金曜日, 5月 27, 2022
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Netflix、広告付きプラン年内導入

Netflixは、長い間拒否していた広告付プランを検討することを4月に明らかにして、多くの人を驚かせた。そして、今回2022年末までに導入することを社員向けのメモで発表した。だが、社外正式発表はまだだ。同時に以前から問題になっているパスワードの共有問題についても対処するとメモには書かれているようだ。これは、パスワードの共有に追加料金が発生するものと思われる。

Netflix は、2022年の第1四半期の決算発表の際に、広告プラン検討に言及している。この時に、第1四半期に20万人の契約者減少を発表した。ロシアでの事業停止の影響もあるが、Netflixが契約者の減少を発表したのは、この10年で初めてだった。このため株価は急落し700億ドルの時価総額を失っている。つまり契約者減少の発表だけで、イーロン・マスクが、Twitter社を買収した金額よりもはるかに大きい金額が失われたと言うことだ。

市場向けに成長戦略を示す必要があり、広告プラン導入を口にしたのかもしれない。その際には、導入時期は1、 2年以内とされていた。しかしこれが、2022年年末までと言う事は、大幅に繰り上がることになる。コロナ禍の収束や社会経済情勢を考えて、今後の契約者の伸びはあまり期待できないと言う判断に傾いたのだろう。

Netflixの月額料金は、日本では、ベーシックプラン990円、スタンダードプラン1490円、プレミアムプラン1980円。プランによって見られる画質が違う。プレミアプランでは4Kで見られるが、スタンダードプランではHD、ベーシックプランになるとSDになってしまう。同時に見られる端末もプレミアムブランドと同時に4台だが、スタンダードプランだと2台、ベーシックプランだと同時視聴できない。

Netflixが広告プランを導入した際に、このプランとどのように組み合わせるのか現時点では不明だ。想像だが、ベーシックプランとスタンダードプランにそれぞれ広告付きの安い価格が設定されるかもしれない。参考になるのは、HBO Maxの事例だ。HBO Maxは2021年に広告付プランを導入した際に、通常のHBO Maxの15ドルを、1時間に4分間の広告が入る広告付プランは10ドルに設定した。33%安いバージョンと言うことだ。

ここから考えると、Netflixのスタンダードプランを1000円程度、ベーシックプランを600円程度に抑えれば、価格の安い配信サービスのAmazon Prime VideoやdTVとベーシックプランが同程度になる。しかもどちらも、すべてのコンテンツが見放題ではなく、ペイパービューで追加料金を払わなければいけないコンテンツがあるサービスなので、見放題のNetflixとは違う。競争力はある。

アメリカで、最近まで広告を入れることに抵抗していたのはNetflixとDisney+である。そのDisney+は、すでに広告付プランを、アメリカでは2022年末に、世界各国では2023年に導入することを発表している。今回のNetflixの年内導入はこのDisney+のアメリカでの広告つきプラン開始にぶつける意図があるものと思われる。

映像配信サービスは、それぞれ独自の強いコンテンツを持ち激しい競争行っている。このために契約者は財布と相談しながら、いくつかのサービスを選択することになる。この時に例えばDisney+が、価格が安くなったので、前からみたかったStar Warsのスピンオフ作品の「マンダロリアン」を見たいのでそちらに入ってしまうこともあり得るだろう。Netflixは、このような価格センシティブな層を早く惹きつけるために、Disney+の広告付き低価格プランの導入時期は重要だったものと思われる。

Disney+とNetflixの広告付き価格ブラウン導入とともに、アメリカでは全く広告が入らないのは、一部ペイパービューを組み合わせているAmazon Prime Videoを除き、これでApple TV+のみとなる。Amazon も、2019年より広告モデルのAmazon Freeveeを開始している。ほとんどの事業者が広告プランを持っていることになる。

広告の入らないApple TV+は、日本では月額600円と、Amazon Prime VideoやdTVと同程度の価格帯にある。しかしながら現時点ではコンテンツのラインナップに見劣りがするため、あまり競争力は無い。Appleはここに本当に取り組むのかどうか現時点では不明だ。Apple Musicは成功しているので、コンテンツとしてビデオも必要と考えている程度と考えているだけで、あまり本気で取り組む事は無いのかもしれない。

日本では広告が入らないのは、スポーツに特化したDAZNや、Amazon Prime Videoは別として、Apple TV+とU-NEXTになる。

日本独自サービスのU-NEXTは、2022年1月の数字では契約者数248万人と発表している。これはNetflixとAmazon Primeビデオに次ぐ3位だ。月額料金が2189円とやや高いものの、アメリカのShowtimeや、HBO 、HBO Maxのオリジナルコンテンツの日本独占配信権を持つ。その意味で、コンテンツ競争力は高い。

今後U-NEXTが、広告付きプランの検討するかどうかが注目されるところだ。実際に独占契約をしているHBO Maxは広告付きプランで契約者を伸ばしている。だから、コンテンツの供給元として広告付きプランに対して問題はないと思われる。

U-NEXTは、スポーツのDAZNを除いて、最も月額料金が高い映像配信サービスであるため、加入者獲得のためにNetflixのように広告プランを、最終的に導入するかどうかは別にして検討し始めている事は間違いないであろう。

Shogohttps://leicaleica.jp
大学教授 研究テーマは、メディア、マーケティング、サブカル。趣味は、写真、海外テレビドラマ、ミステリ、写真。流行っていないもの限定の嗅覚で生きています。
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