「メタバース」と言う言葉・概念が先週から話題になっている。それは、マーク・ザッカーバーグが、Facebookが5年以内にメタバース企業になると言ったからだ。それまでメタバースと言う言葉を知らなかった。それでいくつかの記事を読んでみたのだが、まだよくわからない。
ゲーム、エンターテイメント、ビデオ、オンライン会議システム、SMS、電話などの多くのプラットホームを含んだ仮想空間と言う言葉のようだ。
言葉としてのメタバースは、1992年に出版されたニール・スティーブソンの「スノー・クラッシュ」と言う小説に登場する言葉で、小説の中ではデジタルとリアルの集合体と定義されていると言う。
これでもまだよくわからないが、Facebookはメタバース製品グループを立ち上げたと言うことなので、彼らの持つVRインターフェイスのOculusを使って、仮想空間とリアルの体験を結びつけようと言う計画なのだとなんとなく理解している。
昔流行ったセカンドライフは、自分のアバターがセカンドライフと言う仮想世界の中で行動したり、他のプレイヤーとコミュニケーションをすると言うような仕組みになっていたが、それとどう違うのかもわからない。
新型コロナウィルスによるパンデミックで、多くの活動がオンライン化した。オンライン会議が主流になった事はその一つだが、オンラインゲームで長い時間を過ごす人も増えた。
Epic Gamesの「Fortnite」、任天堂の「とびだせ どうぶつの森」、Microsoftの「New Horizons」、Robloxなどのゲームが人気になっている。ゲームの中でたくさんの時間を費やすだけでなく、そのゲームが他の目的にも使われている。他人のゲームの模様を中継する番組を楽しむこともそうだし、エンターテイメンのプラットフォームにも使われている。Fortniteの中ではTravis Scottや米津玄師のコンサートが行われ10,000,000回以上視聴された。
また、そのゲームの中で現実世界のお金を使って、アイテムを購入したりアバターの外見や衣装を購入したりして楽しんでいる。またそういう意味で多くの人はすでにゲームというメタバースの中に生活をしているとも言える。
これが、NFTなどのブロックチェーンの技術と結びついて、デジタルの資産を購入し、メガバスの中でそれを利用すると言うことも出てくるのだろう。
このような仮想空間で、人々が多くの時間を費やすことを見越して、すでに多くの企業は投資を始めている。2021年の5月には、Robloxの中にグッチが仮想空間を構築して、そこでデジタルのグッチのバックが販売された。その価格は4100ドルで、現実世界のグッチのバックよりも高かった
他にもワーナー・ブラザース、コカコーラ、キャンベルスープなども独自の仮想空間を立ち上げ、メタバースの登場に準備を始めている
企業はデジタルの世界で様々なプロモーションを行っているが、メタバースのような3Dの空間で自社の商品や店舗などを展開した事は無いため、その3Dデータを作らなければいけないと言うことのようだ。3Dデータの作成には、今までウェブの制作に比べてはるかに高い予算を必要とする。これが、投資に見合う効果があるかどうかは、その普及にかかっている。
マーク・ザッカーバーグがぶちあげたように、本当にメタバースの世界が我々の様々な活動のインターフェイスになるのかどうかよくわからない。個人的に言うと少し無理があるような気もする。なぜならオンラインでもゲームを楽しんで、そこで多くの時間を過ごす人と言うのは限られた人たちで、決して大多数になるとは思えないからだ。
ただ考えられるのは、もはやEメールはあまり使われず、様々なコミュニケーション方法が登場しているので、それらを統合したインターフェースが必要だと言うことだけは事実だ。だから、メタバースのような世界までいかずとも、新しいインターフェイスが使われるようになる事は確実だと思う