悪玉コレステロールの累積効果

悪玉コレステロール、LEDは冠状動脈性心疾患の主要な原因であることを知られている。今回発表された研究は、それが、累積してゆく効果があるということのようだ。つまり長く悪玉コレステロールが高い状態が続くと、動脈硬化なのがどんどん悪化していく。

動脈硬化が原因で起こる冠状動脈性心疾患は、日本では死亡原因の2位、アメリカでは1位である。これは血管内にプラークが溜まってくることによって引き起こされる。プラークが溜まってきても何の症状も感じないが、ある日突然胸の痛みや心臓発作を引き起こす。そういう意味で症状を感じなくても、動脈硬化は恐ろしい結果をもたらす。

JAMA Cardiologyで、今回発表された研究は、1万8000人以上の人のLDLレベルを,16年間にわたってモニターし、健康とLDLレベルの関係を調べたものだ。この研究によれば、若くても10年でもLDLレベルの高い状態が、長く続くと冠状動脈性心臓病の可能性が高くなることを発見した。LDLレベルの低い人と比べるとそのリスクは57%も高い。

そして、脳卒中や心不全に関しては、LDLレベルが高くても影響がないと言う事も今回分かった。

アメリカでは、40歳以下の人では、LDLレベルが190以上の人が治療の対象になる。しかし今回の調査では、それよりも低いレベルでも心臓病の可能性が高まると言うことがわかった。アメリカでは、LDLレベルは100以下が標準とされているが、それに近い数字であってもリスクはあるようだ。この数値は、日本ではやや高く設定されているようで、119以下や139以下というようにばらつきがある。

今回の研究では、解剖も行っているようで、若ければ、10代や20代でも冠状動脈の硬化が発見されるケースもあると言う。若い時からLDLのレベルが高いと、それだけ長く冠状動脈は影響受けるため、できるだけ早くLDLレベルを低くする必要がある。

アメリカの標準の100以下も、日本の標準の119以下や137以下を、長年にわたって超えてきている。ということは、かなりの確率で累積効果で、冠状動脈の硬化が考えられる。

コロナ禍がもたらした影響は様々あるが、会食が減ったことが1つの良い点だ。その結果多分LDLコレステロールレベルも、今年の初めには少し下がった。それでも、アメリカや日本の推奨水準を超えているので、もう少し下げる取り組みが必要そうだ。

木星のトロヤ群観測船、ルーシー

中国が宇宙ステーションの建設を開始したというニュースを先週見た。来年には建設が完了するようで、独自の宇宙ステーションを持つと言う意味で、アメリカやロシアよりも積極的に宇宙開発に取り組んでいる。

今週、ニュースになったロシアの取り組みは、中国とは少し違っている。ISSで映画の撮影行っていたということだ。女優や監督などが12日間、国際宇宙ステーション、ISSに滞在して「ザ・チャレンジ」と言う、医者が宇宙で宇宙飛行士を救う内容の映画の撮影を行っていた。ロシアは宇宙開発では様々な点でアメリカに先行してきた。今回は、劇場映画の撮影と言うことで、またアメリカに一歩先んじたことになる。

このところ、宇宙と言えば、政府が任命した宇宙飛行士以外の民間人の宇宙旅行が話題になっている。つい最近もスタートレックのキャプテン・カークを演じたウイリアム・シャトナーが、Amazonのブルー・オリジンで宇宙旅行したばかりだ。ヴァージン・グループのヴァージン・ギャラクティックもオーナーのリチャード・ブランソンなどを乗せたロケットで7月に宇宙旅行した。このように宇宙旅行について、たくさんの話題があるが、アメリカのNASAの話を聞かないと思っていたら、久々にNASAの宇宙計画のニュースが出ていた。

NASAの最新の宇宙開発計画は、木星のトロヤ群の研究だった。宇宙ステーションの開発や、宇宙での映画撮影、民間人の宇宙旅行等に比べるとやや地味な計画だ。だが、太陽型の誕生の秘密を探ると言う非常に真面目なテーマだということだ。

木星のトロヤ群と言うのは初めて聞いたが、太陽系の木星と同じ軌道上にたくさんの隕石が存在するそうだ。これは太陽系誕生の際の星の残骸と考えられており、これを研究することにより太陽系の誕生の秘密はわかるかもしれないと言う。

