夏のYouTube再生回数

YouTubeの全世界の月間利用者数は24億人。ただしこの数字は、2019年9月の時点のものなので、コロナのステイホームを考えると今はもっと増えているかもしれない。Facebookの24億人には及ばないがそれでもすごい数である。国内ではやはり2019年のデータで6200万人が利用しているということだ。

他の調査でYouTubeには1分間に5400時間分の動画がアップロードされていると言うことなので、YouTubeには、バリエーションも含めて無限のコンテンツがあると言える。

2020年10月の時点のチャンネル登録者数で1位はキッズラインで1210万人、2位ははじめしゃちょーで896万人、3位はせんももあいしーで884万人、4位はHikakinTVで872万人、5位は、フィッシャーズで652万人。6位のTravel Thirstyが578万人、7位の東海オンエアーが556万人だ。それぞれのチャネルの再生回数も何十億と言う単位の膨大なものになっている。1番再生回数が多いフィッシャーズは105億回を超える。

この数字だけ見ると既にそれぞれのチャンネルは、マスメディアだ。テレビの視聴率が低下したり、新聞の部数が減少しているのは、時間がYouTubeのようなインターネットのサービスに取られているからだ。雑誌とラジオ含めて4媒体と言う20世紀型のマスメディアは苦しい状況になっている。2019年にはインターネット広告がテレビ広告を追い越して最大の広告メディアになっている。スマホの普及とともに10代や20代では、4媒体の接触が低下してインターネットがメインのメディアになった。

YouTubeには様々なチャンネルや動画があり、テレビに変わってメインの動画の娯楽となってきている。登録チャンネルの上位は大体固定化しており、強い視聴者の基盤を持っていることがわかる

この夏の7月から9月の再生された回数のチャネル毎のランキングでは、1位が東海オンエアで、2位がフィッシャーズだ。3位にパ・リーグTVとなっている。

東海オンエアは、春の段階でも再生回数1位をとっていたので、人気が安定していることがわかる。フィッシャーズは、累計の再生回数でも105億回と1位だが、この夏でも2位となっている。

ちょっと意外だったのは3位のパ・リーグTVこれを見ると、YouTubeというのが単に若者の娯楽チャネルと言うことではなく、もっと広い年代の人のものであるということがわかる。

野球のファンは若年層から高年齢層まで幅広いので、パ・リーグTVが上位に来ると言う事はYouTubeのその基盤の広さの証明だ。

パ・リーグTVの7月から9月の再生回数も1億6000万回でこれはフィッシャーズとほぼ同じで、わずか200万回以下の差で3位になっている。

パ・リーグの試合のダイジェストやハイライトが投稿され、回数は1週間の平均は80本と言うことだ。他のチャネルと比べても、回数が多い。当然それは7月から9月はシーズン中で、試合もたくさん行われているから当然とも言える。しかし、試合は有料も多いので、見られなかった分や、さらにテレビでも見ているが、編集されたハイライトに多くの人が惹きつけられていると言う事になる。

これを見ると、テレビとは全く違う動画のエンターテイメントの形が見えてくる。これからのエンターテイメントは、既存のメディアとYouTubeなどのインターネットをどう組み合わせるかということが非常にポイントになる。

ちなみに7月から9月の動画1本の再生回数の1位は米津玄師のTBSのドラマMIU404の主題歌の「感電」で、回数は8022万回で圧倒的なトップだ。これは、この現時点での米津玄師の魅力を反映しているが、音楽のビジネスもかつてのレコードやCDと違い、YouTubeで無料で提供し広告収入で儲けると言うような仕組みになっているのだろうか。

いずれにせよYouTubeと言う巨大な配信システムができたことにより、6200万人にものぼる日本全国の人に動画でコンテンツを提供できるインフラが誕生している。そして、そこで活躍する新しいタイプのエンターテイナーやコンテンツ・クリエイターを生み出し続けている。テレビ局は全国ネットと言う形で、日本全国に映像提供することができたが、そこに参入するためには、テレビ局の方針など様々な関門があったわけだ。YouTubeにおいてはそのようなものはない。そしてテレビの全国放送に匹敵するユーザが存在するので、そこでの可能性は無限だ。フィッシャーズや東海オンエアーのように膨大な登録者を得ることもできれば、ロングテール的にごく少数の人に受け入れられるコンテンツも共存できる。

これは、YouTubeのコンテンツがほぼ無限に収容でき、オンデマンドで提供できる強みだ。これは1日24時間の時間と広告主を前提とした視聴率と言う縛りのあるテレビ局にはとてもできないビジネスモデルである。