食べログの裁判

食べログの評価ポイントが裁判になっている。訴えているのは40店を運営するチェーン店。

2019年5月に、食べログがアルゴリズムを変更した結果、そのチェーン店の評価が3.5より下になり、売り上げが急落したと言うことだ。原告のチェーン店は、3.5より上か下かで集客が大きく変わると主張している。

日経によれば、食べログのアルゴリズムの変更は、チェーン店より個人経営の店を引き立てる狙いがあったとみられていると指摘している。確かに、それはありそうな話だ。

レビューサイトが訴えられると言うのも珍しい話だ。というか初めてだろう。だが、記事を読んでいると、これからも増えそうな気がする。

私たちが何かを購入したりする際には、レビューサイトをチェックしたり、検索して評判を確認したりする。スマホの普及で、この情報収集活動は、特定の年代だけではなく、すべての年代にわたって一般的な傾向となっている。これにより購入ブランドの決定に大きな影響が出る。

この段階で、あるブランドの不正確な情報がレビューサイトに載っていたりして購買に影響が出ると、そのブランドの不利益は大きい。ただし多くの人が、個人的な見解を書き記している場合に、それが不正確な情報かどうかは判定が難しい。それと、そのレビューサイトを運営しているプラットフォームに責任があるかどうかを判断しなければいけない。その場合でも、プロバイダ責任制限法のような形で、プラットホームの責任は限定的になるのではないだろうか。

今回の食べログのケースでは、初めて知ったのだが、投稿者のつけた点数を単純に平均してポイントを出しているのではないと言うことだ。レビューを書き込む人の評価をして、たくさん評価している人がつけたポイントは重く反映されると言うことになっているようだ。つまり、このアルゴリズムが、今回争われている。投稿者のつけたポイントが、単純に反映されているわけではないので、そこがアルゴリズムであり、ある種ブラックボックスとなっている。

それに、原告が主張しているチェーン店の評価を下げるようなアルゴリズムも含まれているのかもしれない。これは食べログも公表していないので全くわからないことだ。もし、そうだとしたら、食べログが責任を問われる可能性もある。だが、それは独禁法違反だろうか。名誉毀損とか不正競争防止法ではないだろうか。その辺の法律の問題は全くわからないのだが。

今回の裁判で、食べログがどのようにポイントを決めているのか。そのアルゴリズの中身について、争われるのだろう。裁判所の命令で、食べログは、アルゴリズムを開示するのだろうか。

また、今回の裁判の争点の1つが独禁法と言うことで、果たしてレビューサイトの評価が独禁法にあたるのかどうか。その点も争われる。レビューサイトが、商品の評価を掲載するということが、独禁法が規定する取引に当たるかどうかが、今後、判断される。

また、食べログのアルゴリズム変更が不当な差別にあたるのかどうか。これについては、食べログと契約している飲食店に何らかの優遇措置があるのであれば、取引にあたり不当な差別になるのだろうか。もしそうなら、裁判の結果よりも、食べログの評価は、一般の人から信用されなくなるだろう。

それに、レストランのレビューサイトはいくつかあり、確かに食べログが有力ではあるが、市場を支配しているとも言えない。確かに、ホットペッパーよりも、食べログに書かれているレビューを参考にすることは個人的にはある。だが、そのポイントはあまり信用していない。それよりもレビューに書かれている口コミの生の情報の方が参考になるので、食べログを見ることが多い。だからといって、全て食べログで決めているわけではないので、独禁法で言うような優越的地位が食べログにあるとも思えない。

この裁判は、レビューサイトが独禁法で訴えられると言うはじめてのケースで、今後も判例として残るような重要な裁判だろう。東京地裁の判決は22年春と言うことで、注目が必要だ。