木星のトロヤ群は、遥か彼方の木星と同じ軌道上持っているため地球からは観測が非常に難しい。それで木星軌道までのロケット打ち上げて観測を行うと言う。

はやぶさのように、隕石の標本を採取して戻るのではなく、ロケットに搭載しているカメラなどを使って、高精細の画像を撮影したり、隕石の表面の赤外線を調べたり、太陽の熱に光に当たって熱が上昇したり下降したりする所要時間を調べたりすると言うことだ。

少し華やかさに欠けるようにも思うが、宇宙の秘密を知ると言う意味では重要な計画なのだろう。この計画に使われるロケットはルーシーと名付けられている。ルーシーとは、320万年前の人類の先祖の化石である。この化石の研究により、人類の遥か昔の姿は明らかになった。その当時の人類は1メートルにも満たない、小さな体を持つ生き物で、多くの時間を木の上で過ごしていたと言うことがわかっている。その時代の人類は、地上で生きていくにはあまりにも弱く、猛獣から身を守るために木の上で過ごしていた。

化石のルーシーの話はさておき、ルーシーと名付けられたこのロケットは、小型自動車ほどの大きさで、12年かけて、木星の軌道上の隕石の研究を行う。木星の軌道上にある隕石は100万個程度と推定されており、地球から観測できるのは1万個程度だと言うことだ。ルーシーは、一度木星軌道まで飛び、そこから、一旦軌道の直径を戻って、太陽と地球を周回して、また木星軌道まで戻る。木星は遥か彼方を公転しているために、12年かけて太陽を回っている。つまり木星での1年は地球では12年かかると言うことだ。

一度、木星軌道まで達した後で、太陽と地球を周回して戻ると、最初に観測した隕石群とは、軌道の反対側の隕石群の観察が行えるということのようだ。それで、ルーシーの旅は12年間続く。

このルーシーの記事の中に、NASAの今後の計画が出ており、次は火星の有人飛行かと期待して見てみると、このルーシーの計画のように非常に真面目だが地味な計画ばかりだった。ただし一件だけ目を引いたのは、隕石の軌道を変える実験を行うと言うことが含まれていた。

これは、映画でよく見るように巨大隕石が地球に衝突するようなことが、もし起こったときに、隕石の軌道を変えて、それに対処するための実験だと言うことだ。これについては確かに、地球や人類にとっては、非常に重要な実験だ。火星の有人飛行などよりも先に行ってもらいたいものだ。できれば世界中の国が資金を集めてこのNASAの計画に協力するのは良い。いつか起こるかもしれない災害への、保険のようなものだからだ。

川崎ブレイブサンダースのSNSマーケティング

日経にBリーグの川崎ブレイブサンダースがSNSを活用してマーケティングに成功している記事が出ていた。SNSの特性とコンテンツのアイディアが紹介されており、スポーツ団体でなくても参考になる良い記事だ。

Bリーグは新体制が発足して常に6年になるが、各地で徐々に元気を集め、試合平均では4000人から5000人の観客を集めている。そもそも、バスケットボールは競技人口の多いスポーツなので当然といえば当然だが、Bリーグ発足までは、内部のゴタゴタであまりうまく行っていなかった。

Bリーグの発表ではコロナ禍前のの2019年―2020年シーズンでは280万人の観客を集めたと言うことだ。競技人口が200万人を超えていることを考えるとまだまだ、成長の余地はある。Bリーグのなかでも、千葉ジェッツは様々なマーケティング活動が成功して何年もリーグトップの観客動員数を達成している。その話も面白そうだが、今回の日経の記事に載っていたのは川崎ブレイブサンダースで、SNSやデジタルマーケティングを活用して平均来場者数は2018年にDeNAが東芝から経営権を買収しした後1.5倍まで、観客数を伸ばし、リーグ2位になったという。それ以前は3位だから、驚異的な伸びとまではいかないが、着実に成果を上げていると言う事のようだ。

コロナ禍による入場制限のために、現在はキャパの半分しか収容できないために観客動員数が減っているが、ホームゲームの平均稼働率は制限人数の90%を超えてリーグ1位となっているという。

