キャラクター大量制作業の夢

アメリカの映画業界、ハリウッドでは、映画制作において一から作品を作り上げるのではなくて、すでにあるコンテンツをベースに映画に仕立てることが多い。これは映画の制作費が高騰し、リスクを軽減するだ。

 既に知られた、そして既にファンが存在するコンテンツに依存しているのだ。その素材は、コミックブック、テレビアニメ、クラシックな童話、玩具、 ゲームなど人気のあるものなら、何でも利用していると言ってよい。

もともと映画とは、そういうものなのかもしれない。以前は小説の映画化が中心であったものが、単にそれ以外に広がっただけと言う言い方もできる。

映画のコンテンツの著作権をめぐる法廷闘争の多い、ハリウッドでまた新たな訴訟が開始された。

マーベルコミックのキャラクターの創作者たちが、マーベル社、つまりディズニー社に対して、著作権を取り戻すことを目的とした訴訟を起こしたのだ。原告は、多くのキャラクターの創作者とその遺族である。今回対象になっているキャラクターは、ドクター・ストレンジ、ブラック・ウィドー、ホークアイ、キャプテン・マーベル、ファルコン、ブレイド・ウィザードなどである。いずれも、マーベル映画のドル箱キャラクターである。これらの著作権が原告に渡ると、ディズニー社は大きな打撃を受けることになる。それぞれ莫大な利益を見出している映画の主人公たちだからだ。

この著作権の取り戻しの根拠になっているのはアメリカの著作権法の規定だ。その規定は、著作権を売却しても、一定期間を経た後では、それを創作者が取り戻すことができると言うことになっている。この規定に基づいて、著作権法専門の弁護士が、マーベルのキャラクターの創作者とその遺族の代理でマーベル社を訴えた。

この訴訟の結果はまだわからない。しかし著作権に関する法廷闘争については、百戦錬磨のディズニーの弁護士は、著作権法の別の規定で、雇われて指示を受けて創作した場合には、この取り戻しの対象にならないと言うことをベースにして反論するようだ。日本でも特許に関して、特許が個人か会社に帰属することが争われ、その結果、職務発明の規定を含むように、特許法が改正された。このアメリカの著作権法の規定と同じ考え方だ。

アメリカの著作権法の想定する売り渡した後の著作権の取り戻しに関して言うと、会社とは別に独立して創作したコンテンツを、その後契約により会社に売却したケースに適用されると読める。

だから今回の、訴訟の争点も、ドクター・ストレンジなどのキャラクターの創作者たちが、会社から独立して、創作し、契約により著作権がマーベルに帰属したのかどうかが争われることになる。

このような訴訟を避けるためには、自らキャラクターを生み出すことで、訴訟を避けることができる。しかし、それは多額の費用と時間がかかり、かつ成功の確率も低いと言うことで、やはり既に人気のあるキャラクターを採用したいと言う気持ちはよくわかる。ハリウッドのスタジオが、このように外部のコンテンツに頼ったり、有名スターの出演にこだわるとは、やはり多額の費用がかかる映画制作のリスクを軽減するための戦略だ。

しかし、考えてみれば、元になるものは誰かが制作している。それができるのは、投資金額が少なくて、リスクの低いフォーマットになる。例えば、漫画が良い例だろう。そういう意味で、日本の漫画やアニメの業界は、今でも多くの作品がハリウッドに売られている。だから、それを目的として大量にコンテンツを作っていくと言うビジネスモデルはどうだろうかと夢想した。大量にキャラクターとストーリーを作って、ネットで公開して、ハリウッドに売り込むのだ。でも、ヒットしていないと買ってもらえないから、それは今と同じという結論か・・・