火曜日, 1月 18, 2022
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東京オリンピックの勝者はTikTok

東京オリンピックは、日本では記録的な金メダルと総メダル数で盛り上がった。テレビの視聴率も軒並み好調だった。NHKのEチャネルが、サッカー男子3位決定戦の「日本×メキシコ」が放送して、平均世帯視聴率が13.45%を取り話題になったりしている。

しかし、アメリカでは、視聴率が低く、放送したNBCユニバーサルは広告主に低視聴率の埋め合わせの無料広告の補償をおこなっている。大会初日は、通常放送とストリーミング合わせた数で1,590万人とリオオリンピックから32%も低下した。その後も同じような状況で回復する事はなかった。時差も東海岸で13時間とリオデジャネイロに比べ大きいことから、視聴率の低下は予想されていた。しかしこれほど大きいとは想定していなかったようだ。

だが、低視聴率の問題は時差だけではない。コロナも関係している。アメリカで最大のイベントであるスーパーボウルも2021年は、過去14年間で最低の視聴率を記録している。コロナで、アメリカでは毎日まだ500人以上の死者がでている状況では仕方ないだろう。

そんな中で勝者は、TikTokだった。Androidのユーザにおいて、オリンピック期間中の7月23日から8月2日まで2,760万人のアクティブユーザーを記録して、この期間だけで4%も増加した。

今回のオリンピックでは、有名選手たちがTikTokを使って様々な動画を投稿した。有名になった段ボール箱のベッドや洗濯物の動画が動画が共有されて、大きな話題になった。まさに、競技以外の非公式放送局はTikTokになったかのようだ。

今回のオリンピックで、IOCはSNSやスポンサーシップの規則を少し緩めている。

オリンピック選手は、オリンピックスポンサーと独自の契約をできるようになった。これにより、オリンピックスポンサーは、オリンピック選手を使って、様々な活動ができるようになっている。

しかし、非オリンピックスポンサーには、オリンピックの数日前から数日後まで、オリンピック選手を使った活動はできない。オリンピック選手は、自身が契約していても、オリンピック関係以外の会社に「ありがとう」というメッセージを1回だけしか送れない。しかも、その会社の用具やウエアなどで、良い成績を取れたというような東京オリンピックに関係する内容は発信できない。

非オリンピックスポンサーは、オリンピック選手を起用した広告を、90日以上市場使っていれば、オリンピックとの関連を出さずに、極端に多い量をオリンピック期間中に露出しなければ使い続けることができるようになった。これによって、非オリンピックスポンサーもオリンピック選手を使った広告の道が開かれている。これは、良いことか悪いことか。一般の人には、オリンピックスポンサーと非オリンピックスポンサーの区別がつけにくいので、誤認を生み、オリンピックスポンサーの価値を下げる可能性があるが、少なくともオリンピック関連の露出を増やすことができる。

パンデミックに対応した変更なのか、今後も適用されるのか不明だが、前回大会よりやや柔軟になっている。

SNSも上記のスポンサーへの言及がなければ柔軟になっている。オリンピック選手たちが投稿する様々なビデオはTikTokで1,000万回以上も再生されたものもある。アメリカのオリンピック選手団は600人にものぼるから、オリンピック関連のTikTok上の動画の数の話もかなりのものだろう。

また、多くのオリンピックスポンサーや、非オリンピックスポンサーが、新しいルールに基づいたキャンペーンをTikTokを使って行っている。TikTokは、ユーザーの増加以外に広告でかなりの収益を上げたと思われる。

TikTokだけではなくYouTubeも健闘して多くの広告主がYouTubeで広告を流した。オメガのオリンピックの広告は5,500万回見られ、2万5000の「いいね」を獲得している。P&Gの広告も300万回視聴された。TikTokもYouTubeもNBCユニバーサルのように放送権料を支払っていないが、大きな恩恵を受けたようだ。

Shogohttps://leicaleica.jp
大学教授 研究テーマは、メディア、マーケティング、サブカル。趣味は、写真、海外テレビドラマ、ミステリ、写真。流行っていないもの限定の嗅覚で生きています。
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