この原動力はソーシャルメディアマーケティングと言うことで、Bリーグ・アワードで、2020から2021年においてソーシャルメディア最優秀クラブを受賞した。

日経の記事によれば、Twitterのフォロワーは7万1,000人、Instagramは4万3,700人、Facebookは9,700人、YouTubeは8万8,600人となっていると言う。Facebookの人数だけが、他と比べて少ないのは、Facebookの利用者の平均年齢が高く、あまりバスケットボールに関心がない層が中心ということと、川崎ブレイブサンダースの戦略的なSNS活用の結果と考えられる。

この記事で、川崎ブレイブサンダースのデジタル戦略として紹介されていたSNSの特性に合わせた使い分けが興味深い。

SNSを行動面のロイヤリティーと感情面のロイヤリティーでマッピングして、その特性に合わせてSNSを活用している。YouTubeやTikTokは行動面、感情面どちらでも低い位置にあり、認知拡大や新規ファン獲得に活用している。LINE、 Twitter、 Instagramは行動面、感情面のロイヤリティーどちらも中位で、ファンへの情報共有やプレゼント企画に活用している。そしてFacebookとFantsは行動面、感情面のロイヤリティーがどちらも高く、オンラインサロンとして熱狂的なファン向けと選手との交流に活用していると言うことだ。

このSNSの使い分けは感覚的には理解できる。しかしこのように明確に整理されたものを見たことはないので非常に新鮮で、目を開かされた。

スポーツマーケティングでは、熱いファンの対応が重要であるのと同時に、新規を、どう開拓するかが重要となる。川崎ブレイブサンダースは、YouTubeやTikTokを使って新規獲得認知拡大を意識して使っている。これは、この動画共有メディアの特性やコンテンツの特性を考えると非常にしっくりくる。

記事ではバスケットボールとYouTubeの相性の良さが紹介され、指摘されている。ブレイブサンダースのYouTubeチャンネルは、2016年に解説されたが、登録者は、たった3000人程度だった。それがDeNAが買収して、新たに様々なコンテンツを投入した結果、今の9万人近い登録者数を達成している。

コンテンツの例としては、「~してみた」といった挑戦系動画とか、選手のプライベート動画などエンターテイメントに徹した動画を投稿したと言うことだ。

さらに川崎ブレイブサンダースは、YouTubeのコンテンツを強化するために、クリエイター・インフルエンサー・マネジメントのUUUMとパートナー契約を結び、UUUM所属のはじめしゃちょーや水溜りボンドのカンタなど人気YouTuberとのコラボ動画も制作していると言うことで、これらも新しいファンの獲得につながるコンテンツとなっているのだろう。

また吉本興業との連携もあり、吉本所属のタレントのとのコラボ動画を制作して、バスケットボールの枠を超えたような動画を制作して、認知の拡大を図っている。これも、スポーツと言うコンテンツの強さと限界を知り、それを超えて、一般の人まで認知を拡大しようとする試みだ。吉本芸人のようなタレントとのコラボと言うのは非常に良いアイディアだと思う。実際ラグビーの仕事をしていた時も、実現はできなかったが吉本興業とは様々な取り組みについて議論をしたことがあった。予算や優先順位の問題で、組織内での調整がうまくいかず実現できなかったことは残念だった。

記事の中では、チケットの新規購入者の50%がYouTubeを見ていると言うデータがあると言う。駅の交通広告の効果は高くても20%と言うことで、その差は2倍だと言う。これは、YouTubeと言うメディアの巨大さと、動画によるコンテンツの魅力と言う意味で、非常に理解しやすい結果だ。新規顧客を獲得するようなプロモーションでは、写真と試合の情報を提示するだけでは魅力を提示することが難しいであろう。

川崎ブレイブサンダースの行っているプロモーションは、SNSの特性を理解した上で、コンテンツの制作に力をいれていて、有効な戦略だ。スポーツのマーケティングは、熱狂的なファンの維持と新規の獲得という2つの戦線があり、これの同時進行が重要なので、以前より考えていたことと同じで納得できる。一般企業にも参考になるSNSマーケティングだ。

Amazonが広告主向けキャンペーンを実施

Amazonが広告事業についての、広告主向けキャンペーンを行っている。NYのタイムズスクエアに巨大なLED広告を設置するなど、大規模なものだ。その広告コピーは「Your bland, their world」。NFLの放送権を取得すなどAmazonの持つプラットフォームに注目が集まっているから良いタイミングだ。

