ビットコインと、NFTと、マチュピチュ

ビットコインの価格が乱高下を繰り返している。一時は60,000ドルを超えていたものが、今は38,000ドル程度。このように乱高下を繰り返すものは、通貨とは呼べないと言う意見もある。ほんの一年ほど前には、10,000ドル程度だと思うが、それが一気に6倍にもなったのだ。

ビットコインは、通貨ではなく、投機やギャンブルの市場と考えれば良いのかもしれない。お金があれば買ってみるのは面白いだろう。株式市場も同じだが、人々が見ているのは期待値であって、現在価値ではない。デジタルであることによって、将来価値が上がるのではないかと言う多くの人の幻想をそこに見る。

NFTも同様だ。Beepleのデジタル絵画が、約7,000万ドルで3月に落札された。これがすごく話題になったが、これ以外にもたくさんのデジタルで作られたものが販売されている。デジタルなので、無体物だから、「もの」と言って良いのかよくわからないが、結果的にできたデジタルの動画や絵画だ。最近、オークションでYouTubeの動画が販売された。価格は約76万ドルだ。2007年に話題になったイギリスの2人の幼児の動画だ。この動画は、「チャーリーが指を噛んだ」とタイトルされている。父親が2人の息子を撮影し、名付け親である知り合いに見せるためにYouTubeでプライベートモードで投稿したものだ。親類も含めて見たい人が増えたので、パブリックに公開した変更したところ話題になった。その再生回数は、9億回に達したと言う。

オークションで落札されたのでYouTubeからは現在は外されている。残っているのはオークションの告知用のものだけだ。これももうすぐ消されるのだろう。オークションのサイトはこちら。しかし、デジタルなので複製されたものが、今でも世界中で見られる。

落札者は、オリジナルのデータを所有していると言うことがNFTで証明される。デジタルで複製されたものを所有すると言うことの意味がよく分からなかった。しかし、ビットコインのように将来価値が出るものとして投資をすると言う様に考えて、やっと意味が理解できた。落札者は、有名な歴史的な価値があるデジタルの動画を「所有」していると言えることに意味がある。フェルメールを持っていることと同様ということだ。

今やNFTで販売されているものは様々なものがある。その1つは、Super Worldと言う会社が販売している仮想不動産だ。この会社は、現実の地球を640億の仮想不動産物件として分割した上で、1区画を約250ドルで販売している。既に何千もの物件が売れていると言うことだ。特に人気が高いのは有名な建物や名所の物件だそうだ。エッフェル塔やローマのコロッセウム、ニューヨークのマンハッタンのタイムズスクエア、ロンドンのPiccadilly Circusは既に売却済みだと言う。

この250ドルで販売されている仮想物件は、現実世界を100メートル× 100メートルで区切っている。購入する人は、1人2000ドル程度を使っていると言うことだ。つまり、何区画も同時に買っている。

昔、月の土地を売ると言うビジネスがあって、購入した人がいた。それは洒落を理解して買っただけであり、現実的な投資ではなかったはずだ。

しかし、このSuper Worldは本気でビジネスをしようとしているようにも見える。それはビットコインが最初は0.0008ドルだった価格が6万ドルまで値上がりしたことを知っている我々が、この仮想空間の土地も将来値上がりするかもしれないと言う投機心を煽ってビジネスしている。彼らのウエブを見ると、今ならマチュピチュも255ドルほどで購入できる。

このように見ていくと、NFTへの関心がエネルギーになって、バブル化している。それが、人々の投機心を煽っている。

実際にビジネスとはそのようなもので、人が買えば、また誰かが買い、それが続くとバブルが発生する。しかし、マチュピチュを購入したところで、そこに住めるわけでもないし、いつか誰かが気がついて、バブルが崩壊するか、Super Worldだけが仮想の地球を販売できるわけではないので、同様のビジネスが乱立して、Super Worldの販売している仮想物件の価格が無価値になると言うシナリオもある。

ともかく、デジタルへの関心があまりにも高く、ビットコインのことを考えると同様のことが起きると想像する人がたくさんいるようだ。