Appleのプライバシー保護や安全なインターネットという思想

アナウンスされていたiOS 14.5が27日2時にリリースされた。

この新しいバージョンでは、いくつかの機能が追加されている。最初に、すぐに欲しいと思った機能は、マスクをつけたままロックが解除できることだ。しかし、これはぬか喜びに終わった。ロックの解除の条件としてApple Watchをして、Apple Watchのロックが解除されていることが条件だった。運動用にはFitbitの小さいサイズのものを使っているので、このマスク着用のロック解除では使えない。Apple Watchのあのサイズと時計感が、どうも好きになれないのだ。

また、SiriからApple Music以外の音楽をかけることができるというのは、Apple Musicを使ってないので利用は可能だが、これも、iPhoneでは、なるべく音楽を聴いたりしないようにしているから不要だ。ウォーキングやジョギング、自転車といった活動では、頭に固定されていた方が良いので、ソニーウォークマンのスポーツ用のものを使っている。

基本的にiPhoneの機能は限定して使いたい。それは、バッテリーの時間を伸ばしたいからで、様々な機能を使って、1日の途中でバッテリー切れになると言うことを避けたいのだ。AitTag対応っていうのが追加されたが、これは現時点では持っていないが、将来的には手に入れる可能性もあるので使う可能性はある。

後は絵文字の充実とかもあるのだが、これこそ絶対に使わないので私には関係ない。

最終的に1番関係があるのが、プライバシー保護のATT(AppTrackingTransparency)だ。アプリに第三者から、アプリをまたいだトラッキングを許可する機能だ。アプリの仕様の前に、許可するか、不許可にするか、iPhoneが選ばせる。

アプリ使用の際に最初に第三者からのトラッキングをそのアプリを通じて許可するかしないかを聞かれる。これで不許可を選べば第三者からのトラッキングを受けない。個人のプライバシーを守ると言う意味で、良い機能だが、やろうと思えば今までもできたことだ。

iOS 14.5では最初に聞かれて許可・不許可を選ばせるので、無意識にボタンを触らない限り、自主的に許可・不許可を選ぶことになる。これは広告業界にとっては大きな打撃となる。特に影響が大きいのは、Facebookだ。Facebookは、このトラッキングによりユーザを特定してFacebookやInstagramのプラットホームで広告を配信するビジネスだ。そして、iPhoneのシェアは世界的では25%、日本では45%程度あるため、iPhoneでトラッキングができなくなると、そのビジネスに大きな影響が出る。Facebookの広告ビジネスの規模は7兆円を超えるから、仮に25%が影響受けるとしてその額は1.7兆円程度と言うことだ。

これは、Facebookだけにとどまらず、他のメディア企業やそれを利用し利用している広告主にも影響が出る。

このATTに対抗して、広告をビジネスとするアプリは、この許可・不許可の画面の前に、「次の画面で許可をしましょう」と言うような画面が現れる。すべてを見ていないが少なくともYahoo!のアプリでは、最初に「次の画面で許可を押しましょう」と言う案内が出て、ようやくATTの画面が表示される。ATTが表示されないアプリは、すでに選択済みと言うことなのかもしれない。この辺は、もう少し使ってみなければよく分からない。

Appleの立場としては、ユーザのプライバシー保護と言う1点に尽きるのだろう。Appleの思想は一貫していて、まずアプリはApp Storeからしかダウンロードできない。かつ、App Storeで販売されるアプリは、全て検査済みで問題がないと言うことを確実にしている。また、そのアプリが機能する範囲も限定されていて、仮にアプリに問題があったとしてもiPhoneのiOSや他の機能に影響がないように設計されている。

だから、Appleの考え方は、安全だから高くてもiPhoneを使ってくださいと言うことだ。その意味で、非常にコントロールされた環境下でインターネットを使用できると言うことを保証している。一方、Androidのほうは、現実の世界と同じように、自由な環境となっている。だから「野良アプリ」と言われるような検査を受けていないアプリであっても、ダウンロードすることができる。インターネットも社会も自由であるべきという思想だ。この規制か自由かと言うことは、個人の趣味の問題だろう。

思想はともかく、インターネットの広告のビジネスが、また違う段階に入ったことは間違いない。