アメリカの国技のアメリカンフットボールの木曜日に行われる試合について、2023年からは普通のテレビでは視聴できなくなる。Amazonが放送権を独占的に取得した。

NFLの放送権は、日曜日の昼間の試合はCBSとFOXがデジタル権も含めて持ち、NBCが日曜日の夜の試合。月曜日の「マンデー・ナイト・フットボール」ESPNが以前より持っていて、ABCでの同時放送とオンラインを含めて放送している。今回、Amazonが契約したのは木曜日の試合で、契約は2023年からの10年間だNFLの権利は今まではテレビ局が取得して、デジタルに展開するケースもあったが、オンライン・ストリーミングの会社が独占的に取得するのは初めてのケースだ。

アメリカンフットボールと言うアメリカにおける重要なコンテンツを、ストリーミングで見ると言うことになると、視聴者の習慣が変わる可能性がある。ストリーミングでNFLを見るようになると、他のコンテンツもストリーミングで見る習慣が始まってゆくのだろう。

Amazonは以前より単なる物販業ではなくなっている。また日本では権利取得の関係で見られないものもあるが既にAmazon Prime Video、 IMDb TV、ファイアTV、Twichという、多くのストリーミングサービスのチャネルを持つ。これらのストリーミングサービスの広告事業や、オンライン販売のサイトでの広告事業も含めて、2021年第二四半期の広告の売り上げは80億ドルに達している。これは前年同期の83 %増と言う驚異的な伸びだ。市場の規模が違うとは言え日本のテレビ局の広告売り上げ額は、昨年年間で1番多い日本テレビでも2863億円だから、四半期で9000億円近い売り上げのアマゾンは、日本テレビの年間広告売り上げの3倍以上を四半期で稼ぐと言うことになる。つまり年間では12倍以上だ。

Amazoはすでに広告事業でも、GoogleとFacebookに次ぐ位置にいる。今回のキャンペーンは、これにさらに広告主を呼び込むためのものだ。

今はアメリカに限定されているAmazxonの広告付きストリーミングサービスが、日本を含めて海外まで展開されるとこの売り上げはさらに伸びると思われる。

ジャック・フィニイ 「ふりだしに戻る」

スティーブン・キングの11/22/63を読んだ際に、その本のあとがきで彼が読むべき本としてあげていた ジャック・フィニイ 「ふりだしに戻る」をやっと読んだ。感想はどちらかというと微妙。

ジャック・フィニイ の作品はいくつか映画化されているようだが、驚いたのは、映画の『ボディ・スナッチャー/恐怖の街』の原作を書いていたことだ。

 ちっと微妙の理由は、二つある。タイムトラベルものだから、いずれにしても非科学的的なのだが、ある程度の納得がほしいということと、ストーリー展開は平凡かなという感じがするからだ。

良い点は19世紀のニューヨークの雰囲気が丁寧に書きこまれていて、リアリティをもって田園時代のニューヨークを感じられることだ。よく歩いていたような場所が農場で鶏や豚が飼われていたなどは知識としては理解できても、考え難いが、うまく読まされる。

セントラルパークはニューヨークの郊外の豚が飼われているような湿地帯を土壌改良をして公園を造ったと読んだことが以前あったが、この小説の舞台の1882年より少し前のことで、小説にはすでに造園されたセントラルパークが登場する。

納得の問題だが、くどくど説得力のない説明をするより、スティーブン・キングの小説のように1行で過去にいける穴がありましたというように一気にフィクションだからということで、そこを乗り越えるという技もあるし、たとえばマイケル・クライトンのように一見科学的な説明をするという技もある。この小説の書かれた1970年代の時代背景があるのかもしれないが、説得力がなくて説明が長いのでなかなか小説に入れなかった。そのタイムトラベルの仕組みに納得感がないので、冒頭から少しもやもやして、それがストーリーに入っていけない原因となった。

この小説は、そういう疑似科学的説明とかどんでん返しのストーリー展開ということでなく、19世紀のニューヨークの雰囲気を感じる小説と読めばそれは面白い。スケッチや当時の写真も挟み込まれていて感じがよくわかる。

いくつか、面白かったのは、2番街に the Second Avenue Elという高架鉄道が走っていて、Elと呼ばれていたこと。これは全く知らなかった。高架鉄道と言えばシカゴだが、あんな雰囲気だったのか。

