電力データで広告配信

インターネット広告は、個人を特定し、その属性や行動履歴を把握することで高い効果を上げていた。しかし、最近のプライバシー意識の高まりにより、Appleは、すでにそのブラウザであるSafariから個人を特定できる第三者クッキーををサポートしていない。また、iPhoneでもiOS 14.5が4月にリリースされて、端末情報や行動履歴を共有するかどうかはiPhoneのユーザが決められるようになった。この結果ほとんどの人は、情報を広告主やアプリと共有しないことを選んでいる。このために、個人を特定し、追跡して広告の配信や購買履歴の把握をする事は難しくなっている。Googleも2023年には第3クッキーをサポートしないことを決めているので、今後のインターネット広告のターゲティングの方法については様々なトライアルが行われている。

そういう状況で、今日の日経は、東京電力と博報堂の電力データから世帯情報を読み取り、広告を配信するモデルを報じている。

電力会社は30分ごとに電力使用量が把握できるスマートメーターを設置中で、東京電力は2021年3月までにほぼ終了しているそうだ。他の電力会社も24年度までに完了する予定だ。このスマートメーターにより、月に1度の検針でしかわからなかった電力データがリアルタイムでわかるようになると言う。このリアルタイムの電力使用データを生かして、世帯構成を推計して広告を配信すると言う。

この世帯のデータを、博報堂の子会社であるDACが保有する1億以上の携帯電話のデバイスのIDと紐付けて広告を配信する。日経の記事では想定している広告は、その地域の分譲マンションやショッピングモールだと言う

第三者クッキーやスマホ端末識別IDの制限によりインターネット広告の持っていた高いターゲティング精度が落ち、行動や購買の履歴が把握できなくなると、別の方法で個人を追いかける方法が必要になる。その1つが東京電力と博報堂の電力使用データということだ。

今後もこのような形で、インターネット広告の精度を高める様々なトライアルが出てくると予想される。