日経BPコンサルティングは、「ウェブブランド調査2020秋冬」を発表した。これは30,000人のユーザの調査の結果で、国内の500のサイトを評価している。
順位変わらず
ランキングの1位はYahoo! Japanで、2位楽天市場、3位 Googleと続く。この結果は前回と変わらない。Yahoo! Japanのサイトは、アクセス頻度が1位で、相変わらずのトラフィックをうかがわせる。しかし、サイトユーザビリティー、サイトロイヤリティーのスコアは1位ではなく2位に下がったと言うことだ。
一般企業サイト1位は、サントリー
インターネット・サービスのサイトではなく、一般企業サイトでは、サントリーがトップ、2位ヤマト運輸、3位カゴメ、4位ユニクロ、5位ニトリと言う順番になっている。サントリーが1位の要因については少し調べてみようと思う。
アメリカYahoo!は消滅
この結果を見て思うのは、本家のアメリカYahoo!は2017年にベライゾンコミュニケーションに売却され消滅している一方で、Yahoo! Japanが健在なことだ。
アメリカYahoo!は、そのサービスが同様にベライゾンに買収されたAOLと統合されて、ベライゾンメディアグループとなっており、Yahoo!のサイトは残されているものの大きな影響力を持っていない。それを考えるとYahoo! Japanは進化を続け、今でも日本の1位のサイトとして君臨している。Yahoo! JAPANはアメリカYahoo!の検索サービスの会社として1996年にソフトバンクの孫社長とアメリカYahoo!創業者のジェリー・ヤン氏との合意で誕生した。孫社長の言うタイムマシン経営の始まりだ。
Googleに敗れたが
創業した当初は、アメリカYahoo!と同じくディレクトリ型検索サービスとして、人力でサイトの登録が行われていたが、急増するサイトに対応するためにロボット型検索エンジンの開始した。当初は、Gooのエンジンを使用していたが、検索サービスの競争では、最終的にはGoogleに敗れている。そのため、Yahoo! JAPANも2000年からGoogleの検索エンジンを使用してきた。検索エンジンの争いでは敗れたもののインターネットのポータルとしては、様々なサービスを付け加えることにより、その地位を維持してきている。
新しいサービスを次々と成功させて
Yahoo!ニュース、ヤフオク、Yahoo!ショッピングなどは、大成功して、Yahoo! JAPANのインターネット総合窓口としての役割を確固たるものにしている。今でもYahoo! JAPANが行っているサービスは100以上あると言う。もちろんYahoo! JAPANが打ち出してきたサービスが、全て成功したわけではなく、死屍累々と言うように数多くのサービスが終了している。成功しているヤフオクにしても、オークションの後発で開始して、競合との争いに勝ってきている。
ZOZOからLINEまで
次は、ショッピングの競争のために、ZOZO TOWNを買収してトップを目指している。Yahoo! JAPANは、月間のページビューが700億を超えるモンスターサイトだから、新しいアイディア等があれば、サービスを生み出すポテンシャルは今後も変わらないはずだ。インターネットが変わるときにはYahoo! JAPANも変わる。
主戦場はモバイル
ただYahoo! JAPANが遅れをとっているのはモバイルの分野だ。PCでは圧倒的な地位を築いているが、モバイルになってアプリを通じて様々な行動とるようになった今は、やや遅れをとっていると言うふうに感じる。LINEとの経営統合はこのモバイルでの遅れを取り戻すための攻めの経営の1つと言うふうに見える。正式な経営統合は、コロナ禍で遅れて来年になるようだが、モバイルの分野、決済の分野で新しい動きがあるだろう。