それから、フラットアイアンビルがまだ未建設で、その前のマジソン公園に自由の女神の腕だけが置かれていて建築のための寄付が募られていたこと。前に読んだが、自由の女神は一度に全部造られたわけではなく、部分を分けて造られ、あとで組み立てられたことが、ここでも語られる。

Jウォールター・トンプソンがたった一人で広告会社を始めていて小さなオフィスで営業しているが、主人公がその人に会社はうまくいきますよと教えたくなってしまうこと。主人公も広告を仕事としている設定だから、この一人の会社が、世界一の広告会社として成功するということがリアリティを持って語られる。この小説が書かれた時には多分、世界一の規模だったはずだ。

小説の重要な舞台はダコタハウスとグラマシーパークだが、どちらも雰囲気は変わっていないだろう。働いていた会社がグラマシーパークのそばだったのでよくその公園の周辺を歩いたが、住人以外は鍵を持っていないので中に入ったことはないが、見渡せるほどの小さな公園なのでランチタイムとか夜とかによく公園のそばを歩いていたが、小説の時代とは1世紀以上離れていたが景色はあまり変わっていないはずだ。

この小説を読んだので、あとはタイムトラベルで読みたいのは「夏への扉」か。たしか高校生の時に読んだ気がするが、もう一度読もうと思っている。

減塩について

大学からの帰宅の時は、すでに薄暗く街灯や家々の明かりが目立つようになってきた。気がつくと、すでに10月中旬。最初の1週間がオンライン授業であったが、すでに今期も第3週が終わる。

数日前に、食塩摂取量の事を書いた。偶然ではないと思うが、アメリカのFDAがアメリカ人の食塩の摂取基準を、3.4グラムから3グラムに引き下げるガイドラインの発表が、昨日されていた。

引き下げの理由は、食塩の過剰摂取が引き起こす心臓発作、脳卒中、腎不全などの抑制だ。FDAは、健康的な食塩摂取の上限を2.3グラムとしていることを今回知った。ガイドラインの改定は、この理想の摂取量に近づけるために、現在の平均的な摂取量でる3.4グラムを、3グラムまで引き下げることを当面の目標にすると言う。たった0.4グラムの引き下げだが、先日の研究発表にあったように、それだけの量を少なくするだけでも健康維持に大きな効果を発揮することがわかっている。

それにしても、理想的な摂取量は1日2.3グラムだと言うことに驚く。2.3グラムと言えば、日本人では一食でこれを超えることが多い。日本人の平均摂取量は約10グラムと言われているので、アメリカの接種ガイドラインに合わせれば3分の1以下にしなければいけないし、理想的な摂取量であれば5分の1近くまで下げなければいけないと言うことになる。

ここで疑問が出る。食塩が健康に悪いとすれば、アメリカ人の3倍以上の食塩を摂取している日本人がどうしてアメリカ人よりも長寿なのだろうか。食塩摂取量以外の要因もあるにしても、アメリカの理想的な摂取量の5倍近い食塩をとる日本人は、アメリカ人より長寿であることの理由はなんだろうか。

日本の厚生労働省も2020年にガイドラインを改定して、1日の食塩摂取量それまでの6.5グラムから6グラムに変更している。仮に、この基準が守られたとしても今回のアメリカのFDAの基準の倍だ。これだけの食塩を摂取しても、健康に悪い影響を与えないような要因があるのだろうか。

健康に良いとされる日本食の弱点は食塩が多い事だ。厚生労働省が、今の日本人の平均的な摂取量の10グラムを6グラムに減らすことを推奨するのであれば、もう少し減塩のためのレシピを開発して発表するとか、減塩の啓蒙活動を行うべきかと考える。それにより、健康保険が支払う医療費が大きく削減できる。

「イカゲーム」が世界各国で1位

「イカゲーム」が韓国ドラマとして初めて、すべての国のNetflixで1位となったそうだ。個人的にはまだ見ていないので、なるべく関連する記事は読まないようにしている。それでもあちらこちらで話題になっていて、だんだん知識が蓄積している。もうそろそろ、見ないといけないかもしれない。

