「マツモトキヨシ」商標拒絶は問題あり

色彩による商標のことを書いたら、今日の日経に「氏名」を含む商標についての話が出ている。

特許庁が拒絶

これはドラッグストアのマツモトキヨシホールディングスが、CMソングの一部を音の商標として登録しようとしたところ、「氏名」が含まれているので、特許庁が拒絶したと言うニュースだ。

音の商標は色彩のみの商標と同じように、2015年から日本では導入されている。すでに登録されているところもあるが、マツモトキヨシもあのCMでよく聞くフレーズの「マツモトキヨシ」を登録しようとしたところ、「他人の氏名を含む商標であって、かつ、その他人の承諾を得ているものでないと登録できない」と言うことが理由になっている。

氏名は登録できない

ドラッグストアのマツモトキヨシは創業者の松本清氏に由来している。同氏は、有名な方で、マツモトキヨシを創業した以外にも松戸市長になり、「すぐやる課」を作ったと言うことでも知られている。ただ、全国には同姓同名者が相当数いることが、拒絶の理由になっている。

前澤友作は登録済

この記事で初めて知ったがZOZOの創業者の前澤友作氏の商標は漢字やローマ字でも登録が認められているそうだ。それから、タケオキクチやヨージヤマモトと言うファッションデザイナーの名前は、商標として登録されている。しかし、これ以降の新しいデザイナーの名前の登録はされない。どうも基準がよく分からない。これらが認められるのであれば、「マツモトキヨシ」も認められるべきと感じるが、特許庁の判断は一貫していないと言わざるを得ない。一般への認知という面では、上記の3人の名前よりも、マツモトキヨシは、ドラッグストアの名称としてはるかに高い認知率を得ていて、個人の氏名よりも店舗として知られているので、むしろ、こちらが認められるべきと考える。

音のみの商標

今回の話の主旨とは直接関係なくなるが、音のみの商標はすでに多数が登録されている。有名なものでは、大幸薬品のラッパの音、インテルのピポピポという音、BMWのCMの最後の音などが代表だ。

今回、マツモトキヨシが登録しようとしたのは、音のみの商標ではなく、言葉とメロディーの組み合わせと思われるが、その例は、大正製薬の「ファイトイッパツ」や久光製薬の「ヒ・サ・ミ・ツ」などの例がある。マツモトキヨシの拒絶の理由は、メロディーは問題ないが、そこに含まれる言葉が、「氏名」だからだということだ。もう一度書くと、他が認められて「マツモトキヨシ」だけが認められないと言うのは少しおかしい。