金曜日, 1月 21, 2022
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スマホの普及

デロイトトーマツの調査結果によれば、日本のスマホ所有率が、初めて全世代で8割を超えたと言う。特に2021年は55歳以上の伸び幅が大きかったようだ。一方スマートウォッチについては日本ではまだ7%と低い。イギリスやオランダでは20%を超えている。まだまだ、新しいジャンルの機器には抵抗がある人が多いのだろう。個人的には、スマートウォッチではないが、トラッカーを6年ほど使っている。最初はスマートウォッチだったが、画面が大きい時計のような形が嫌いだったこともあり、トラッカーに落ち着いている。

スマホの所有率は87%で、日本の全体の1年で6ポイント上昇したようだ。87%と言う数字は、すでに普及の限界に達したと思われる。20世紀のメディアの王様だったテレビも、世帯普及率が低い県では90%と少しだった。それを考えると、87%はすでに上限と思われる。一部のガラケー使用者が、数年後に訪れるサービス終了に伴って、スマホに移行する可能性があるが、どう考えても数%の下の方であろう。

このスマホの普及率を考えると時にいつも思い出すのは、1980年代のマッキンゼーの携帯電話の普及予測だ。当時AT&Tから2000年時点でのアメリカ国内での携帯電話の市場規模の予測を依頼され、マッキンゼーの出した回答は90万台だったと言う。実際には、軽く1億台を超えて、マッキンゼーの予測は3桁も読み間違えていたことになる。この予測を信じたAT&Tは携帯事業を売却し、そのため経営状況が悪化し、元は同じ会社だった分社化された地域電話会社のSBCに買収されて消滅している。

それほど予測は難しいと同時に、携帯電話の便利さと使い勝手の良さが支持されたと言う2つの教訓がある。

スマホは.この携帯電話の普及率が前提となって。これほどの普及率に達したものと思われる。最初からスマホが登場していれば、多くの人はスマホに飛びつくなかったと思われる。

考えてみれば、今のスマホとほぼ同じものが、1990年代初めから、たくさんあった。AppleのNewtonやシャープのザウルスのようなPDAと呼ばれたデバイスや1990年代後半の東芝が発売したジェニオと言われるPHS端末は機能的には今のスマホとは変わらない。さらにハンドヘルドコンピューターと言われる小型のコンピューターがHPなどからたくさんの機種が発売された。

それでも、それが普及しなかったのは、まだモバイル機器を持つと言う習慣がなかったからではないだろうか。携帯電話が登場して、一度自分自身の端末を持って、いつでも会話ができるから始まって、iモードのように様々な情報がやりとりできる経験があったから、スマホの普及の土壌ができたと言える。

それからAppleがこのスマホをiPhone、つまり電話と名付けたことだ。電話であってコンピューターではないと言う位置づけが、携帯電話からの移行を促したとも考えられる。最初からコンピューターと言えば必要ないと考えた人が多かったのかと思う。今のスマートウォッチと同じだ。

だが実際にはiPhoneにせよ、他のスマホにせよ今では通話に使う人はほとんどいないのではないだろうか。たいていは、かつてのPCのようにメールやMessengerを使ってコミュニケーションするのが当たり前になっている。そういう意味で我々が使っているのは、携帯電話でなくてコンピューターだ。だがそれを電話と言うカテゴリーに位置付けたところに、やはりスティーブ・ジョブスの天才ぶりが表れている。

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大学教授 研究テーマは、メディア、マーケティング、サブカル。趣味は、写真、海外テレビドラマ、ミステリ、写真。流行っていないもの限定の嗅覚で生きています。
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