YOLOエコノミー

今まで会社員や安定した仕事を持っていた人が、コロナ後の生活に向けて新しいことを始めるケースが増えたということだ。楽な安定した職を捨てる事は、大変な決断だと思う。しかし、ワクチンの接種が始まったアメリカでは、多くの人が転職したり、起業したり、作家などの自由業を目指したりしていると言う。

背景には、たくさんの要因がある。この1年のリモートワークで職場から離れて働く自由を満喫してきた。1年間の自粛生活で、あまりお金を使わず、貯金ができた。ある程度の資産を持っていた人は、株式市場やその他の金融商品の予想もしない上昇で資金を得た。起業するための、金利は、コロナ禍でさらに下がった。

転職や起業だけでなく、仕事をせずに、本当にやりたいと思っていたことに挑戦するすると言う選択に。かなり有利な条件が、このコロナ禍の中で整ってきていた。

単に転職と言うケースもあるが、かなりリスクを伴うような起業や、挑戦を始めるケースも多い。このような風潮のことを、アメリカではYOLOエコノミーと言うらしい。YOLOは『You Only Live Once』の頭文字で、リスクを取って新しいことを始めるようなことに対して使われるらしい。

新型コロナウィルスのために、アメリカでは60万人近く、世界では300万人以上が亡くなっている。このような状況で、明日自分の身に何が起きるかを考えたときに、自分の人生、自分の本当にやりたいことを考えた人が多かったと言うことなのだろうか。外出もできず、家に閉じこもって1日中ZOOMの会議で追われる日々。ストレス解消もできず、高まる不満と不安感が、急激な変化を求めたのだろうか。

このような状況で変化を求めると言う事は、ある種の燃え尽き症候群とも言えそうだ。そもそも、アメリカでは、転職は当たり前のことだし、起業する人も多い。アメリカの全労働者のうち40%はフリーランスとも言われている。日本とは労働市場の構造自体が違うので、同じようには比べられない。日本では幸いなことに、死者はまだ1万人に達していないし、転職・起業の増加と言うことを聞いてはいない。

少しニュースになったのは、大企業が都心のオフィスを売却したり、関連して多くの人が都心から、求められれば通勤が可能な2、3時間の距離にある住宅に買い換えると言うような動きがあると言うことだ。

そもそも、労働市場が違うので、いきなりYOLOエコノミーといっても日本では成功する確率を低いから、そのような決断をするをする人が少ないのかもしれない。あるいは、今回のコロナ禍で、単に自粛を求められて、忠実に従っている国民性とYOLOの決断は合わないかもしれない。

ただ、自分の人生について考え直して、本当にやりたいことを見つけ、それを始めると言う事は決して間違ってはいない。間違っているとすれば、燃え尽き症候群や自粛の欲求不満で衝動的に新しいことを始めてしまうことだ。

何かYOLOエコノミーと言うとファッションのようにも感じてしまうが、そのようなレッテルを貼るのではなく、このコロナ禍の中で、自分に向かい合い、人生を考えると言うことであればYOLOは意味があると思う。