それにしても、アジアから初めてアカデミー賞とった「パラサイト」といい「イカゲーム」といい、韓国はコンテンツでメジャーになってきている。日本のコンテンツも海外で人気があるといっても、メインストリームではなく、一部に熱狂的なファンがいると言う程度で、決してメインストリームになっていない。

この違いはどこから来るのか。日本では、英語のコンテンツでは無いからと言う理由がよく語られてきたが、「イカゲーム」は韓国語で、作られている。それが各国で吹き替えやサブタイトルで見られている。日本語で作っても同じことだ。良いものであれば、サブタイトルででも見られる。今まで、日本の作品が世界中で通常のランキングで1位になったと言う事は聞いたことがない。TBSが制作する「日本沈没」もNetflix経由で世界に配信される。これがどの程度の視聴者を集められるのか注目だ。

一時期クールジャパンと言われてアニメ関係が輸出商品になると考えられていた。しかしその頃から、世界の多くの人々に受け入れるのには限界があると思っていた。日本でも海外でもアニメと言うだけで見ないと言う人がいるからだ。

その点、「パラサイト」にしても「イカゲーム」にしても、実写の通常のエンターテイメント作品である。しかも、「イカゲーム」については、日本のいくつかの作品の影響があると多くの人が指摘している。これについては見てもいないので何とも言えない。それに、仮にパクリであっても問題はない。映画でもテレビでも、何かが元になって作られている。

「イカゲーム」の放送が始まってからまだ1ヵ月もたたないのに、急激な人気が出ているので、この人気を利用しようとすでに多くの企業がタイアップ始めている。日本ではあまり見かけないお菓子のNutter Butterが、広告のタイアップを始め、「イカゲーム」のガードの頭がお菓子になっている広告を開始した。ハイネケンも、ゲームに登場するマークを利用した広告を行っている。ルイヴィトンは、「イカゲーム」の出演している女優をブランドアンバサダーに起用した。それから、「イカゲーム」の関連グッズがウォルマートで売り始められたそうだ。ドラマに登場する緑色の衣装や関連する商品が店舗とネットで人気になっているという。

スター・ウォーズも映画の人気が出てグッズが爆発的に売れ、商品化権を持っていた監督のジョージ・ルーカスが莫大な富を成したと言う話がある。それと同じで、グッズが売れ始めていると言う事は、その人気はスター・ウォーズのように本物なのだろう。

今後の日本のあり方としてソフトの輸出が重要だと以前より思っていた。この状況考えると、韓国はすでに日本より先にその域に達した。日本のエンタメ産業は今後どのように世界戦略を考えるのかが重要だ。ネットはすでにグローバルだし、AIの進歩によって言語の自動翻訳などもそんな遠い未来のことではない。そんな時代には、マーケットは世界と考えなければ、ビジネスではない。

低ナトリウム塩

塩と高血圧の関係は明確に証明されている。しかし、分かっていても、血圧を下げるために塩を減らすのは難しい。自分の味覚も変えられないし、外食をする際には塩の量をコントロールすることは難しい。

高血圧と診断されてから、自宅で食べるものはかなり薄味になった。だから、会食をすると塩辛いと感じることも多い。昨年リスボンでミシュランの三つ星のレストランに行った。ここの料理は非常に凝ったものであったが、塩辛いのに閉口した。これはある意味で、高血圧を考えたときには自分の味覚の改革に成功したとも言える。

塩分を多少でも減らすと、高血圧に効果があると言う記事を読んだ。2010年にスタンフォード大学が行った研究によると、1日に350ミリグラムの使用を減らしただけで、血圧を1.25しか下げないのにもかかわらず、数多くの脳卒中や心臓病の発生を減らしたと言う。血圧の1.25と言えば、1%程度に過ぎないが、それでも健康に対する影響は効果はあると言うことだ。しかも350ミリグラムの塩分は、たった0.35グラムで、ティースプーンの6分の1の量に過ぎない。

中国で行われた新しい研究でも、減塩の効果が証明されている。この研究は、中国で脳卒中を起こす可能性が高い20,000人以上を対象にして行われた。研究では、塩に含まれる塩化ナトリウムの30%を塩化カリウムで置き換えた低ナトリウム塩を使用した。結果は、脳卒中や心臓病につながる心血管の病気の発生を大幅に抑えたと言う。 

