水曜日, 1月 26, 2022
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音声アシストAIの気味悪さ

今年は、普段ならあまり興味がなかったiOSのバージョンアップに敏感になった。4月のiOS 14.5のアップデートで、アプリの個人情報の収集をコントロールできるようになったことが大きかった。アップデートの後、アプリによるトラッキングの要求を許可・不許可を聞かれることになって、バージョンの違いを大きく意識するようになった。

それから、12月14日に提供が開始されたiOS 15.2では、プライバシーアプリでレポートが見れるようになって、どのアプリがどのようなデータを使用しているかがわかるようになった。これは、便利な機能で、これにより、気づいていなかった情報の共有を停止できる。プライバシーの保護のための確認方法が簡単になった良い機能だと思う。

ただ一方で、iOS 15.2に伴うApple MusicのVoiceプランは気味が悪い。通常のプランより500円も安く、月額480円で提供される。半額以下と言う破格の値段だ。これの特徴は、Siriによる操作しかできないと言うことだ。

これの意味を考えてみると、Appleによる音声コントロールのAI技術の開発目的と言う疑問を持つのは裏を読みすぎだろうか。

Facebookは社名をMetaに変えてメタバースを目指すと宣言している。これについては、周辺の機器の開発など解決すべき問題が多い。しかし音声インターフェイスについては、既に実現している技術で、今ここにあるものだ。必要なのは、地球上のできるだけ多くの人の言語や発言・発音、それに伴うその人の意図をデータベース化していくことだ。このデータの蓄積によって、音声アシストAIの精度が向上して機能が進化していくことが考えられる。

音声アシストAIはGoogleのGoogleアシスタント、AmazonのAlexaとAppleのSiriがここでの覇権を目指して争っていると考えられる。

Amazonはスマートフォンを持たないために、家庭用のスマートスピーカーをほぼ恒常的に格安で販売している。この戦略は、家庭での音声での入力を抑えるとともに、Alexaのデータ蓄積を促進することが目的だと思われる。同様にGoogleアシスタントも、Androidスマートフォンに搭載して同様のことを行っている。まるで、ユーザーは音声アシストAIの教育係だ。

ここでAppleが行わなければいけないのは、この2つの競合に対して、Siriの利用促進とデータの蓄積だ。

このためにApple Musicの半額以下のVoiceプランを導入して、Siriの普及による音声入力データの取得を加速しようとしているのではないだろうか。

端末の普及に関して言うと、Alexaよりは多いが、GoogleアシスタントについてはAndroidの普及台数を考えると見劣りがする。そこでこのSiriの利用促進のためのApple Musicの格安プランだ。ユーザーのプライバシーを守ると宣言しているAppleが音声での個人活動の監視を行なっているのではないかと疑問を持つ。

個人的には、機械に話しかけるのは歳のせいか気恥ずかしいので、Siri使っていない。ただし、最近は文章作成は音声入力を使うことが多い。最初はスマホでの文字の入力だけだったが、今ではパソコンによる文章作成の際にも音声入力のほうがはるかに楽なので、使っている。音声入力をした後で、キーボードは手直しのためだけに使うだけだ。

最近の学生を見ると、スマートフォンを使ってフリック入力で文章入力するのに慣れているので、パソコンのキーボードは苦手と言うタイプが多い。このまま音声入力が進むと、指を使って文章を作成すると言うことが苦手と言う人が増えてくるのだろうか。もうすでに個人的には、以前よりもキーボードの入力に打ち間違いが多い。単に歳のせいと言うこともあるかもしれないが、使う回数が減ったと言うこともある。

アメリカ留学前に「サイト&サウンド」と言う銀座にあったブラインドタッチのタイピングの学校に、会社に行かされた。しかし、個人的な事情で途中でいけなくなってしまったために、ブラインドタッチを習得することなくここまで来てしまっている。それでも何十年もキーボードを使ってきたので、ある程度入力には慣れていたつもりだが、どうも最近は衰えが目立つ。だから余計音声入力は楽になっているだろう。

だが、どうも音声アシストAIには慣れずに、Siriは使っていない。家のAlexaには音楽をリクエストすることが多いので、使っているが、それだけだ。多分Siriは今後も使うこともないだろう。あるいは、老眼がもっと進むとSiriに頼る日が来るのだろうか。

Shogohttps://leicaleica.jp
大学教授 研究テーマは、メディア、マーケティング、サブカル。趣味は、写真、海外テレビドラマ、ミステリ、写真。流行っていないもの限定の嗅覚で生きています。
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