火曜日, 6月 28, 2022
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ニューヨーク・タイムズが世界一

ニューヨーク・タイムズは、印刷版と電子版を合わせて契約者が800万人に達したと発表した。同時に、2021年年末までには850万人の見込みとしている。

長い間、アメリカの新聞はローカル紙が多く部数は少ない。一方日本には全国紙があり全国紙の部数は世界的に見ても大部数だと信じてた。ニューヨーク・タイムズもアメリカのローカル紙で、発行部数ははるかに少ない。

現在読売新聞のサイトには以下の表記がある。

20年11月現在の朝刊部数は795万4126部(日本ABC協会報告)。 読売新聞の発行部数世界一は、英国のギネスブックに認定されています。

読売新聞社ウエブサイト

読売新聞は、1,000万部を超えていたが徐々に部数を減らして、今は700万部台だ。

契約者数の増加に伴い、ニューヨーク・タイムズの営業成績も好調だ。今期は、販売収入が16 %増、広告収入が66 %増と言うことで、利益が9,300万ドルに達し、この発表を受けて株価は12%上がった。

インターネットの時代になって、印刷媒体は苦しい状況になっている。新聞も雑誌も部数と広告収入の両方の低下に悩んでいる。同様にインターネットメディアも収益化に苦しんでいる。これは、ネット上の情報の全てが無料だと言う観念が生まれて固定してしまったからだ。だから誰も儲からない不毛な状況が続いている。

読売新聞を含め日本の新聞は、日経以外は電子版には力を入れてこなかった。ニューヨークタイムスの印刷版と電子版の割合を発表していないが、圧倒的に電子版が多いはずだ。電子版の電子版の販売と広告の販売に力を入れてきた結果が、今回の800万人の達成だ

ニューヨーク・タイムズには、読売新聞と比べて大きなアドバンテージがある。1つは英語で書かれているために世界中に契約者を求めることができること、もう1つはニューヨークの名前を冠したニューヨークタイムスのブランドイメージだ。この2つのことが、アメリカ国内他の都市のだけではなく世界中から契約者を得る強さとなっている。

またニューヨークタイムスはインターネット上でも積極的なプロモーションを行っている。無料登録を促して、その後有料会員へと繋げてゆく。最大の切り札は、電子版にプロモーション価格を設定したことだ。1ヵ月8ドル89セントと言う価格設定は、日本の新聞の価格を考えるとかなり安い。これが契約者を伸ばしている原動力だろう。電子版なので追加のコストがかかるわけでは無いし、有料会員が増えれば広告料も値上げできる。印刷媒体の時代からの発想の転換ができている。

日本の新聞で、これができないのは、既に行っている巨大な印刷新聞ビジネスに大きな影響がでるからだ。逆に、ニューヨーク・タイムズがこれができるのはもともとの印刷版の部数がニューヨークに限られていることと、部数もあまり多くなかったからだ。

2011年のニューヨーク・タイムズの発行部数は110万部程度で、この10年で80万部まで低下している。このような状況であったからこそ、大きく電子版に舵を切ったと言える。1,000、万部に近い日本の新聞が同じようにできたかと言うとかなり難しい。

読売新聞を始めとする日本の全国紙は、毎年何10万部と言う単位で数を減らしている。どこかの時点で現在の体制が維持できないのわかっているのだろうが、抜本的なビジネスの転換をしていないことが不思議だ。

Shogohttps://leicaleica.jp
大学教授 研究テーマは、メディア、マーケティング、サブカル。趣味は、写真、海外テレビドラマ、ミステリ、写真。流行っていないもの限定の嗅覚で生きています。
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