初めて知ったが、塩が悪いのではなく、塩に含まれている塩化ナトリウムが体に悪いと言うことだ。

読んだ記事の中で驚いた部分は、人間の体は低い塩分で進化してきたことだ。その量はと言うと200から600ミリグラムだったと言う。このような低い塩分で進化してきたため、体はむしろ塩分を体内に留め、カリウムを排出するような仕組みになっている。だから、体が対応できないような多量の塩分は数多くの健康上の問題を引き起こす。必要な量が1グラムに満たないのに、それ以上を摂っているから当たり前だ。

日本食は体に良いとされているが、塩分だけが問題だ。日本人の20歳以上の男性の塩分摂取量は1日10グラムに達していると言う。これは先の人間の体がデザインされている塩分量の15倍にあたる。もう少し、減塩を行う認知活動を行うべきだろう。国民健康保険の維持のためにも、減塩で病気を防ぐのは必要だ。

低ナトリウム塩は、一般的にどこでも手に入る。高血圧の人はそれを使うのが良いかもしれない。例えば、味の素の「やさしお」は、中国の実験で使われた塩化ナトリウムの30%を塩化カリウム置き換えられたものよりも、さらに塩化ナトリウムが少なく、50%が塩化カリウムに置き換えられている。このような塩は、漬物などの保存用には使用できないと言うことだが、日常的に使うのであれば、低ナトリウム塩が良いだろう。

幸いにも自分の血圧は、高血圧と診断されてからのこの10年で、減塩に努め、ウォーキングなどの運動も継続して行っているために、正常範囲まで下がっている。ただ今後また同じ状況にならないために、塩分については気をつけたいと思う。そのためにとりあえず、調べた結果、塩事業センターの「食塩減塩タイプ」を購入した。この塩にはにがりが混じっているのでミネラル分も多いのではと考えたからだ。

空気の質

昨年、新型コロナウィルスの感染が始まった時は、空気感染はしないと言われた。しかしその後、エアロゾールと言う細かな唾液の粒子が空気中に舞って、それを吸って感染すると言われるようになった。空気感染とどのように違うのかよくわからない。結局同じようなことなのだと理解している。

このようなことから、換気については、どこでも注意が払われている。しかしながら、建物の構造上、窓がないなどの理由で換気が難しいケースも多い。そもそも、今までの建築では換気については特に考えられてこなかったから仕方ない。

アメリカでは空気質検知器や二酸化炭素検知器が売れているようだ。それは、エアロゾールが舞っていることを検知できれば1番良いが、それはできないので二酸化炭素の濃度を測って、それによって換気が足りなくて、感染のリスクが高まっていることを知ろうとするようだ。

学校などの公共施設に設置されている良いのだろうが、今のところ設備が間に合わないので、親が子供に持たせたりすることまで始まっているという。

空気質検知器や二酸化炭素検知器を検索してみると、日本でも様々な商品があり、安いものだと5000円程度からある。高いものだと何万円もするものもある。当然安いものはそれなりの性能しかないのかもしれない。

しかしエアロゾールで感染すると言うことであれば、レストラン等の人が集まるところでは、このような機器の設置を義務づけたらどうだろうか。二酸化炭素濃度を測定して換気の基準とするようなことをすれば良いと思う。

私の勤務する学校では、幸に、ほとんどの教室は窓があり、授業中も含めて換気が義務付けられている。これから始まる寒い季節にも、30分に1回程度の換気をすることになっているので、エアロゾールの滞留はないと思っている。実際、学生に感染者が発生しているが、学内の濃厚接触者も含めて、学内で感染した形跡は無い。さらに言うと、満員電車の中でも、あまり感染すると言う話を聞かない。マスクをして黙っていればエアロゾールが発生しないからかもしれない。しかし、レストランは食事をして、マスクを外して話すので別だ。

ワクチン接種が進み、感染者も減少している状況だから、大きな痛手を被っている飲食業のためにも一刻も早く通常の経済活動が再開されることを望む。その際に、第6波の予防策として、二酸化炭素濃度検知器により二酸化炭素濃度をモニターして、適切な換気を行うことを条件に、飲食業の通常営業を認めてはどうだろうか。機器の性能も問題はあるが、何十万円もするものではないので、レストランなどには義務付けても大きな負担ではない。

