結果(49%)を示している。また、74%の人が、匂いや手触りを感じられる商品の購入を好む。オンラインでの食品の買い物は、2020年の29%に対し、2021年は18%と実際に減少している。

この調査結果から、消費者は安全や社会性を意識しつつも、パンデミック以前の買い物やレストランでの食事に回帰したいという願望が強いことがうかがわれる。

これが、日本の状況と同じでは無いと思われるが、参考になる部分はあると思う。

ビルディングの朝陽

TikTokが訴える?

TikTokがアメリカ政府を訴えるらしい。らしいというのはまだ「訴えた」と報道はないからだ。

このところ、TikTokのニュースが多いのは2つの理由がある。一つは、安全保障を理由に民間の経済活動がどこまで制限されるのかということ。これについてはファーウエイも含めて、中国企業が特殊ということがあるのかもしれないので特例と言うべきかもしれない。中国企業は中国の安全保障の法律で全ての情報を国家に開示することを義務つけられている。この点で純粋に民間の経済活動とも言えないのかもしれない。昔から

同様の経済活動の制限はあることにはある。古くは東芝のココム事件などがある。

もう一つは、インターネットはグローバルという幻想だ。グローバルであるがゆえにアメリカのインターネット・プラットフォームは国境を超えて活動し、世界を相手に莫大な利益を上げている。デジタルビジネスの増収逓増の法則により利益額は急上昇して、ローカルの同様のビジネスを駆逐してしまう。ヨーロッパでも日本でもどこでもアメリカ発のプラットフォームに対抗できるビジネスは育っていない。例外は、中国だ。Facebook, Twitter, YouTube やWhatsAppは中国では活動できない。その空白地帯に同様のサービスを中国の優秀な技術者が開発したビジネスが巨大な人口を相手に活動している。中国の技術者がアメ以下のサービスの真似をしていると行っているわけでは無い。逆もある。中国のサービスを世界各国の技術者がコピーして起業するケースもあるだろう。言いたいのは、中国のマーケットを鎖国して自国のサービスを育てることになっている。主な目的はイデオロギーだろうが、結果はそうなっている。これはかつての日本もそうだった。高い関税や非関税障壁により自国の産業の保護を行なっていたが、それはもう過去になった。中国は、インターネットビジネスについても同様なことを結果的に行なっている。これに対してトランプ政権が、個人情報保護を理由に同様なことを行なっているのか、意図は不明だが、インターネットも自国保護主義に向かうきっかけかもしれない。 インターネット=グローバルという幻想がいつまで続くのか