金曜日, 5月 27, 2022
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映像配信サービスの競争

Disney+が2021年第4四半期で1,180万人の契約者を追加して、全体の契約者が1億2,980万人に達した。これにDisney傘下のHuluとESPN +を加えると、全体で約2億人の契約者数となる。Disney+の契約者数増加は、事前の予想を上回り、その結果Disneyの株価は6%も上昇したと言う。今後、Disney+の提供地域を広げる計画も発表しているので、契約者はまだ伸びそうだ。

反対にNetflixは、同じ時期の契約者の増加が、見込みの850万人に達しせず、830万人に終わったことから株価は20%も下落した。それでも昨年は「イカゲーム」の大ヒットなどにより、契約者数は2億2,200万人で、まだDisney+よりも、はるかに多い。

Disney+の好調の原因の1つは、「Beatles, Get Back」の公開らしい。このドキュメンタリーの公開から3日で、209,000人の契約者の増加があったと言う。Disney+は、子供向けのアニメと「スター・ウォーズ」関連だけと言うイメージがある。だが、実際にDisney+の契約者は、Disneyの発表によれば、半分は子供のいない家庭だと言う。今後は、スポーツに力を入れるようだし、傘下のABCの往年のヒットシリーズの再公開もあり、好調は続いている。その中には、個人的な思入れのある「The Wonder Years」も含まれており、「スター・ウォーズ」と合わせて、Disney+に興味が出てきている。

Netflixは、第4四半期の契約者の増加が見込みに達しなかったために株価を落としていると言うことだが、それでも2021年の契約者数の伸びは、1,820万人の増加だ。パンデミックの2020年の増加と比べると半減しているが、これはパンデミックの効果が薄れたと言うよりも、競争と値上げが原因だ。2021年は、Disney+などの配信サービスとの競争が激しくなったことが影響している。  それに、アメリカとカナダで、10%の料金を値上げして、キャンセルが増えたのではないだろうか。

この配信サービスの競争については、今後ますます激しくなると思われる。メディア・コンテンツ・コングロマリットの巨大企業が、資金を投入して、目玉になるコンテンツを次々と公開している。まさに血で血を洗うような戦いだ。Disney+だけではなく、HBO Max、Paramount+、Peacock、Amazon Prime Videoとの激しい顧客の争奪戦が今後も続く。

Netflixの株を持っているのであれば売り時を検討した方が良いかもしれない。

Amazon Prime Videoは、今度のスーパーボウルで、2本の広告を投入すると言う。Amazonが権利を獲得したNFLの「Thursday Night Football」と、もう一つは、大ヒット映画シリーズの「The Lord of The Rings 」の前日譚の「The Lord of The Rings: The Rings of Power」だ。どちらもAmazonが巨額を投じたコンテンツだ。この2本のスーパーボウルの広告費だけでも、12億円だ。スーパーボウルで、スポーツファンとドラマファン向けの2つの目玉コンテンツの広告を行って、契約者の増加を狙っているようだ。

Amazonと言えば、最近の記事で知ったが、2021年の全世界での広告費が169億ドルとなり、世界一の広告主になった。169億ドルと言えば115円で計算して2兆円弱となり、アマゾン1社で日本の広告費の3分の1に相当する金額を使っていることになる。

コンテンツにも、広告費にも金を使っているAmazonだが、そのお金を捻出するためだけではないと思われるが、アメリカのAmazon Prime会員の年会費を20ドル値上げして139ドルにすると発表している。アメリカだけでも2億人が加入していると言われるAmazon Prime会員なので、この20ドルの値上げだけで40億ドル、4600億円の増収となる。

それにしても、アメリカでのAmazon Prime会員の年会費の高さは、日本人には考えられない。デフレですべてのものが安い日本と比べれば、アメリカでは139ドルは高くないのかもしれないが、アメリカの年会費は日本の約3倍だ。日本では、最初は4000円程度で、その後、約5000円になった。だから、ずっと会員でいるがこれがアメリカのように16,000円であれば、さっさと止めてしまうと思う。

Netflixにしても同じだ。契約をしてすでに1年以上経つが、そろそろ見たいものがなくなってきた。と言うより、面白そうな物がないので、いくつかのシリーズしか見てこなかった。家族は別にして会費の分を見ているかどうか不明だ。続けて見ているシリーズの「Ozark」が最近新作が公開されたので見たが、それ以外はあまり見たいものがなく、そろそろ止めたいと思っている。Netflixを止めて、「スター・ウォーズ」のスピンオフ作品が見られるDisney+か、HBO Maxのコンテンツが見られるU-NEXTに移りたいと考えているが、家族はどう言うだろうか。

これは、この映像配信サービスのビジネスの苦しいところで、次々と話題の新作を投入して、引き留めないと、契約者はさっさと競合に移ってしまう。各社とも苦しい戦いだが、どこが最終的に残るのだろうか。

Shogohttps://leicaleica.jp
大学教授 研究テーマは、メディア、マーケティング、サブカル。趣味は、写真、海外テレビドラマ、ミステリ、写真。流行っていないもの限定の嗅覚で生きています。
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