個人的にはキャンプ用の一酸化炭素濃度検知機を持っていて、海外旅行に行く時は持っていっている。通常のホテルなら必要ないかもしれないが、Airbnbで民泊をする際には、どのような構造の建物が分からないので、念のために使う。

水についての安全性は早くから問題になって、ミネラルウォーターを飲むことも含めて様々な対策を採られている。しかし空気については、PM2.5が問題や一酸化炭素中毒を除いて、空気の質に注意を払うと言うような事は、これまでは、誰もあまりしていなかったような気がする。でも、これからは、水も空気もタダではないということになる。

二酸化炭素排出量と恐竜の進化

恐竜についての記事を読んだ。単に歴史的な興味で読んだだけだが、その内容は今の地球にも関係する恐ろしい内容だった。

恐竜の絶滅の理由は、隕石の落下や火山の噴火とされてきている。6,500年前の事だから研究者も証拠を集めるのに大変であろう。人類が誕生したのは500万年前とされているから途方もない昔の話だ。

恐竜の絶滅の原因が、隕石か火山かの犯人はまだ確定していない。今回発表された研究によれば、火山は恐竜を絶滅させたかどうかわからないが、火山により、恐竜が地上を支配するきっかけになったようだ。

2億5,000年前に始まった三畳紀に、地球は大きな環境の変化の時期を迎えていた。この時期に多くの生物が絶滅した。同じ頃に、恐竜が地上に現れ、その後、進化して種類も増え地上の支配者になった。

三畳紀に進化した恐竜は、最初は痩せたトカゲのような形をした生物だったという。だが、恐竜は進化し続け、映画で見るようなティラノサウルスやトリケラトプスのような巨大な恐竜にまで進化していった。

恐竜の時代は、三畳紀から白亜紀まで続く。白亜紀は、1億4,500万年前から6,550年前までだ。白亜紀と三畳紀の間がジュラ紀である。映画のジュラシックパークはこのジュラ紀から来ている。

三畳紀の恐竜の種族の誕生から、巨大に進化したティラノサウルスのような恐竜が、地球を支配していた期間は約2億年と言うことになる。2億年もの時間があると、痩せたトカゲのような生き物が巨大なティラノサウルスまで進化することができるのだなと感動する。

今回の研究では、この恐竜の進化の原因を三畳紀にあったカーニアン多雨事象と言う地球の高温・多湿・多雨の期間に求めている。この期間は、2億3,400年前から2億3,200万年前までの200万年続いたことになる。200万年もの長い間、地球は温室の中の大嵐の中にいたような状況だったようだ。

この原因は、火山活動だ。それにより二酸化炭素が増えて、地球の炭素循環が変化して、温暖化とそれに伴う大雨の期間になったようだ。

この期間に、高温・多湿・多雨の環境変化に適応できなかった多くの植物や動物は絶滅した。大小様々な動物が絶滅したため、生き残った恐竜にとっては、自らの進化のために最適な環境が整ったと言える

面白いと思ったのは、この期間の生態系は現在の基盤になっていると言うことだ。恐竜は進化して巨大化していったが、同時に今も生き続ける哺乳類や爬虫類も、同時にこの期間に進化し続けた。それが、今の地球の生態系に繋がっている。

カーニアン多雨事象を引き起こした火山活動は、地球で起こった同様の火山活動に比べると圧倒的に大きなものだったと言う。しかし、研究者の次の言葉に非常に驚いた。「カーニアン多雨事象の二酸化炭素の排出は、現在の二酸化炭素の最初に比べれば、ごく僅かだった」というのだ。

整理すると、今から2億3,400年前に、大きな火山の噴火があり、大量の二酸化炭素が排出され、その結果地球の環境は、高温・多湿・多雨の、それまでとはまるで違ったものに変わってしまった。しかも、その状況は200万年続いた。そしてその原因は、火山による二酸化炭素の排出だが、その規模は今の人類の排出する二酸化炭素に比べればごくわずかだった。

この記事を読んで思ったのは、地球の生態系はバランスの上に成り立っており、火山の噴火のような出来事はその生態系に大きな影響与え、その結果として、地球上の生物の絶滅や誕生を起こしてきた。現在、私たちが直面する地球の温暖化の根本的な解決をしない限り、また別のカーニアン多雨事象が発生して何百年も続く可能性がある。